はゃ、離婚の危機

「関田課長━━━━ぉ

関田課長━━━━━━━━‼」

部長は未華子に手を上げてコイコイ‼


小走りで走り寄り頭を下げる。


「およびですか、部長‼」

未華子は社長にも頭をさげる。


「御喜君のスケージュールは

どうなっている‼」

部長は社長のご機嫌を伺いながら

ニコニコして未華子に聞いてくる。

(腰低くお手手スリスリ)


「お昼なら空いた時間ありますが

彼にも休憩は必要ですし・・・」


それを聞いていた社長は

「そうか・・良し、案内して

くれたまえ‼

直に話そう、大丈夫時間は

取らせないよニコニコ」


部長はまたパパパと動き出し

「ササササどうぞどうぞ

私が、ご案内致します。」

ポッテリとした体が機敏に動く。


オフィスの大勢の社員が見守る中

社長とその娘、夏帆は蒼生の方へ

歩いて行く!

沢山の社員の頭がそれに合わせて

右から左に動いていく。


勿論蒼生をず━━━っと狙っている

ミクもミホも睨みを効かせ目を細め

ギラッ 、

見守って?いる。


遠目にしか分からないが蒼生が

仕事の手を止め立ち上がり頭を

下げていた。


よくよく見ると社長は夏帆を

紹介している。

1年前夏帆が23になった頃

婿探しをしている話があった。

まさ・・・か?(笑)アヒャヒャ

マサカダヨネ‼

不安は募る。


5分くらいすると社長は蒼生に手を

上げてオフィスを出て行った。


すぐさま蒼生にLIN〇する。


「ねぇねぇーなんの話だった?」


「何か、今日飯行こうって

言われたよ(笑)」


「え━━━━‼まさか断らなかった?」


「え?何で?飯だよ。」


「はぁ━━━

お・ま・え・はアホか💢

ド━━━見たって蒼生ねらいじゃん。」


「アハハ考え過ぎダヨ‼

俺は既婚者だし、ソコはちゃんと

線引きするし、安心して奥さん。

俺を信じてよアハハ」



「だって、心配じゃん。

娘婿探し、してるんだよ!

社長と二人で‼」


「はァ?じゃ余計大丈夫

俺親父の会社継ぐからさ!

ってか、俺未華子と結婚したじゃん。

むりだろ━━━━ω」


「何処で会食?」


「分からん‼

社長の娘が19時迎えに来るって

言ってたからなあ?

俺、あんま気にしねーから‼」


「ほらほらほぅ━━"""らぁ‼

キタキタキタキターー!

美人でスタイル良し蒼生も

鼻伸ばしてんじゃねーよ‼」


「未華子、アメリカから未華子に

会うためこの会社に来たんだぞ

自信持てよ‼


言いたく無いケド‼

お前32ダロー

ちったあ大人になれないの?

ピーターパン症候群かよ‼

ヤキモチは可愛けど、

独占欲はチョット怖いんですけドゥ」


「えーと怖いってナニ?

言い過ぎだよ。」


「結婚したからって

早速独占欲始動っとか、無いでしょ‼」


「旦那の浮気の、根を止めて

な━━~~~~にが悪いんじゃ‼」


「だ・か・ら‼

何処から浮気でてくんの?

飯🍚だよ━━飯🍚‼

二人ならともかく社長もいるし

問題ないよ‼」

蒼生は、二人で会うのじゃ無い

と強調しているのか?


「はは~~ん、まあ美人だし」

まあ、そうだな未華子も心配する

のは無理ないか!アッチ若いし!」


「・・」


「未華子も面倒臭い女だったって

ことか?


うわ━━━━━ぁ引くワ‼

独占欲?、嫉妬?マジで怖いワー

爆笑」


「アンタがその気ならもう良いよ!

独占欲?嫉妬

・・蒼生は嫌なんダヨネ!

良し‼

分かった‼解放してあげる!」


「お━━━━お"お”お"

さ━━━━すがァ奥さん‼

もう嫉妬しないって事で‼

ヨロシク‼

成る可く早く帰るからさ♡

アリガト‼」



食事で、んな浮かれるか?

