捕まった未華子

「ねえ、もうこんな事止めようよ

部屋に二人っきりは流石に

不味くない?

蒼生も、結婚考えてるなら

止めた方が良いと思うよ。」


蒼生は怒りのこもった声で

「あの、甲斐田と付き合うつもりか‼

部屋で2人っきりで居るより車で

2人っきりの方が不味いだろ‼」


「ええっ、何で甲斐田さんが

出てくるの?

でも、もしそうなったとしても

蒼生には関係無いよね‼」


ブチン!

蒼生は鬼の形相になり

未華子に飛びついた!


あれよあれよという間に

脱がされて1回戦が終わった。


「言っただろう。

離婚は無効だって‼

裁判してでも無効にする。

あれは未華子の騙し打ちだぞ‼

卑怯だろ‼」


甘い蒼生のキスに何も言えなくなる。


「だって蒼生、

お見合いするんじゃん。」


「見合い?しない‼

未華子がどう出るか見ていただけ‼」


食事も途中なのに又

ニャンニャンニャン再開

余計、腹減ってきた。


「もう、甲斐田と浮気するなよ!

この間の事は許してやるから‼」


「えっ‼ 浮気してないよ!

してない"!!」


「フン、あの日、甲斐田と手を繋いで

仲良く寄り添って、おネンネして

いたぞ‼」


「え━━━━えええ━━━━━‼」


「幼稚園児じゃあるまいし

男の車で寝るなよな‼

今度こんな事したら慰謝料請求する。

1億円‼」


「え~えっ‼

私と蒼生は離婚成立してるし

慰謝料は発生しないから大丈夫‼」


「なんとでも言え‼」


甲斐田さんと手を繋いで寝てた?

嘘でしょう。


「とにかく未華子と俺は未だ

夫婦なんだからな‼」



「えっ?あ、ああ・・・うん?

何か違うと思うんだけど・・・?」



未華子は知らない。

婚姻届を2枚書いた事を忘れている。

早く早くと追い立て

考える隙を与えず、わざと書き損じ

させた。

「あ~震えて字がはみだし

ちゃった、これくらい大丈夫よね。」


「おいおいー‼

駄目駄目、廃棄‼

もう1枚あるから、今度はちゃんと

書いて! 夫婦になる証明書なんだから

ちゃんと書け‼」


「蒼生、この字気に入らないよ

もう1枚ある?」


「あ、これでいいよ

上手く書けてるじゃないか‼」


「ん━━━━━━やだあ書き直す。」

なんやかんやごちゃごちゃ

グネル未華子を、なだめ

スパッと取り上げた。

未華子が書き損じた婚姻届は

捨てる様にゴミ箱に四つ折りに

して投げた。


そして婚姻届を無事提出した

次の朝捨てたゴミ箱の婚姻届を

拾いあげ、記念に大事に取って

置いた。

もしもの事を考えて、そう俺は

心配性なんだ、多少異常性がある。


そして離婚から7ヶ月後

婚姻届を再提出、離婚不受理

届けも忘れずに‼


同じ相手だからすぐ出せたかも

だけど、未華子が帰って来ると

信じていたから待った。


しかし

帰る様子はなく、行動起こさざる

おえなくなった。

甲斐田悠の出現。


あいつに先越されたら、未華子は

アイツの物になる。

それだけは阻止しなければ

取り返しのつかない事になる。


人間目的は繁殖だ、

未華子が産むのは俺の子なんだ

そうじゃないと完全に

俺は狂ってしまう。




俺にも、見合いの話は会社を通して

何回も来た。

既婚者と言ってるのに諦めてくれない。

今度の見合いも勝手に先方が

押し付けて来た。

相手が信じてくれないので

法的措置を取りますよ!

と言ったらやっと諦めてくれた。


結婚指輪もしていると言うのに

俺に探偵を貼り付け見張らせたと

言っていた。

探偵が1人住まいと報告をあげ

つまり指輪はダミーだと解釈した

らしい。



「俺が未華子を手放す訳ないだろ‼

金や地位なんてなんになる!

