~ロイドン激動編~第1話 5年後
~ロイドン激動編~
第一話 五年後
俺がここ「クレスタ」に転移して五年が経過した。今、俺は中立国ロイドン王国内の都市ヨークで冒険者として生計と立ててのんびりと過ごしている。
5年の間は、どうしたかって?
転移した後、ヨークから100キロ離れた所にある魔の森を抜けた所の鉱山に行き、魔法でモンスターを倒して手に入る魔石や装備作成や魔道具を作る鉱石を集めて錬金術で次の物を作った。
先ずは装備。
鉱山内でこの世界での貴重な鉱石ミスリルを取り出しそれを元で片手剣を2本作成。
魔法剣士なので、片手剣の柄の部分に魔石を入れる部分を作りそこに魔石を入れて固定していわゆる魔法剣を作った。
これは元勇者の記憶を使って作成したのだ。
魔石はB級モンスターのワイバーンを倒した魔石を使用。防具装備はワイバーンの素材を使って作成してそれを装備。
次に魔道具の作成を。
俺のレベル6000なので、レベルダウンの指輪を2個作成した。一個は装備するとHPとMPが100分の1のレベルになるもので、もう一個はスキル隠蔽出来る機能の物だ。
ここでの装備準備をしてからヨークの街に行き冒険者として活動を開始始めた。
ー今現在ー
朝になった。
40歳ぐらいの執事が俺に言った。
「おはようございます。旦那様。」
俺はベットから起きて執事に
「おはよう。セバス」
「朝御飯の準備が出来ています。」
「わかった。準備したら行くよ。」
俺は冒険者として服装に着替えて、広間に向かって行く。
広間に着くと朝御飯の準備をしていたメイドが
「おはようございます。旦那様にゃあ」
「おはよう。セレナ」
広間に着いて椅子に腰掛けた。
「じゃあ。二人とも一緒に食べようか?」
「「わかりました。旦那様(にゃあ)。」」
全員席に着いて朝御飯を食べた。
今日の朝御飯は茹でたオークのウインナーと
レモンドレッシングが入った野菜サラダと焼きたての丸パン。後はハーブ茶。
とても美味しい。
「いつもながら、美味しいよ。セレナ。」
セレナと言われた女性は、
「ありがとうございますにゃあ。」
「いつもながらの猫言葉だなあ。」
ー執事のセバスとメイドのセレナは夫婦だ。
執事のセバスは40歳ぐらいで銀色の髪銀色の眼をして体格はガッチリタイプの物静かな男で、メイドのセレナは30歳ぐらいでボブカットした銀色の髪と銀色の眼をして胸はかなりデカイおっとりタイプの女性でいつも猫言葉を使う残念な性格の持ち主だ。
残念メイドと真面目執事は夫婦でしかも種族は吸血鬼であった!
何故吸血鬼の夫婦を執事とメイドにしているのは前世で従魔として契約していたのだ。ー
「旦那様。今日の予定は?」
「今日はこの後、冒険者ギルドに行って昨日の依頼の報告をするよ。その後、いい依頼内容があれば受けようと思っているよ。後、昼は外で食べるからいらないよ。遅くなったら連絡魔法具に連絡するから」
「「わかりました。(にゃあ)」」
「そろそろ時間だから行ってくるよ。留守番頼むよ。」
「「行ってらっしゃいませ(にゃあ) 」」
俺は家を出て街の中心地にある冒険者ギルドに向かって歩いて行った。
ー冒険者ギルドとは、まあ異世界小説に出てくる施設と殆んど変わっていない。
特にヨークから依頼は魔物討伐、商人の護衛と他に薬草採取が中心である。
ギルドランクはSが最上位でA~Fまである。
ヨークではランクCが一般的で一番多く、Bは約20名、Aは約5名程でSは1名しかいない。
冒険者ギルドは全世界に支部があり、本部はこの中立ロイドン王国の王都ロイドンを拠点としている。
俺はヨークでCランク冒険者としてここを拠点として活動している。ー
そして冒険者ギルドヨーク支部に着いた。
早速中に入ると沢山の冒険者達が入口の右横に壁一面の依頼掲示板を見て依頼内容を見ていた。俺は昨日の依頼の報告を受け付けカウンター向かって歩いて行った。
異世界小説での冒険者ギルドの受け付け孃はスタイル抜群での美女が定番だが、この世界では‥‥‥‥。
「おはよう。ジュリア。」
俺は受け付け孃(?)に挨拶した。
「あら? レオンちゃんじゃあないの。」
受け付け孃(?)のジュリアは答えた。
このジュリアって人は、おネエでしかも体型は、ドラム缶サイズであったのだ。
しかも髪型は‥‥‥黄金のモヒカン。
本名はジュリアーノと言い、歳は40歳ぐらいで本名で言われると相撲のツッパリを秒速20発を相手に叩き込むので、ジュリアと言わないと機嫌が良くなるのだ。
