第2話
最初の変化は小さいものだった
俺は彼に再会後勧誘も助言も無理だろうと悟り街を去ろうとした。だが、仲間である彼女達がそれを止めた。
自分達が彼に話をする
私達に任せて!!
決意を思わせる彼女達の瞳に負け俺は頷いてしまった。
そして最初に彼に話しに行ったのは俺の最初の恋人である聖女だった。彼女は自分なら彼とうまく話せると言い笑顔で彼の元に向かった。
‥‥帰って来るなり彼女は泣いた、自分では彼と話せないと‥‥愛してる女性を泣かされて黙っていることなど出来ない!!俺は彼をぶっ飛ばそうと立ち上がり出て行こうとした。だがそこで俺は止められた。魔術師と剣士の二人に
そして二人に説き伏せられ、今度は聖女含めて三人でまた彼の所に出掛けていった。
そして三人が出ていって半日が過ぎた頃、彼を連れて三人が戻ってきた。
どうやら和解したらしく彼の協力をうまくとりつけることができたらしい、これから皆で四天王が暴れている街に行き協力して討伐することになった。ただ、彼と彼のパーティーメンバーの装備は充実しているが俺達(特に俺)の装備はその辺にいる冒険者と対して変わらない(俺だけな)ため道中魔物が大量に溢れるダンジョンに寄り魔物退治とそこにあると言われるアイテムを回収し装備を整えてからからになった、困っている人がいるのなら助けなくてはとその案に乗った。
そして俺達はダンジョンへと足を踏み入れた。最初は俺達のパーティーでも対処できていたが、情報通り多数の魔物が出現していて進むに連れてどんどん難易度もあがり、今では彼のパーティーにおんぶだっこの状態だ。彼のパーティーは男女二人ずつのバランスがいいパーティーでスキルも俺達程ではないがそれなりの物を持っていた。正直悔しかった。スキルのランクではこちらが圧倒的に優れている筈なのに彼らのように戦えない無力な自分に腹がたった。彼らがいなければ俺はこのダンジョンのよくて中層、最悪上層までしか進めなかっただろう。この時の俺は自分の無力差にうちひしがれて回りの状況を見ていなかった。いや、魔物やトラップなどには意識がいっていたがパーティーメンバーである彼女達の視線や動作などを見ていなかったのだ。
見ていれば少しは違う未来があったのかもしれない‥‥‥
そしていよいよ最下層のボスがいる部屋に到着した。ボスは地竜のアースドラゴン、普通ならA級冒険者パーティーが複数で相手してやっと倒せるそれを彼らは4人で倒してしまった。しかも無傷で‥‥
彼らの戦う姿をみて
なんであそこにいるのが自分じゃないんだろうと悲しくなり思わず下を向いてしまった。
そしてアースドラゴンを倒すと奥にある扉が開き中には4本の剣が台座にそれぞれ安置されていた。情報ではこれらの剣は剣の形をしているが装備すると持ち主の職業に適した武具になるらしい。俺の仲間である聖騎士、聖女、魔術師はさっそく剣を手に取るとそれぞれが形を変えた。聖騎士は彼女が扱い安いような剣に、聖女は神々しい光を放つティアラにそして魔術師は杖へと変わり各々感触を楽しんでいた。俺も剣を取ろうとした時それは起きた。
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