国王と大臣たちの前に一人の青年がきていた。彼はビーストテイマーである。

「ぐっふっふっふ！　よく来てくれたの！　ビーストテイマーのユーノ君」

「は、はい！　私に何の用でしょうか？」

「君にはこの王国で働いて貰いたいのだよ。無論賃金は弾む」

　とはいえ、ドラゴンテイマーとして働いていたアークの１０分の１程度の金額を予定していた。したり顔である。

「そうですか。それで私に何をテイムして欲しいのですか」

「我が国には魔獣が幾体もいる。だが最も多いのはドラゴンだ」

「ドラゴン？　何を言っているんですか。僕はビーストテイマーですよ。ドラゴンなんてテイムできませんよ」

「な、なんじゃと　なぜできないのじゃ？」

「ドラゴンは知能が高く強力で、尚且つ凶暴で手なずけるのが不可能だと思われている種族なんです。そのドラゴンを手なずけた人なんて聞いた事ありませんよ」

「ふ、ふざけるなよっ！この王国には手なづけていた男がいたのだぞ！　嘘を並べるでない！」

「えっ！　そんなすごい人がこの王国にいたんですかっ！　でしたらその人に任せればよいでしょう」

「ぐっ。ぐぬぬっ。そやつはある事情で退職していったのだ。今はもうおらぬ」

「はあ……そうですか。何にせよ僕には無理です。失礼します」

「ぐぬぬ、ぐぬぬぬぬっ！」

　国王は顔をゆがめた。

「国王陛下！」

　その時だった。国王のところに一人の使用人がきた。

「大変です！　国王陛下！」

「どうしたのだ？」

「竜が！　竜が言う事を聞かずに暴れまわっています！」

「な、なんだと！　わかった！　すぐに向かう！」

　国王達は大慌てでだ。

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