未華子がいてくれれば俺は確実に

幸せ何だよ‼

誰も邪魔するな‼」


あの甲斐田にも会いに行き未華子は

既婚者だと諦めさせた。


「甲斐田、知らないのか

未華子は俺の妻だ‼」


「💢💢関田さんは離婚したって

言っていた、彼女は嘘を付かない‼」


「アハハハハ

未華子は知らないんだよ‼」

甲斐田に事のあらましを説明した。


「お前💢恐ろしい奴だな‼

本気か‼

そんな事、詐欺紛いな事って

気付かないのか‼」


「詐欺?何の事だ‼

あれは未華子自身が書いたし

まだ未華子は俺に惚れてる‼

未華子は、俺の物である以上

お前の物にはならないぞ‼

諦めろ!」


甲斐田は項垂れてソファーに

ドスンと腰を下ろした。


「彼女はそれで幸せなのか?」

甲斐田は項垂れたまま、力無く

呟いた。


「お前には関係無い‼

邪魔するなら本気でお前を潰すぞ

甲斐田悠‼

この間のような遊びじゃないぞ

未華子が幸せかって?


さあな、それは分からないな‼

俺は未華子じゃない

だが安心しろ

俺は幸せなんだからな!」


甲斐田は懇願するように蒼生に

頼んだ。


「彼女を自由にしてやってくれ、

お前💢💢頭おかしいぞ‼」


立ち上がった甲斐田は蒼生の

襟首を掴んで睨みを効かせた。


蒼生も挑発するようにニヤリと

笑った。


「お前に渡すつもりは無い

そしたら俺が不幸になるからな‼ゞ」

そう言うと

蒼生の華奢な身体からは想像

出来ない力で甲斐田の手を捻り

上げ投げ倒した。


「お前💢狂ってるぞ!」


「なんとでも言え💢

法律の前では俺たちは夫婦

お前が手を出せば裁かれる‼

法律は白黒ハッキリさせるハズだろ

諦めろ💢」


甲斐田は未華子にゾッコン惚れて

いた。必ず邪魔してくる。

法律の穴を見つけ未華子と別れ

させて来る。


知り合いのツテを辿り

外国との取引を止めさせると

脅した、そうなるとかなりの痛手

となるだろう。

甲斐田グループの未来は終わる‼

もう手出しはしないと約束させる方がお互いの為だ‼


「何千人の従業員を

路頭に迷わす気か‼

お前の肩には従業員の家族

の未来もかかってるぞ‼


甲斐田、よく考えろ!

お前のおこない一つで困る人間が

山ほど出るぞ‼

いいのか、それで‼💢」


甲斐田は渋々諦めた。

しかし安心は出来ない‼

甲斐田が結婚すれば未華子は

奴には絶対近寄らない。

未華子はそんな女だ。


未華子の叔母さんに甲斐田の

見合いを頼んで来た。

すぐ見つけてくれるだろう。



しかし甲斐田悠よ、お前には感謝

している。

お前の愛情の深さを認識させて

くれたからなぁ!

俺も頑張れたよ!'`,、'`,、


誰にも抱いたことの無い嫉妬、怒り

未華子への独占欲‼

未華子を溺愛している事を彼女に

バレ無いように今は抑えて生活

している。


本物の、ストーカーは俺の方だよ!



甲斐田悠、お前が現れたから

未華子への愛情を再確認出来た

だからお前を潰すのを止めた。


アハハ

俺は律儀なんだよ‼

未華子が俺のそばにいるのを

指咥えて見てろよ!

あの平井賢一のようにな‼


アイツも引き下がらなかったら

今頃何処かの魚の餌になっていた

かもな笑


未華子に惚れたお前なら

さぞかし苦しいだろうよ。

未華子は早々いるオンナじゃ無い

からな‼


お生憎さまだな!

俺と言う、相手が悪かったんだ

諦めてくれ‼


お前らに心底、同情するよ。

可哀想にな〃ハハハハハ





「じゃあ、行って来るよ。」

蒼生は会社を辞め、両親の

事業を継いだ。

不動産業、自分で立ち上げたIT業

を手広くやっている。

会社も軌道に乗って事業は上場


妹のかなちゃんも大学に行きながら

モデルの仕事に就く為

基礎を勉強中。


不動産業も全国規模で中々忙しい。

未華子も未だ居酒屋に務めていて

今は店長の椅子に座っている。


「ママ、パパは?」

目を擦りながら今年4歳になる美緒が

起きてくる。

「あーあ美緒がお寝坊さんだから

パパは仕事に行ったよ

早く顔を洗わないとご飯

たべれないよ。」


「未華子ちゃんおはよう

美緒もおはよう。」

毎朝義母唯香みが幼稚園バス迄

送り出してくれる。


「おばあちゃんー」

美緒は満面の笑顔で飛びついた。

未華子と唯香は姉妹の様に仲が

いい。


母親同士も父親同士も一緒に

飲み歩く程仲がいい。


「今度はどっちかしらね?」


「お義母さん、又女の子らしいです。」


「まあっ‼嬉しいわ

これで由利香と喧嘩しなくて

済みそうね、楽しみ」


「え、喧嘩」


「そうそう、美緒の取り合いよ!

