第8話

朝、目が覚めてから昨日のことを思い出してしまいめちゃくちゃ後悔した。僕は一体妹に何をしたんだ。しかも妹相手にときめいてしまったのが尚だめだ。切り替えないと…………でも昨日の桔梗はやばかった。


洗面所で顔を洗いリビングに行くとすでに桔梗は起きており朝ごはんの用意をしてくれていた。


「……おはよ、桔梗。朝ごはんありがとな」僕は昨日の事もあり少し言葉がつまりながら挨拶をした。すると


「………おおはよ、お兄ちゃん。どういたしまして」


なんだ、このやり取りは。血のつながった兄妹の会話ではない。なんというか付き合いたてのカップルみたいだ。桔梗もだいぶ引きづってるな。僕はこの気まずい雰囲気をじっと待っている事ができず朝ごはんの用意を始めた。


二人揃って桔梗の作った朝ごはんを食べ始める。その間ずっと無言だった。以前も無言のことはあったが最近はわりかし話をしていた分より静かに感じる。


「………あの、桔梗?昨日の事はお互い変なテンションだったんだ。忘れないか?」


僕はこれ以上の沈黙に耐えきれず言葉を出した。すると桔梗も言葉には出さなかったが激しく同意なのか首を縦にブンブンと降った。僕はその桔梗の動きに、ぷっ!。と思わず笑ってしまった。


「………なに笑ってんの!?」と桔梗が眉を寄せて不服な表情を見せたので僕は「悪い悪い。つい」と言ったらさらに機嫌を損ねたので


「悪かったって!ゴメンな?代わりになんか一つ言うこと聞くから!な?」


すると先程まで機嫌を損ねていた桔梗が急に


「…………なんでも?」


と訪ねたので僕は早く機嫌を直してほしかったので「うん。なんでも。」と返すと


「なんでもか〜えへへ〜何にしようかな〜?迷っちゃうな〜」


と先程とは真逆の幸せそうな表情であれやこれやを考えている桔梗。ちょっとまずったか?流石になんでもは言いすぎたかも。僕は


「あの〜さっきのなんでもだけどな「決めた!!!」」と


僕の言葉を遮り言葉を発し僕の顔近くまで体をテーブルから乗り出して


「今日、放課後、お兄ちゃんと放課後デートがしたい!」


なんだ、そんな事か。もっと桔梗ならヤバめなちょっとエロティックな命令をしてくると思ったがなんとま〜可愛らしい事で安心しかけたが次の一言でやっぱ安易になんでもなんて言うんじゃなかったと反省した。


「今日の放課後デートではお兄ちゃんは私を彼女として扱わないとだめだから!兄と妹じゃなくてちゃんと異性のカップルとしてだからね!はい!約束!」


満面の笑みで言われたら断れない。そもそも命令だから断れないが。そんなこんなで今日の放課後は桔梗とカップルごっこをする事になった。昨日から続けてなんだか桔梗を意識する事が増えてしまった僕は軽く息をついてからそっとコーヒーを飲んだ。

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