蒼生の気持
離婚して二日目
朝も普通に過ごした。
ベッドは別、未華子はソファーに
寝る、蒼生より遅く帰り、
蒼生より早く、出社。
「身体壊すなよ。」
「大丈夫、ありがとうございます。」
こんな会話に蒼生はまだ
私が怒っていると勘違いしている。
私は徐々に他人として扱っている
だけなんだ。
未華子より30分早く出るのが蒼生
との決まりだったが逆になる。
後1ヶ月すると、蒼生は未華子を
置いてNYに帰るだろう。
会社に着くとミホとミクは
相も変わらず蒼生に食い下がって
いた。
人の恋路を邪魔する訳には行かない。
もう他人何だからミホもミクも
好きにしたらいい。
そう思うとスッキリ‼
今まで何に支配されていたのか
と思う程あっけないものだった。
「助けてー未華子‼」
LIN〇がピカピカしてサブ画面に
文字が踊る‼
「あらあらあらら
モテモテで‼」
とソッケ無く返す。
ぷくぷくした部長が手招きする。
「課長、急だが来週週末、
取り引き先の内外集めて
パーティをHOTEL、The東京
で開くらしいんだ‼
新商品の発表も兼ねて、CMの
柳原樹も来るらしいからな
宜しくたのむよ。」
「あ、今人気の、
CM決まったんですね。
分かりました、お手伝いに参ります。」
「あ‼ 御喜くんは、社長秘書から
案内状手渡してあるそうだけど
一応確認してみて‼」
「分かりました。」
「じゃぁ、頼んだよ。」
部長は念を押して
資料を抱え部長会議へと
向かった。
未華子は、つかつかと蒼生の
デスクへと足を進め、
「おはようございます。
御喜さん、招待状を、お嬢様から
受け取ってらっしゃいます?」
蒼生はサ━━━━ッと血の気が
引いて・・・
「どうなんです?」
未華子は詰め寄り、蒼生に
プレッシャーを与えつつ
「受け取ってらっしゃいます?
部長から、確認してと言われてます
から返事しなくては行けませんので
決してヤキモチじゃありませんから。
誤解されません様に‼」
蒼生はバッ悪そうに頭を書いて
「はい:う、受け受け
うう受け取ってます。」
「はい、ニコニコ了解ですっ」
未華子は、クルリと背を向け
(_`Д´)_クッソォォォォォ!!と思いながらも
(^ω^)ニコニコ顔には出せない!
その夜蒼生は御前様だった。
遅くなるの連絡も、未華子からの
心配するLIN〇も無かった。
少しずつお互い離れて行くのが
分かった。
毛布を抱きしめ今日は久しぶりの
ベッドに横になる。
蒼生の匂いを嗅ぎながら
涙が出るのは何故だろう。
まだ気持ちがあるって事か・・・
辛いなぁ〰
次の週末がやって来た。
蒼生は朝からグレーのスーツを
ビシッと決めて髪もワックスで
ピカッと決めて・・
気を許すとウットリするほどの
何時も以上のイケメン‼
未華子はチラチラ見ながら
気を引き締める。
未華子は手伝いの為紺のスーツ
に洋風にビシッと結い上げた髪
来客と使用人の違い‼
しかし化粧はいつもより濃いめ
オフィスでのくたびれた姿とは
偉い違い‼
大人っぽさが際立って、色っぽく
綺麗だ‼
蒼生もそんな未華子を気にしつつ
何も言えずにいた。
唇も、普通のリップクリームでは
無く、赤いクッキリとした口紅
だった、可愛らしさは抜け
大人の華やかな化粧、まさに
オフィスの薔薇の華‼
そこいらの着飾ったパーティドレス
の娘より目立つていた。
受付に立つ未華子を皆2度見、
3度見をしながら会場に入って行った
会場は未華子の話で持ち切りだった。
心配になった蒼生は
「未華子、今日気合い
入りすぎじゃない?」
そう呟くと
「そうですか?
