第51話 七星めぐりの幸運

みなさんこんにちは!

大石プロダクション所属の声優、七星めぐりです。


突然ですが今、私は京都の街を歩いています。

でもそれだけじゃありません。なんと隣を歩いているのは……


「七星さん、ご飯どこで食べますか?」


そう、あのryoga様なんです!


しかも京都!浴衣!2人きり!!

夢ですか?いや、夢ですね……。


「あれっ、聞こえてます?」


とはいえ、ryoga様と会うのは今回が初めてではありません。

先日、Try☆Starsのライブ後に楽屋に来てもらって以来、2回目です。


あの時は不覚にも気を失ってしまいましたが、今回の私は違います。

がんばるぞっ、私——


「おーい、七星さん?」


「ひゃ、ひゃい!!」


ふと我に返ると目の前にはryoga様の顔。


「か、かっこいい……」


「ん?なんて言いました?」


「あっ、い、いえ!何でもないです。すみません、ぼーっとしてました」


お、思わず本音が出てしまいました。

やっぱり生ryoga様は危険です……。


「お昼どこにしようかって話なんですけど」


「ふぇっ?あ、ど、どこでも大丈夫です」


「じゃあ、これとかどうですか?」


そう言ってryoga様が見せてきたスマホの画面には、【すき焼き 梅家】という名前とともに、薄いお肉とお鍋の写真が映っています。


お、美味しそう……。

少し値が張りそうですがせっかくの京都ですし、しかもryoga様とのランチ。


これは行くしかありません、、


「はい、行ってみたいです!」


「良かった。じゃあ、行きましょうか」


そうして、私とryoga様はすき焼きのお店に移動したのでした。





「こちらお冷とおしぼりになります」


「どうも」「ありがとうございます」


お店に到着し、料理を注文した私たちはテーブルで向かい合って座っています。

それにしても高級そうな内装ですね……。


「それで、相談って何です——何かな?」


「あの、まだ慣れないですか?」


「ああ、慣れないな」


「ふふっ」「ははっ」


そう言ってお互いにクスッと笑ってしまいます。


私とryoga様は同い年だから、タメ口でいいんじゃないかと提案されてryoga様が現在実践中です。


……えっ?私は直さないのかって?


やってみたのですが、ryoga様相手だとさすがに無理でした……。


「それで、話が戻るんだけど——」


「あっ、相談のことですよね?」


「あ、ああ」


いよいよこの時が来てしまいました……。


ゴクリと唾を飲み込み、息を吸い込む私。


マヤさんのアドバイス通り、ここでryoga様にあのセリフ・・・・・を言います。


よしっ。


「ryoga様、私の——七星めぐりの彼氏になってください!」

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