「レオンちゃん。今日の用事はな~にかなあ?」
「昨日の依頼報告だ。確認してくれ。」
「言いわよん。じゃあ。か~くに~ん。」
おい! いちいちそう言う風に言うのは止めろお!って心でツッコミを入れて待っていると、
「お待ち~。 確認したわよん。依頼完了で~す。 はい。報奨金は金貨5枚ね。」
「ありがとうな。ジュリア。」
「そうだ。 レオンちゃん。」
「なんだ?」
「マスターが呼んでいたわよん。レオンちゃんが来たらマスター室に来てって。」
「わかったよ。すぐ行く。」
っと黄金モヒカンのおネエと会話した後、2階にあるギルドマスター室に向かった。
はあ。
ここのギルマスってある意味スゴイからなあ。
ギルドマスター室に着くとノックして
「レオンだ。」
『どうぞ。入ってレオン君。』
「じゃあ。入るぞ。」
ギルドマスター室に入った。
普通ギルドマスター室って高価な家具とか置いてあると思うが。ここでは‥‥‥。
壁に白く桃色のハートマークの壁紙に覆っていてテーブルと椅子そして書類棚は全てオールピンク。書類棚の上には白いウサギと桃色のウサギの縫いぐるみが交互に置いてあって‥‥‥‥。
まるでメルヘン風の部屋である。
その椅子に座っているギルマスに話しかけると。
「来たぞ! シモーヌ。」
『レオン君。待っていたよ。』
ギルドマスターの名前はシモーヌ=ロリーターと言い、背が150センチで胸がデカイ美少女エルフでその格好は、黒いゴリロリ風である。
歳は言わないでおこう。
「で、用件とは何だ?」
『まあまあまあ。座って。』
「わかったよ。」
と俺は椅子に座った。
『どうエールを飲む?』
「いらん。それより用件を言ってくれ。」
『良いじゃない。お姉さんとエールを飲みましょうよ?』
こいつ朝からエールを何本飲んでいるだ?
見ると10本程エールの瓶が空になって置いてある。
「おい! バアア! 用件言え!
じゃないと帰るぞ?」
『あー。帰っちゃうの?』
この飲んべえロリバアアのエルフめ!
『わかったわ。用件を話します。』
キリッと眼鏡をかけてシモーヌは用件を話し始める。
『レオン君には王都ロイドンから北50キロにあるロイドン迷宮ダンジョンに行って欲しいのよ。最近ダンジョンの魔物が増えて来てるのよ。』
「それならダンジョンに行く冒険者が多くなって良いじゃないのか?」
『それはそうだけど、魔物討伐の数より魔物ランクが高いのが多く出るみたい。
今、Bランク以上の冒険者が約10組を派遣しているのよ。Cランク以下は入らない様にしているのよ。』
「俺もCランクだが?」
『いつものレオン君じゃあ無理かも、
"黒の仮面双剣士=シリウス"としてなら行けるはずでしょう? Cランクレオン君なら王都の状況を確認して、シリウスでダンジョンの調査で行けばいいのよ。』
「何故、俺なんだ?」
『それはね。依頼人は国王殿下ジャック=ロイドン十世からなのよ。
だから、この依頼の拒否は出来ません。
依頼を拒否したいのなら王都に行って直接陛下に言いなさい。』
「あの国王に会わないと行けないのか?」
『詳しい内容は陛下に聞いてね。レオン君、いや王都唯一のソロSランク、シリウス君。』
「はあ。わかったよ。どうせ王都の別宅の清掃もあるから行くよ。それで時期は?」
『早急に言っているわ。出来るだけ早くね。』
「わかったよ。今日準備して明日にでも王都に向かうよ。」
『この件は終わりで、今からお姉さんとここで激しい行為しない?』
「絶対にしない! バアアに興味ない。」
『バアアですて! まだ私は30歳です!』
「見た目だろうか! 実際の歳は400‥‥‥」
と言った途端、頭にアイアンクローを入れてきやがった。
「いたたた。30歳妖艶の美女さん。放せええええ!」
こいつ、"鉄の妖精"と言われている元Sランク冒険者だから、過去にオークロードにアイアンクローをして即死された事があった気がする。
『わかったらいいのよ。』
「俺はこれで。」
『頑張ってね。レオン君。陛下にヨロシクね。』
ギルドマスター室から出て1階に降りて、帰ろうとした時、大型のマッチョが俺に近づき、
「おい。レオン!」
「ああ。バレットか?」
「これから飲みに行こうぜ。」
「いや。明日の早朝に王都に行くので準備しないといかん。」
「しゃあないなあ。気を付けろよ。最近の王都の状況、特に冒険者ギルドがピリピリしているからな。」
そんなに状況が深刻なのか?
