~ロイドン騒動編~第21話 カートン②

カートン領主宅にて

シオン=ハーディング侯爵は自室で家臣からの報告を受けていた。


「つまり。今日外部から冒険者の一行がこのカートンに入って来たと言うのだな?

それで今はどこにいるのか?」


「はい。今は「満月亭」にいます。」


「それで人数とそ奴らの用件は聞いているのだな?」


「はい。用件は老人の学者の護衛で王都に向う途中の事です。」


「どうやらこのロイドン周辺の調査で立ち寄ったと言っています。」


「護衛の冒険者は?」


「ヨークから来ている冒険者でレオンとコレットと言うCランク冒険者でございます。」


「なら問題ないだろう。しかし、その学者の調査は気になるな。その

一行の動きを監視しろいいな?」


「わかりました。」

家臣は出ていく。


「聖女フローレンス。どう見る?」


「そうね。注意はした方がいいかもね。」


「ルイスの方は準備できているのか?」

シオンは通信魔道具でルイス=マローニに尋ねる。


「我の方は問題ないである。王子は我が宅にいて、いつ王都に乗り込むのだって言っておるわい。」


「いつになったら準備は完了するのか?」


「3日後である。準備完了したらカートンの兵士にはフローレンスの操り人形が出来る魔法が入った指輪を持たせたらすぐにも行けるはずである。」


「ここは街の四隅に住民全体とに命令魔法の魔道具を設置しているが、外に出ると効果が薄いからな。」


「マリアンヌ王女様。4日後には王都の襲撃が出来そうです。」


「分かりました。もう少しで私達の悲願が叶う時が来るのですね。」


「本物の王女は、記憶を消して今は冒険者の聖女パーティでここにはいない。」


「何故王女を消さないのですか?」

フローレンスはシオンに尋ねる。


「彼女は本当の「聖女」の後継者だからな。ルシェールの大聖女ラナ=ドービンが欲しいと言っていたのでね。」

とシオンは説明をした。


「あの「殺戮の魔女」エレノーラがまさか大聖女ラナだと思わないだろう?」


「ルシェールと帝国は同盟を組んでいるからな。帝国にはあの魔将軍がいるからな。第8の魔将軍ダンテ様が。」


「大魔王デウス様のご子息で大魔王様の遺言で次期大魔王となる人であるので、今は帝国の第二王子に転生して帝国を乗っ取りしようと計画中だ。」


「確か王子の周辺には魔族とのつながりがある貴族が多いとか?」


「そうだ。今はホワイトレオ獣国を攻めようとしている訳だ。」


「バルモント王国には魔将軍の闇のダミアン様がいたはずだが?」

シロンはハンスに聞いた。


「バルモントでの情報はここまで来ないのでわかりませんのう。」

とハンスは答えた。


「暴風のドライセン様は何処にいるのか?」


「ドライセン様はダンテ王子の側近の近衛騎士団長をしていますわよ。」


「フレーレンスは知っているのだな?」


「知っているわよ。帝国にはラナ様の指示で良く来ているから。ロイドンが落ちたら帝国とルシェールとロイドンの連合してこの世界を統一する目的があるのだから。」

聖女フローレンスはそう答えた。


「なんで人間どもを全滅させないのである?」

とルイス=マローニは聖女フローレンスに尋ねる。


「ラナ様から聞いた話だと、勇者がいるみたい。場所はバルモント王国。今バルモント王国はホワイトレオ獣国と同盟を組んでいると言っていたわよ。バルモントはエルフの国であるわけよ。勇者が動けば人間族は協力して魔族を滅亡とするから。内部から分断するわけ。」


「我が魔族が統治したら人間族は奴隷か殲滅する事が出来る。」

とシオンはそう言い放つ。


大魔王が倒された後、残った魔族を各地に送り込んで転生を200年繰り返して大魔王の復活と言う名目で活動しているのであったのだ。いつ勇者が生まれてくるかわからない為内部から分断して戦争を引き起こそうと計画しているのである。

戦争が起きると人間族同士で戦い生き残った人間族を魔族が支配して魔族の国を作ろうとしていたのだった。


「明日からは色々と準備があるから寝るとするか?」


「そうですわ。」


「ロイドン制圧も一週間程で終わる。」

そして魔族たちは明日からの準備の為に寝ているのであった。


ただ、一点。この会話を聞いている人物がいるのであった。


「なんだ。そういう事ですね。まさか...シオンが言っていた冒険者達って...。こりゃあ面白くなりそうだ。」

その人物は魔将軍である闇のダミアンであった....。




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