第5話 竜国に大歓迎され、宴が開かれる

「王女様だ!」

「ラピス様が帰ってきたぞ!」

「背中に人間を乗せているぞ!」


 竜の国に俺達が着いた時、数多の竜がざわめいていた。竜の国の竜は人の形を取る事もできるようだった。現実に言えば、竜人と呼ばれる種族なのだろう。


「ラピス様! ご無事でしたか!」

 

 美少女達数名がラピスに駆け寄ってくる。


「ラピス様! このお方は!」

「このお方は私の命の恩人よ。かつて怪我をしていたところを助けて頂いたの」

「なんと! 我らの竜国の姫であるラピス様を助けて頂けるとは。このテイマーの方はなんとおっしゃるのですか?」

「アーク様よ」

「アーク様! この御恩! とても言葉で言いつくせるものではありません!」

「今宵は宴じゃ!」


 臣下の者達が騒ぎ始めていた。


「宴を開こう! ラピス様のご無事を祝い! そして英雄であるアーク様の来賓を祝して! 祝いの席を設けようぞ!」

「……そんな、別に俺は大した事をしていないのに」

「そんな事はありませぬ。アーク様! あなた様は我が国の英雄であります! 竜城があります故! そちらに移動してください! 竜場の広間で祝いの席を設けましょうぞ!」


 こうして、俺は竜の国に歓迎された。祝いの席では多くの料理が振る舞われ、竜人娘達が踊っていた。。


「さあ、アーク様。どうぞ」

「ありがとう。ラピス」


 そして、竜国の姫がお酌をしてくれていた。いわゆる至れり尽くせりというやつだった。


「しかし、どうしたものか」

「……どうかされたのですか?」

「いや。これからどうすればいいかを考えていたんだよ」

「アーク様は特別なお方です。アーク様さえよろしければこの国を導いてください。是非この国の王として」

「王様かぁ……大変そうだけど悪くはないかな」

「アーク様……王になるという意味がわかっておいでですか?」

「え? 何か深い意味があるの?」

「ぽっ」


 ラピスは頬を赤くしていた。なんだろうか。風邪でもあるんだろうか。


「けど、ちょっとゆっくりして考えてみるよ」

「はい。まずは是非ゆっくりとこの国でくつろいでくださいませ」


 こうして俺は竜国で一日を過ごした。

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