「わかったよ。気を付ける。」
と言いギルドに出て明日の準備の為、家に向かって行った。
ー俺は普段はCランク冒険者のレオンとして活動しているが、実はロイドン王国の唯一のソロのSランク冒険者「シリウス」である。
国王陛下の直属依頼のみ活動しているのだ。ー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
丁度その頃、ロイドン迷宮の最下層10階にて、1組のパーティーが調査している。
Bランクのパーティー「疾風の剣」である。
リーダーは戦士ハリソン。僧侶ロビンソン。
魔法使いアイカ。盗賊マイカの4人組で構成している。
「どうなっているのだ? この魔物の多さは? 異常ぐらいに多いぞ。」
とハリソンが言う。
「しかも、オークキングばっかじゃん。」
とマイカ。
オークキングはBランク魔物でこのダンジョンマスターである。それが最下層10階で約20体出て来て疾風の剣のメンバーは連戦で疲れが出て来ている。
「オークキングはダンジョンマスターじゃないのよ! それが20以上出ているなんて?」
とアイカ。
するとロビンソンが
「この先に扉が見える。ボスの部屋だな?」
「中に入るか? ハリソンどうする?」
とアイカとマイカは揃って言う。
『入って確認するぞ。ヤバかったら即転移魔法具を使って退避するぞ!』
「「「了解。」」」
そして、疾風の剣達は、ボス室の扉を開けた。
入ると誰も居なかった。
「ボスモンスターがいない。どうなっているのよ。マジでおかしいよ。ハリソン。」
とアイカは言った。
「そうだな。先ずはこの部屋の調査だ。各自別行動で何かあれば報告を。」
「「「了解。」」」
疾風の剣のメンバーは各自部屋を調査した後、奥の台座に全員が集まった。
「この台座にある水晶は?」
とハリソンが言う。
するとロビンソンが
「これは‥‥‥魔石。しかもデカイ。」
台座には魔石が置いてあった。大きさは直径1メールの多角形の魔石だった。
「これはダンジョン核だな。これを売ると白金貨1000枚以上になるなあ。」
とハリソンが言う。
「「これ持って帰ろうよ。」」
とマイカとアイカは揃って言う。
疾風の剣達は、これを持ち帰ろうと考えた。
売れば一生分の生活が出来るって思い。
「でも売るとなると、ギルドでの買取りが出来ないかと思うけど。」
とロビンソン。
するとアイカは、
「じゃあ。帝国に持って行こうよ。あそこなら私達のパトロンがいるから。」
実はアイカとマイカは、双子の姉妹で帝国出身で帝国の大貴族の愛人でもある。
大貴族からもしもダンジョン核があれば、買取りすると約束を思い出していた。
「それで行こうぜ。ハリソン。」
「だな。」
「「じゃあ。決定ね!」」
全員の確認を取り核を取り出そうとした時、
後ろから2体の影が全員の胸に向かってナイフみたいな物に刺さった。
「「「「ぐは!」」」」
全員倒れて、ハリソンは2体の影を見て
「こいつは‥‥‥魔族‥‥‥。」
と言い息を絶えた。
2つの影は、アイカとマイカの姿に変貌して死んだ4人の前に立っていた。
「これで4人。後何人生け贄がいるの?」
とアイカに変貌した魔族が言った。
「後、1000人ぐらいかな? ジュリアナ。」
「じゃあ。ここで待っても無駄だね。ここに来た人全員死んだから、王都に行かないとね。
シルビア。」
「ジュリアナが変装したのマイカって言うのね。私はアイカって言うんだ。」
とシルビア。
「それでは、二人の記憶をチョイ拝借してアイカとマイカとして出て王都に行きましょう。」
とジュリアナ。
「そして御主人様の復活計画を王都で実行しましょう。」
「そうね。御主人様が復活したらこの国を壊滅して御主人様の国をしようね。」
二人はそう言いあって、死んだ双子の姉妹の装備を着け死んだ疾風の剣全員を核に入れて言った。
ジュリアナことマイカは、
「丁度良いのがあるわ。これを使って出ましょう。」
シルビアことマイカは、
「そうね。そうしましょう。」
二人は退避魔道具を使いダンジョンの外に出ていったのだった。
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毎日の更新は無理かと思いますが、出来るだけ早く更新しますのでよろしくお願いします。
前置きが長いと思いますが、次から物語が本格的になります。
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