うふふ

由利香も喜ぶわよ。

あー早く、遊びに連れて行きたいワ」

と目を細めるお義母さんは

可愛らしい。

ほんとに57歳かと思うくらい。


未華子はもうすぐ居酒屋を辞める

やっと、専業主婦を選んだ

美緒の為らしい。


何もかも蒼生の思い通りになった事を

未華子は知らない。


「ね、ね、お義母さん

蒼生今日出張なんですよ、

私も休みですし、お義父さん呼んで

食べに行きませんか?

鰻食べたいな━━━━‼」



「やった━━━━‼

行きましょ行きましょ

美緒今日は外食よ!


あ‼でも美緒ファミレスが

いいんじゃない?」


「それは、蒼生が帰ってくる日

って美緒と約束してましたし

ウヒですよ。

蒼生美緒の行きたい何処しか

いかないんですもん。

今日は、チャンスなんです。」


「チッ、未華子の奴

俺抜きかヨ‼」


未華子の一日の流れも蒼生は

趣味のように観察している。

今は誰も寄り付かないほど俺は

カミソリのようにキレながら

女の子に接している。


「顔はタイプだけど、怖いよね。」

そう裏で言われているのも知っている。

他の女には興味無い‼

未華子を安心させる為でもある。


未華子が今日何しているか

店にもスパイを入れている

何をして、どこにいるか全て

お見通し。


1人目も幼稚園に入り仕事に

打ち込める、そんな時期を狙って

未華子には避妊してると、

嘘つきながら3人目を作った。


仕事をしていると又甲斐田のような

奴が現れるかも知れない。

用心に越したことは無い仕事を

辞めさせるには子供しかいない。


歳を重ねて益々色気が増して

滲み出るようなフェロモンに

毎日一緒にいる俺でさえ

我慢出来ないと言うのに


他の男がほっとくはずが無い‼

だから心配なんだ。


それはストーカーと呼ばれる

ものかもしれない。

ストーカー以上に異常な程


あのカーレースのあとも

催眠術師を呼び出し

催眠術で甲斐田への思いも

抜き取り、俺への気持ちをスリ混んだ


確実に未華子の気持は甲斐田に

向いていたんだ。

俺には・・・分かる。


だって、未華子が他の男に

よろめくなんて、あっちゃ

いけないだろ‼


フフフ

蒼生は自宅の見える場所に

車を止めて、自分そっくりな我が子

に満足し、ニヤニヤしながら

車を出した。


多分あの日から俺は壊れてしまった。

香織の父親と蒼生の母親の

あの異様なDVDを見てしまった時

から・・・


忘れていたよ

その感情を眠らせる事に成功

したのに・・・

忘れていたよ

盆、正月だけの妻を求めていた

理由を

俺の脅威的な、独占欲を抑える為

だった事を・・・・・


それを甲斐田が目を覚まさせた


29歳、お前の恋は終わったな‼

未華子の夫になれなかった

甲斐田、お気の毒にな‼


アイツの、夫は俺だ‼

異常な程の狂愛

誰にも分からない程の依存症


甲斐田の言った事は間違いじゃ

無い、お前の言う通りだ

俺は狂っている。


もし俺の目をくぐり抜けて

未華子が浮気でもしたら間違い無く

ヤル

人にくれてやるくらいなら

確実に完璧な方法で

裏切りは許せない性格なんだよ。


未華子はもう俺から逃げられない

毒蜘蛛の巣に飛び込んだアゲハ蝶

のように一枚一枚羽をもぎ取り

動けない様に毒糸で巻きつくす。


そのままアハハハハ

俺が狂ったまま、愛して行くよ。

だって俺達は夫婦なんだから・・



フフッフフフフフフ

アハハハハアハハハハア━━〃〃ッハハハ

アハハハハアハハハハ

ア━━━━━━━ッハハハハハ

アハハハハハハ

アハハハハアハハハハ

アハハ







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🦉29歳夫の恋 ルミン @rumiko35211

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