58日目「イチャイチャしよう!!」

「イチャイチャしよう!!」


僕の部屋に入るなり、タッチダウン!と叫びながらベッドに居る僕に紗奈は飛び付いて、開口1番にそう言った。


「うん、とりあえずどういうことか説明しようか。」

いきなり飛び込まれた僕はどうすればいい?


ああ、そうか。

紗奈を襲えばいいんだ。

「がおー。」

「ぎゃー!」

きゃーではなく、ぎゃーである。

色気のない叫びである。


、、、とりあえず、未だに僕の足の上に乗ったままの紗奈の頭を撫でながら、尋ねる。


「今度は何を見たの?」


紗奈はキョトンとした顔をした後、ふっふっふと笑う。

その態度にちょっとだけイラッとしたので、口を奪っておいた。

割とディープに。


ぐてん、と打ち上げられた魚のように、紗奈は力尽きた。


「ううう、、、颯太がいじめる〜。」

「いじめてない、いじめてない。

可愛がってる。」

今度は軽めに髪や頬にキスをした。


すぐに機嫌を直す紗奈。

この娘、こんなに簡単だったっけ?と思い返すが、、、簡単だった。


上機嫌に僕の足の上で横になったまま、足をバタバタしている。

「それで?どうして突然?」


またふっふっふと笑う。

とりあえず唇を奪っておいた。


「僕は今度は、軽めに口にキスをしておいた。

今度は単純に、ご機嫌な様子が可愛かったからだ。」

口に出して、ちゃんと紗奈に説明してあげた。


「ふ、颯太がぁ〜、、、スケコマシになったぁ〜!」

スケコマシって最近聞かない言葉だね?


「それでどうしたの?突然、イチャイチャとか言い出して。」

「最近、イチャイチャしてない気がしたから。」

紗奈は頬を膨らませそう言った。


僕は思い出すように部屋の天井を見る。

「昨日もイチャイチャしたけど?」

イチャイチャどころではなく、イチャイチャしたはずだけど?


紗奈は顔を真っ赤にして、僕の足をペチペチと叩く。


「そ、そうじゃなくて、何かこう、小説のようにジレジレとして、ブワーっと解放するような感じでイチャイチャしたいのよ!」


僕は天井を見上げて思い出す。


「したけど?」

昨日はなかなか情熱的だったけど?

僕は紗奈の手を取り、恋人繋ぎのように手の股をこすり合わせるように繋ぐ。


紗奈は顔を赤くするが、されるがまま。

それから紗奈の身体を引き上げ、僕にもたれかからせるようにした。


それから、ゆっくり深く唇を合わせ、唇で唇を擦り合わせるように。


視線が交わり、お互いにズクンと心臓が鳴った気がする。

それから紗奈は、顔を横にしながら真っ赤な顔で僕の胸にもたれかかり言った。


「きょ、今日はこのぐらいで許してやるわよ!」


うん、僕が許してやらないことにしたので、昨日に引き続き、情熱的にイチャイチャしておいた。


紗奈には後で忠告しておこう。

紗奈を大好きな飢えたオオカミを挑発してはいけません。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る