55日目「どうして皆、部活してないの〜?」

「どうして皆、部活してないの〜?」


僕のベッドの上で僕の足の間に入り、僕を背もたれにしながら、クリスマスの時にネックレスと一緒にプレゼントしたタヌキのポン太くんぬいぐるみを抱え、スマホで小説を読んでいた紗奈さなは、唐突にそう言った。


なお、タヌキのポン太くんは紗奈曰く、颯太ふうたに似ているから、これがイイ、ということらしい。


僕はタヌキに似ているのか?


それはそれとして、僕と紗奈のやり取りも随分、久しぶりな気がするのは何故だろう?


クリスマスこそ紗奈が寝込んでいたが、それ以外はずっと一緒だったんだけどね。


「そういえば、なんでだろ?確かにラブコメの多くが部活シーンそのものがないか、帰宅部だよね?

そこまで帰宅部ばかりでもないし、部活している人たちって頑張っている人も多いから、魅力的な人も多いはずだけど、、、。」


「颯太も部活してないよね?なんで?」


僕の場合は、、、。


「それほど器用では無いからね。今は勉強に集中したいと思ったんだ。

将来についてもしっかり考えたいしね。」

紗奈との喧嘩後、まだ数ヶ月も経ってないけど、少しずつ勉強は上手くいっている。


何というか、目からウロコというか、視野が広がった気がする。

ただがむしゃらにするよりも、勉強のやり方や効率を考えると大きく変わることに気付かされた。


学校の先生に質問することで、大分効率も上がった。

意外なことな気もしてたが、やはりそこは専門家だということだ。

効率的な考え方も教えてもらった。

今後の大学のみならずその先についても相談している。

後、筋トレとジョギングはしてるよ?


「颯太ぁああ〜!!」

「うお!?」


紗奈がくるんと振り向いて、半身でお腹にタックルする様にしがみ付いて、頭をぐりぐり。


「そういう紗奈もしてないよね?部活。」

「私はしてるよ?颯太という部活。

颯太と共に過ごし、颯太と生きて、颯太を愛する部活。」


うん、そんな部活はないよね?


「でも、そうだね。部活シーンにしてしまうとラブコメしづらいのかもね。

出来て活動の少ない部活、例えば、活動してない文芸部とか。」

「そうだねぇ〜、2人だけの文芸部の部活動で後輩が美少女、、、流石に、、、それってミラクル。」


まあ、色々と思うところはあるけど、紗奈も義理の妹の幼馴染で美少女だから、そこは我慢しようね?

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