第3話
家に帰ってきた僕はかばんをリビングにあるソファに投げ、自らも腰掛けた。
「これからどうしよ」
僕はソファに腰掛けながらこれからの事を思いつぶやくと
「なにが?」
いつの間にか後ろにいた妹、桔梗が位置的に僕を見下ろす形で聞いてきた。
桔梗はうちの高校に通う一年。見た目はクールビューティーって感じだ。うん?一年?あっ!そうだ。桔梗に聞いてみよう。
「いやさ〜今日一年の不破さんに告白されたんだけどさ〜不破さんってどんな人なん?」
僕が聞くといきなり僕の胸ぐらを掴んで顔もキスするくらい近づいてきて
「ここここ告白?えっ?えっ?もしかしてつつつつ付き合うの?」
と思いっきり取り乱す妹。まだ一話もたってないのにもうクールキャラ崩壊じゃん!そんな珍しい妹に
「いや、落ち着けよ。それに告白は断ったから」
そう僕が言うとあからさまに安心したようで
「そ、そう。ま、まぁ?あんたが告白なんてね、ましては付き合うなんてありえないわ!」
いやいや、そんな笑顔でいわれても。なに?桔梗ってブラコンだったの?僕が変な事に気づきかけて、いやいや!それよりもだ
「それで。不破さんってどんな人なの?」
僕が再度聞くとはぁ?と言う顔をしたあと
「なんでそんなこと聞くの?断ったんでしょう?もう知る必要なくない?」
最もな意見で。本来なら断った時点で接点はなくやるはず。だが不破さんの場合は。僕は今日の出来事をすべて妹に喋った。すると桔梗は
「はぁ〜〜〜〜!?なにそれ!イカれてるわ!そんな人だったんだ。…………何より私のお兄ちゃんに手を出すなんてふざけんなよ。いっそ事殺してやろうか」
後半は何を言ってるのかわからなかったが、どうも普段の不破さんはそんな事をする人じゃないみたいだ。つまり普段は猫を被っているまたは僕だけに対して暴走する人。とうしたものか。僕が考えていると
さっきまでブツブツ何か言ってた桔梗がそうだ!と言ってから
「いいことを思いついたわ!これからは私と一緒に朝と放課後登校しましょ!それならストーカーにも合わずに済むし。」
「あとは〜そうね。お昼も一緒に食べるしかないわね!不本意だけど仕方ない!」
不本意って。じゃあそんな嬉しそうに言うなや。見てるこっちがむず痒いわ。でもそれなら急に何かするとかは無くなるかもな。
「わかった。悪いな、桔梗。明日からよろしく頼む。」
これでなんとかなることを願うばかりだ。
ただこの結果、修羅場みたいな事になるとはこのときの僕は考えもしなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます