第64話 遭遇


「——お待たせしました。こちらDXいちごパフェとDXマンゴーパフェになります」


「ど、どうも」「うわ〜、すごいですねこれ!」


確かに、これはすごいな……。

目の前に置かれたパフェはかなりのサイズ感がある。


パシャッ


俺はとりあえず写真を撮って、『パフェ食べます』という文章とともにツイッターに投稿。


「あっ、ツイッターにあげたんですか?」


「ああ、そんな感じだな」


そして気づけばRT数が100を超えて、10件以上の返信が来ている。

なんだか気持ちいいな……。


「ってえっ?」


ふとタイムラインで一番上に表示されているツイートを見て、手が止まる。

このツイートの写真に載ってるパフェって——DXパフェ、だよな?


【今日はめぐりちゃんと一緒にパフェを食べに来ました〜!wkwk】


めぐりちゃんって……いや、まさかな。さすがにない。うん。


そう思いつつ、おそるおそるツイートの上側を見るとそこにあったのは『四条 エレナ』という文字列。


ま、マジか……。


予想外の出来事に、思考がストップしてしまう。

10秒前ってことはおそらくこの店内にいるってことだよな?


そう思って周りを見渡すと——


「こ、これってリョウガ……よね?」


「えっ?って——た、確かにryoga様ですね……」


斜め後ろの席でツインテール・・・・・・姿のエレナが七星さんにスマホの画面を見せているという状況。


というかなんでその髪型……。


「せんぱい食べないんですか?」


「い、いや……。やっぱり持ち帰りにしないか?」


何か分からないがかなり嫌な予感がする。

別にやましいことはしてないはずなのに、なぜか冷や汗が止まらない……。


「えっ、さすがに無理じゃないですか?」


「ま、まあそうか」


中のアイスが溶けてしまうし、持ち帰り用の容器に移すのはさすがに無理か。

くっ、こうなれば一刻も早くパフェを食べてここを立ち去——


タッ タッ


「ねぇ、リョウガなの?」


「……」


知りません。


「りょ、リョウガなんでしょ!なんとか言いなさいよ」


「……人違いです」


下を向いて顔を隠そうとするが、俺の抵抗も虚しく横に回り込んできたエレナにメガネを外されてしまう。


「えっ?し、四条エレナに七星めぐりって、ど、どういうことですか!せんぱい!」


「リョウガ、こ、この子とどういう関係なのよ!詳しく教えなさい……」


な、なんで俺ばっかりこんな目に……いや、マジか……。

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