14日目「私、紗奈。貴方の後ろにいるわ。」

「私、紗奈。貴方の後ろにいるわ。」


僕のベッドの上で仰向けになりながら、スマホで小説を読んでいた紗奈さなは唐突にそう言った。


僕は首だけ紗奈の方を向いて確認する。

「居るね?」


僕は机に向かう。

今日は科学だ。


後ろから、声が聞こえる。

「私、紗奈。今から颯太を襲うわ。」


流石に僕はくるりと紗奈の方を向く。

紗奈は、いつの間にか身体を起こし、ベッドから立ち上がろうとしていた。


危なかった、、、。


「紗奈ってホラー嫌いだったよね?」

「そうだったんだけど、メリーさんネタ多いよね?

短編ラブコメでも多いわよね。

そして純愛でちょっと好き。」


紗奈はベッドで座ったまま、手招き。

シャーっと椅子をちょっとだけ滑らし、紗奈のそばに行く。


「ホラーなのかラブコメなのか、それともコメディか。カ◯ヨ◯ゆえのジャンル訳の悲劇だな。」

例えて言うなら、恋愛物とラブコメ物の違いがよく分からないと、、、おっと。


「そうね。だけど、それゆえに完成する作品もある、そう言うことよ。」


うん、話してて僕もどうゆう事か分かっていない。

きっと紗奈も分かっていないだろう。


僕はシャーっとまたちょっとだけ移動して、机に戻る。


「いずれにせよ、色々と新たな試みをするのは良いことだと思うよ?

むしろ、それが常識を打ち破る新しい試みなら、なお良い。」


「、、、そうね。でもかつて行われた物事を繰り返すこともまた、正しいことだと思わない?」


僕は紗奈の物言いに、少しだけ首を傾げながら、勉強もまた過去の物事を学び直しているということに気づいた。


「そうだね。それもまた正しいね。」


僕は自分の言ったことについて、よく考える、いや、思い出すべきだった。


もまた、科学だった。


そして、何故、紗奈が後ろに居ると言ったのかも。




集中し過ぎて、無防備になっていた背中に誰かが。

気付いた時には、とんでもなく柔らかい何かが、首筋に!


ウチュー。


ぎゃーーー。

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