12日目「私、女の子になっちゃった。」

「私、女の子になっちゃった。」


僕のベッドの上に寝転がり僕の枕を抱えて、スマホで小説を読んでいた紗奈さなは唐突にそう言った。


僕は国語を勉強しながら、その言葉を書き込んだ。

①大人になった→相手は?

②女の子の日


「それはどう言う意味で?」

「TS転生したの。」


僕は③いつもの思い付きと書き込んだ。

そして、椅子から立ち上がり、紗奈のいるベッドに行く。


「え?あれ?いきなり?今日がエンディング?」


紗奈が何故か動揺しているところを、上から携帯を覗き込む。


「、、、なんだ、カ◯ヨ◯か。」


僕は紗奈の上から離れ、椅子に戻る。


「な、何と思ったのよ、、、。」

紗奈は赤い顔で、ぐったりしている。


「TS転生ネタには、年齢制限が多いからね。ちゃんとセルフレイティングが付いているかも確認しないといけないよ?」


紗奈はまだ、赤い顔のまま、僕の枕に顔を埋め、深呼吸する。


「そうね、それが付くかつかないかで、言葉の意味合いが変わるものね。

特に何も無く、たまたま眠くなって一緒に寝ていて朝を迎えただけの筈が、セルフレイティングが付いた瞬間、そういう意味に変わっちゃうから、気を付けないと、、、。」


紗奈が動揺し過ぎて、不思議な事を言う。

僕は首を傾げた。


「それで、何でTS転生物?」

「個人的には、好きなのよ。私も何でTS転生物が良いのかなぁ〜と思ってたら、多くは純愛なのよ。」


あ〜、確かに。

男が女の子になるパターンになって、主人公がそのまま女の子(元男)で進むからなのか、とにかく確かに純愛が多い。


僕もその理由について考えてみる。


「元々が同性同士だから、余程、

ぐいぐいいかないと恋愛に成りづらいからだね。

後、、、。」


「主人公が女の子だから、ハーレムが発生し辛い。逆ハーレムは課題も多いから、、、これは今度また別の夜、話しましょ。」


あ、夜の約束なんだ、と僕は思った。

毎夜、紗奈は僕のベッドでこういう話をしているので、今更だけど。


まあ、いいや。

僕も思った事を口に出す。

「後、聖女になる事も多いね?何でだろ?」


「イメージじゃない?これも純愛になり易い要素かも?元々女の聖女よりも男に興味がないから、清純なイメージになり易いというか。」


紗奈の言葉に、あ〜、と納得する。


「肉体に引っ張られてそのまま、女の子になってゴールする事も多いね。

現実だと、ホルモンバランスの関係があるから、女性ホルモンが多くなっていけば、女性的に。

男性ホルモンが多いままだと、男性的なままだとも聞くよ?詳しくは分からないけれど。」


「関係ないかも知れないけれど、異性に良い匂いがするのは、その男性、女性それぞれのホルモンが影響しているかもって話よ?

私は颯太に良い匂いがするけど、颯太はどう?」


嗅ぐまでも無く、紗奈からは甘い匂いがする。


「、、、するよ。」

紗奈は罠に掛かった獲物を見るような目で、ニヤリと笑う。


「別の説では、良い匂いのする男女同士は、遺伝子が合致する証拠なんだって。つまり相性が。」


「うん、それ以上はやめておこうか。」

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