仕事ですから!」
未華子は又ソッケ無く呟いた。
「まさか、会社の接待もそれ?」
「勿論!こんな感じですけど⤴」
蒼生は呆然として
「飲み会も?‼」
ウンウン♪
「え?嘘、飲み会禁止‼
接待は・・出来たら行くな‼」
「え?は?なんで?」
「なんで・・って」
蒼生お前が接待禁止なんて
言える立場か?
ってかお前が言うなよ!と
思いながらも言えず
「御喜さん?
縛られるのいやなんでしょ
お互いフリー何だから
大丈夫よ。」
と、離婚した事を、と━━━━回しに
チラつけてみる。
「フリー?
未華子はそれでいいの?」
離婚した事を言ってないから
彼はまだ知らない。
蒼生は、不服そうな顔をして
会場に戻る。
蒼生の後ろ姿を見送れば
すぐ夏帆が現れ楽しそうに談笑
していた。
「お似合いか‼」
未華子はそうつぶやいた、気にしない
気にしない
「蒼生は独身、未華子は関係ない
蒼生は独身、未華子は関係ない‼」
呪文のように呟いた。
二人はイチャイチャ
何度見てもイチャイチャ
中睦まじい。
蒼生はソッケない態度を取る未華子に
腹いせもあり夏帆と仲良くして
見せていた。
又夏帆の父親が現れ何故か?何でか
蒼生を連れテーブルを回っていた。
『あー婿養子にする気満々
じゃないか』
未華子は直ぐ直感で分かった。
蒼生は不思議に思わないのか?
よその社員なのに娘と連れ立って
紹介してる?
蒼生は鈍感か‼
蒼生もその気なんだろうか!
ならシャーナイか‼
パーティがお開きになったのは21:00
未華子は何人もの、男性に
声をかけられたが
「仕事が残っておりますので‼」
と断り続けていた。
赤薄いシャドウが笑うと凄く
魅力的だった。
蒼生が未華子に話かけようと
した時、夏帆がパッと現れ
「ねえ蒼生さん。
これから飲みにいきましょう。
このホテルのバー凄く夜景が
綺麗で、お酒も美味しいの‼」
蒼生はチラっと未華子を見た時
「仲よろしいんですね。
お似合いです。」
と言ってしまった。
ムカッと来た蒼生は
優しく夏帆を見ながら
「いいですね笑
行きましょうか!」
そう言うと軽く夏帆の背中を押して
エレベーターの方へ歩き出した。
フウーツ‼
深いため息をつく。
もう他人何だからいいか‼
蒼生は独身独身
そう呟きながら片付けを進める。
22:00に片付けも一段落終わり
後をホテルの方にお任せして
未華子はホテルを出た。
下から見上げるホテルの何処かで
蒼生と夏帆は愛情を深めて
いるのだろう。
ビデオ店によりホラー👻映画を
借りた。
1人で部屋にポッンといると
夏帆と蒼生の情事が頭をよぎる
虚しくて仕方がない!
我慢が限界に達した時辛くて
辛くて堪らない。
もう文句を言える立場では
ない事を分かっている。
我慢出来ずにLIN〇する。
「別れよう。
私出ていくから彼女と
この部屋使おうと御勝手に
蒼生、もう解放してあげます。
蒼生は思うままに生きて‼」
身支度を整えタクシーに
乗った。
蒼生はその夜帰らなかった。
出来るだけの荷物を、皮肉にも
新婚旅行用に買ったトラベルバッグ
2台に押し込み近くの
ビジホに泊まった。
月曜日、未華子はビジホから出勤した。
朝会社の前で不機嫌さを
あからさまにした蒼生が立っていた。
蒼生を見た途端心臓バクバク
スルーして通り過ぎようとした時
腕を掴まれた。
「何勝手な事してるの?