怪しい;一_一

ぜ━━━━ったい怪しい‼

嫉妬やストーカーじゃ無いから

夫の不貞を止めるのも妻の役目‼

自分を納得させる。


「ねえ、オジサン見失わないでよ!」

タクシードライバーの山上さんは

60歳‼仕事でよくお世話になってる

浮気調査にも知り合いが

いて関わる事もあるって良く話ている。

本人もサスペンス好きで未華子と

気もあっている。

仕事上でも、もう長い付き合いだ。


「未華子ちゃん、任せとけ

浮気調査かい?」


「うん、オジサン来たら教えるから

頑張って‼」


「おう‼久しぶりに腕がなるw」

五本指をムニムニさせて目を輝かせた。


暫く待機していたらシルバーの

クラウ〇が入って来た‼


運転しているのは社長秘書、

娘の夏帆だ‼


タクシーの前に止まり

スマホで誰かに、いや多分蒼生に

電話している。


「オジサン、アレアレあの車、」


するとバタバタと背広を着ながら

蒼生が走り込んで来た。

蒼生は戸惑うことも無く助手席に

乗り込むと車は動きだした。


オジサンは蒼生が助手席に滑り込ん

だのを合図に

「待ってましたー」

と一声かけながらジワジワと車は

滑り出した。


未華子は軽いショックを受けていた。

あまりにも二人は自然過ぎて

今日出会った感はオフィスでは

充分感じたのに

2回目の動作は・・・なんてゆうか?

友達以上に見えなくもないって感じ‼


彼女と蒼生のシルエットは

「待った〜ごめんな‼」


「ううんー♡

今来たとこだよ〜」

みたいな‼勿論想像ダケド‼


蒼生を取られそうで心配‼





「すみません夏帆さん仕事が

終わりそうに無いんです。

お話は後日と言う事で社長に

取り次いでもらえませんか?」


俺は何となく未華子に心配かけて

いる事がすまなく思えて

断りの電話を入れた。

確かに社長は

「私は遅れて行くから二人で食事を

楽しみなさい!」


そう言っていた。

社長は来ないつもりじゃないかと

思わなくも無かった。


「大丈夫ですよ。

知り合いのお店なので時間には

遅れてもOKです。

父親も楽しみにしていますから。」


「あ、ああ、分かりました。」

そう言うしか無かった。

仕事が関係しているから無下には

断れ無い。


夕方約束の時間7時が来た。

バタバタと片付けて駐車場へと

向かうと夏帆は来ていた。

パンとドアがあき

「すみません、待ちましたか?」

蒼生は少し済まなそうな声を夏帆に

かけた。


「少しだけまちましたよ。」

ちょっとムッとした顔で夏帆は

答えてきた。


「あー申し訳ない‼」

頭をカキカキ謝った。


「うふ、嘘です笑

今来ました。えへへー!」


フッ意外と可愛らしい面が見えて

ついこっちも笑ってしまった。


30分程西に走り続け一軒の高級料亭

の中へと車は入っていく。


女将と目が会うと

「まあまあまあ、」

と俺に声をかけて来そうだったので

☝シッと女将に合図した。


女将とは昔からの知り合いだ‼


女将は察してくれて初めましての

挨拶をしてきた。

「ようこそ、おいでました。」





タクシーに乗った未華子は

料亭に車が入ったのを、見届けた。


「未華ちゃんココ

高級料亭だゾーすげーなー‼

大丈夫か?」


「う、うんオジサンあのカフェ迄

お願い。」


カフェで下ろして貰うと

オジサンには料金と別に、御礼

を包んだ。


「又協力するからね‼

なんかあったら連絡しな‼」


オジサンはタクシードライバーだ

何人もの人を見てる。

どんな理由であの高価な料亭を

選んだのか薄々分かって

いたのだろう。


籍を入れたのは二週間前

遂に旦那のストーカーに成り下が

ったのかとモヤモヤする。


カッカレー🍛を注文してウマウマ

ストーカーも腹が減る。

コーヒーとケーキを注文して

時間稼ぎ・・


・・・虚しい時間

何してるんだろう。


蒼生の言う通り接待の度にこうやって

見張ったり、行き先を確認したり

旦那を追いかけ回すんだろうか?


