7日目「同棲しよ?」
「
僕のベッドの上で枕を顎で抱え込みながら、寝転び、スマホで小説を読んでいた
「もう一緒に暮らしているけど?」
紗奈は幼馴染でもあり、義理の妹でもある希少種だ。
僕は今日はノルマが終わったので、最初から椅子は紗奈の方に回転済みだ。
「今度はどんな小説?」
紗奈が突飛なことを言うのは、大体その系統の小説を読んだ後だ。
「義理の家族になってそれが元カノだったり、同級生だったりするじゃない?
全国何十万と居る高校生でそんな希少例って1組居るかどうかよね?」
そうだね、希少例の我が義理の妹よ。
「それが更に恋愛関係に発展するなんて、更に更によっぽどじゃない?そういう亜空間フィールドでも設置されているのかしら?」
されているかもしれないね、亜空間フィールド。
「ちょっと自分の希少性を考えてから言おうか、幼馴染の我が義妹よ。」
それに紗奈はサラッと。
「私は良いのよ、運命だから。」
「多分、その他の希少例たちもそう思っているんじゃないかな。」
顎に手を当て、ふーむ、と紗奈は悩んだ後、大きく頷く。
「分かったわ。運命なのは決定事項だから、そこから先は各自の努力ということで。」
何処まで先を見越して、話しているかは不明だ。
紗奈は調子に乗ってきたらしく、さらに話す。
「この小説『たち』の例で言えば、別れていても同棲の時間経過と共によりを戻す、もしくはくっついているわ!!
つまり、小説で書かれている間は、更に驚きのくっつき率100%よ!」
希少種であるはずの、同棲属性が複数居るのも驚きだけど、くっつき率100%は更に驚きだ。
どうでもいいけど、今日の紗奈の話は『更に』を使うことが多いな。
「あれ?でも別ヒロインが居る時に、義理の妹と恋愛関係にならないことも多いよ?
慰め役やアドバイス役に徹したりする時とか。」
紗奈は僕の言葉に目を逸らす。
「幼馴染属性が付いてないから、それは良いのよ。
それとも、、、は!
まさか、
美人の先輩に屋上で愛の告白とか、別の幼馴染とか居ないでしょうね!?
居るなら、今すぐマーキングするから、こっち来なさい!」
三角目になりながら、紗奈はベッドの上をバフバフと叩く。
「告白もされたことないし、幼馴染は紗奈以外居ないから。」
「なら、とりあえずいいわ。もし告白の気配がしたら、早く言いなさい!マーキングするから。」
もうよく分からなくなって来たので、僕は話を戻す。
「同棲の話はもういいの?」
「そうね、とりあえず、この部屋で颯太と同棲することにするわ。」
いや、隣の自分の部屋に帰りなよ。
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