25日目「イチャイチャしたい!」

「イチャイチャしたい!」


僕のベッドの上に転がり、僕の枕と自分の枕を抱き枕にしながら、スマホで小説を読んでいた紗奈さなは唐突にそう叫んだ。


「突然、どうした?下に聞こえるよ?」


流石に僕も動揺して、すぐに振り向く。

紗奈は、枕を抱え、こちらに唸ってみせる。


「今度は何を見たの?」

とりあえず、紗奈の隣に行き、頭を撫でると、彼女はひしっと僕の腰に手を回す。


「いつも読んでる小説たちの更新が少ないの。

この小説成分の不足を埋めるのは、イチャイチャしかないわ。」


いつも沢山、小説に目を通しているもんな、たまに更新が少ないと寂しくなるよな。


「そうかそうか。」

ヨシヨシと頭を撫でると、「ゴロゴロ」と紗奈は口で言う。


「ん〜、でも、改めて言われると紗奈にとってのイチャイチャって、何?

やってみて?」


「え?」

紗奈は顔を赤くして、僕の腰に手を回した状態で固まった。


僕は思わず、肉食獣の気分になって目を細める。


「赤くなって動揺する紗奈を、押し倒したい気分になってしまう。危険。」


本当に危ないので、警告の意味で僕はわざわざ口に出して言った。


アワアワ、と口をパクパクしながら、耳まで赤くする紗奈。


可愛い、、、。

ぽんぽんとまた紗奈の頭を撫でると、またひしっと僕の腰に紗奈はしがみ付く。


「コレがイチャイチャなんじゃないかな?」


紗奈はガバッと身体を起こし、ずいっと顔を寄せる。

「でも!イチャイチャばかりしている話って、飽きるんじゃないの!?」


スマホをバッと見せる。


とりあえず、僕の肉食獣が落ち着かないので、スマホをちょっとだけ避けて、紗奈の唇に僕の唇を重ねておいた。


「どれどれ?」


ふむふむ。

あ〜、この話の続きね。

なるほど、結婚したらこんな感じなんだなぁ。


「まったく飽きないな。

うん、良い話だ。幸せな気分になる。

、、、紗奈?」


紗奈は真っ赤な顔で、スマホを差し出したままで固まっている。


隙だらけなので、もう一度口付けしておいた。


肉食獣に隙を見せてはいけません。

あ、イチャイチャって色んな意味で危険なんだな。


僕は今更ながら気付いてしまった。

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