第3話
ドコォンっ!!
「うっ!!」
急に右側から強烈な衝撃に襲われ俺は左側の壁に体を打ち付けた。
すると今度はナイフが飛んできて俺の服と壁を縫い合わせた。
いったいなにが‥‥?
混乱する頭をなんとか動かし顔をあげるとそこには信じられない光景が広がっていた。
倒れ、壁に縫い付けられたかのように身動き取れない俺をまるでごみでも見るかのように見下す7人の人、彼と彼のパーティー、そして俺のパーティーで最愛の恋人達でもある三人女の子達‥‥
俺は訳もわからず困惑を顔に出しながら彼らを見上げる。
すると彼女達は口を開いた。
「はぁ、ようやくこの時がきましたね」
「ほんとよ!!あぁ、長かったなぁ~」
「まぁまぁ、これで終わりなんですから最後くらい笑顔で終わりにしましょ?」
俺は意味が分からず笑う三人を見上げた。
すると後ろにいた彼と彼のパーティーも口を開いた。
「皆から聞いたぞ、お前は彼女達を脅迫していたらしいな、自分と来なければ村を焼き払うと、そして嫌がる彼女達を手込めにしようと俺を痛め付けたのだろう?彼女達は泣く泣く俺に罵詈雑言を浴びせた。そうしないと俺を殺すと脅して」
「最低です」
「屑よね」
「同じ男として許せねぇ」
脅迫?なんのことだ?
俺はそんなことをしていないし
彼と決闘したのだって彼から仕掛けてきたのだから当然じゃないかっ!!
そう訴えようとするも何故か言葉が出てこなかった。まるで何かに押さえつけられているかのように、沈黙する俺を彼らは固定と受け取ったのかさらに俺を罵った。
主に彼と俺のパーティーである彼女達三人が身に覚えない罪を言い、それに対して非難する彼のパーティーメンバー、
曰く
俺は祝福を受けたあと嫌がる彼女達三人を脅迫し無理やり王都につれてきた。
さらに無理矢理厳しい訓練を課す中で三人にそれぞれ手を出そうとするも三人は力を合わせて事なきを終え、さらに故郷にいる彼の所に帰りたがっている彼女達に怒り村で彼女達の了承を得ずに婚約発表をすること思い付く、拒否すれば彼や村の人々を処分すると脅して彼女達は泣く泣く俺に従ったことになっていた。そして未練を絶つために彼を痛め付け、無様な姿を彼女達に見せ、さらに彼女達に無理矢理彼を暴騰することで関係をぶち壊したと、その後は何かにつけて彼女達に肉体関係を強要しようとしたり危険なクエストは彼女達に任せ自分は後方で眺めるだなどと彼女達を不当に扱ったらしい
彼や彼女達の話を聞いて俺は思う、
それだれのことですか?
なんども言うよ?
そんなことしてないよっ!?
村での事は彼女達が村を恋しがってるから里帰り的なことをしたいと王宮の堅物じじい達を説得したの俺だし、婚約発表を村でしたいと言い出したのも彼女達だ。さらに言えば村に行く前に王都で大々的に発表してるし、その時彼女達はどうみても微笑んでいた。
そして、本当、何度も何度も言うよ?
耳の穴かっぽじってよーく聞けよ?
お前が先に突っかかってきたんじゃねぇかっ!!
俺は拒否したよ?
それなのにやれ「彼女達は俺の女だ!!」やれ「俺はお前を認めない!!」だ、挙げ句に「俺がお前をぶっばしてやる!!」って言いながら殴りかかってきたらそりゃ反撃しますよ?
聖人じゃないんだよ俺は!!
あ、勇者だった‥‥
まぁ、それは置いておいて
その後の罪状?にもまったく心当たりないわっ!!
告白だって彼女達からしてきたし、まぁ多少はそうゆう目で見てたかもしれないけど、仕方ないじゃん!!男の子だもの!!
俺は頭の中で彼女達の発言に全力で突っ込みをいれる。そのお陰かだんだんと頭が働き回りの状況を観察する余裕が出てきた。今俺を罵る彼と彼のパーティーメンバーの後ろで俺のパーティーメンバーは震える体を抱き合いながらいかにも怯えていますを表現していた。だが、その三人の後ろ、うまく見えないようにしているが薄く光が見える。おそらく先程変化した魔術師の杖だろう。俺が喋れないのはあれが原因かと考える。だが、どちらにしても今の俺に出きることはない。先程の衝撃(たぶん彼のパーティーメンバーの重戦士のタックル)を受けて体のあちこちに痛みがあり、さらに俺の体を固定してるナイフ(彼のパーティーの暗殺者のスキルかな?)のせいで身動き一つ取れない、
俺はこのまま殺されるのだろうか‥‥?
悲観していると物言わぬ俺に飽きたのか皆から受ける罵詈雑言は収まり、彼が静かに告げた。
「この部屋にはもう誰も来ることはない、お前はこのまま動けず、誰とも会えず朽ちていけ、死ぬまでの間に少しは自分が行った非道を悔いることだ、」
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