18日目「ねえ、颯太、、、。」

「ねえ、颯太ふうた、、、。」


この日も変わらず僕のベッドで僕の枕を抱えながら転がり、スマホを読んでいた紗奈さなが唐突に何かを言おうとして。


「紗奈。結婚しよう。」


「ふぁっ!?」


紗奈は思わずスマホを取り落とした。


「どどどど、どうし、どうしたの!?颯太!?ここはいつもの様に、私の呟きの後に、諦めてくるーりと椅子を回転させるところよ!

こ、こんな、そんな!?」


僕は椅子から立ち上がり、紗奈が転がる僕のベッドに腰掛け、紗奈の髪を優しく撫でた。


「ひぁふぁ!!??何が!?どうなって!?」


紗奈は足をバタバタさせて、真っ赤な顔で枕に顔を埋める。


せっかく隙だらけなので、僕はそのまま、紗奈の頭にキスを落とした。

「ひゃい!?」


紗奈は変な叫びを上げ、またさらに足をバタバタとさせる。


すると、、、誰かがゆっくり2階に上がってきて、、、。


コンコンと控えめに、ノックする。


「あのね?紗奈、ふう君?」


紗奈のお母さんの雪乃さん。つまり僕の義母だ。


「その〜、激しくなるのは、若いから仕方ないけれど、もう少し声は控えてね?」


うん、ナニを疑われているかは、分かった。


「違いますよ。変なことはしてないので、入って来て大丈夫ですよ?」


僕は言う。

髪へのキスが大丈夫かどうかは別にして、今は特に何もしていない。


紗奈が足をバタバタさせているだけ。


「そ、そう?服着てる?少し待とうか?」


うん、変な気は使わないで?


「大丈夫なので、どうぞ。」


ガチャっと音がするが、直ぐには入ってこないで、ソウっと覗いてから雪乃さん、義母さんが入って来た。


「あらあら、おほほ。ほんとね?大丈夫だったわ。」

それで良いのか?義母よ。


義母は紗奈を大人にして、少し歳を取ったぐらい。とても美人なおばちゃんだ。


雪乃さんと呼んでた時期の方が長いので、徐々に母さんと呼び慣らしていくつもりだ。


義母さんは、大丈夫だと見ると完全に部屋に入って来て、僕らを見ながら、僕の椅子に座った。


「紗奈〜?あんまりふう君に迷惑かけちゃダメよ?」


「迷惑かけてないもん!」

僕の枕をしっかり掴んだまま、紗奈は母に言い返す。


「そう?紗奈は顔だけなんだから、しっかりふう君に逃げらない様にしないと、幸せになれないわよ?


間違っても、浮気とかしちゃったら、そこでもう終わりなんだからね?


顔だけの悪い男に引っかかて大事なものを失う話はネット小説でも沢山あるから、明日は我が身で気をつけないとダメよ?」

義母さんもネット小説好きだ。


それを聞いて紗奈は、僕にしがみ付く。


「颯太ぁー。やだよー。私浮気なんか絶対にしないし、危ない人にも近寄らないから、見捨てないでー!」

イヤイヤ、としがみ付く。


はいはい、と僕は紗奈の頭を撫でる。


「義母さんも、あまり紗奈をからかわないで下さいよ。」


「あらやだ?本当に気をつけないとダメよ?悪い男は本当に口が上手なんだから。」


義母さんは、ふうとため息を吐く。


紗奈はさらに怯える。

「うわーん、颯太に捨てられる〜。こうなったら、今のうちに襲ってしまえば!」


押し倒しにかかられた!


ちょ、義母さん笑ってないで、止め、ええ!?この状態でおほほって、部屋出て行くの!?


紗奈をあおりに来ただけ!?


ちょ、紗奈とりあえずストップ!


ストーーップ!


まだ、カ◯ヨ◯的セルフレイティングはつかないから!


大丈夫!?ストーーップ!!!

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