ダリィ


二時間半も過ぎて今21:30分

約束の21時は過ぎている。


こんな早く終わるハズない。

これからタクシーに乗って洒落た

バーに行き、お酒の量でお持ち帰り

ご帰宅は午前様‼


よく考えたら、賢一の奥さんにも

悪い事したなあ!

賢一に騙されていたとしても

奥さんに、今更ながら

申し訳無い。


自分でした事は、いずれ自分に

返ってくるって、高校の頃

担任(👩)がよく言ってたなぁ。

返ってきたんだろうか?


ハアアアア

太い溜息が何回も出て来る。

料亭近くのバス停迄ノタリノタリ

と歩く。

バス亭🚏に着きバスを待つ。


二人連れが向かい合わせの道で

タクシーを待っている様子‼


「ほんとですか?

アメリカに帰られたら

約束ですよ━━━♡

ァ‼でも彼女さんに悪いかなぁ(笑)」


「何言ってんの‼

別に悪い事する理由じゃ無いし

彼女は日本に残るし

観光案内くらいできるよ。」


「やった━━━♡

ぜ━"""""━━━━━ったいですよー

ってか彼女さん何処にお勤め

なんですぅ━━━━♡」


チッさっきより敬語がなくなり

言葉の終わりに♡マークがついてん

じゃん。

さっきより仲良くなってんじゃん。

社長なんか居ねーじゃん。

ミカコ


「彼女の勤め先?

内緒だよ。

俺より年上だからサー

ベラベラ喋ると怒られちゃうしアハハ」


「!え? 蒼生さん29ですよね。

それより上って事ですか?」


「内緒だけど四歳上だよ。

最近グジグジ言い出して

五月蝿くてね。」


「まあ、じゃあ婚約取り消したら

どうです?彼女さん結婚したら

も━━━━っと五月蝿そう。」

ズガーンミカコは撃沈


「それは無いかなぁ

彼女年だし、俺との結婚式

楽しみにしてるし!

第一もう後ないでしょアハハ

最近ね、オバサン化して来てサー

ああだ、こうだウルッさいよ〜!」

(꒪д꒪IIミカコ


「マアッ中途半端な優しさは

罪ですよ‼嫌なら嫌って言わなくちゃ

後で後悔しますよ。」



2人の笑い声にムカムカ、ムカムカ

理由分からないアドレナリンが

ドバッドバッドバッドバッ


「私なら蒼生さん大事に

するなぁー」

出た出た出たよ〜

私の方が良いアピール

夏帆は当回しに彼女と婚約破棄して

私と付き合ってと言っている。


誰にでも分かる蒼生狙い

賢い蒼生に分からぬはずは無い‼


蒼生が揺れないハズは無い

美人で若くてスタイルバッグン

お家柄も良い、それなりの花嫁修業

もしてきたはず


蒼生の断る理由は一つ

残念ながら、彼は妻帯者つまり既婚者

それを夏帆に言えない事だろう。

グイグイ押してくる夏帆を

受け入れる準備が出来ていない。


蒼生は早まったと後悔して

いるのかもしれない。

二人はタクシーに乗り込んで楽し

そうに未華子の前を走り去って

行った。


未華子も来たタクシーに乗り込み

市役所へと向かった。


市役所の前で蒼生に電話したが

電源が落としてあった。

「もう1回、もう1回」

で何回かけたか分からない(笑)


離婚届をバッグに入れてマンション

へと帰りついた。


色々考えて、座り込んでいたら2時に

なっていた。


日付けはとうに変わりガチャリと

静かな音を立ててドアが開いた。



「はぁ起きてたのダル?

まだ2時だし、そんな怒る?」


「結婚したんだから独身気分は

辞めてよね‼

未華子は手の平が痛くなるほど

テーブルを叩いた。


振り向いた蒼生はビックリして

「は?未華子がこんなヤキモチ妬き

って知らなかったよ、

あーあ‼

結婚早まったかもナ‼」


「は?は!はああぁぁ‼」


遂に出た蒼生の一言に

やっぱりそう来たか!と

想定内な答えに笑いそうだった。










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