未華子は俺の妻なんだろ‼」
「パーティ終わりのデートは
楽しかった?
私を置きっぱなしで出かけて
何時に帰ったの
朝まで私いたんだよ‼」
「帰りずらくて車に寝ていた
嘘じゃない、23:00時には帰った。」
「会社の前だし、やめようよ。
ねえ、蒼生
好きな女と遊び好きな時間まで
彼女と入れるんだし
仲良くしたら?
蒼生、いい事教えてあげるね
蒼生はもう自由だよ。
此処で揉めてたら蒼生も
まずいんじゃない!
ウワサになるよ‼」
「俺が悪かったよ、未華子ゴメン。」
「なにが?歩きながら話そう。」
早足で歩く未華子を蒼生が追いかける。
「な‼
謝るから帰ってコイよ。」
「蒼生、離れて暮らそう
私もやっと決心したんだってば‼」
未華子の声もつい荒くなる。
「は?何でだ?」
蒼生も食い下がるようにまとわりつく
「蒼生、言ってたよね
別れるのは可哀想だからとか
年ギリギリだから後がナイとか
貰い手無いからとか
俺が結婚してやった感丸出し
好きだから、愛してるから
とか全然言わないし
・・・・」
「・・・違う、そんなの思った事
ないから、ほんとに‼」
「しかも五月蝿くてオバサン化
ってなに?(笑)
お嬢様にバカウケしてたじゃん、」
「え、あ、それは・・・・!」
「蒼生、私の事は気にしないで
好きな彼女と生きて見たら?。
私、自分で後ないなんて思って無いし、
もう一回くらい嫁にいくよ。
それに別れたら
あの彼女とも付き合えるし、
いいじゃん。
そうそう若いからきっと
楽しいよー
時期社長だし、お幸せに~」
ポンポン(蒼生の肩を軽く叩く。)
「社長、元嫁にボーナス弾んで
下さいヨ‼
ヨロシク‼」
唖然とする蒼生を残し
オフィスへと向かう。
縛られない自由っていいでしょ。
蒼生に自由を返してあげる。
1度は嫁に行ったんだもん、母も
叔母も、何も言わせない。
あー結婚て大変だ‼
ヤッパリ1人が気楽でいいワ。
フウー
未華子は綺麗だし、気も利くし
飯は苦手みたいだが俺は気にし
無かった。
結婚してから相当な、ヤキモチ妬き
だと知った。
独身とは違い気詰まりもあった。
いつ帰る、どこに行く、
挙句接待の場所まで聞いてくる。
休みも一緒
会社でも監視されてる感じ
最初は愛情だと思っていた。
しかし頻繁にやられたら自由も
何もあったもんじゃない!
未華子といたいのは山々
未華子を愛してるのも本当
なのに未華子の顎は俺を追い立
てるように責める責める!
負けじと俺も爆弾投下
"オバサン"これが未華子には
ドカ━━━━━━━ン =͟͟͞͞💣
これを言えば大人しくなる。
思っても居ないのについ言って
しまう。
しかし未華子の地雷を踏んだ
離婚届を書けと、出された!
何時取りに言ったんだろう。
俺は撃沈した。
しかし勝ち誇った未華子の
憎ったらしい━━━━ぃ顔を見たら
ムカムカして、此処で負けたら
後が無い、臀に敷かれ
何時に帰ります。
何処にいきます。
ペタンペタン亭主に成り果てる
ような気がして勢いに任せて
書いてしまった。
次いでに一言浴びせてやった。
「何時でも出して‼」
本当に思っても無かったんだ
言うつもりも無かった‼
酒呑んでたから口の滑りが
良かったんだと思う。
ビリビリに破られゴミ箱に
押し込まれた離婚届を見て笑った
そしてホッとした。
出す気も無いくせに
書かせやがって、脅し方も
覚えたのかとウンザリした
兎に角臀に敷かれるのは回避‼
そんな事にも勝った気がしていた。
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