性描写、出番です。自分に恋をする感じの話をどこかで聞いたな、と

 金城かねしろみつるは鏡に映る自分に恋をした。

 端正な顔立ちと、艶やかな黒髪。唇の右下についた小さい黒子ほくろ

「…………」

 いつも、彼は恋する自らの顔を見る。そして、話しかける。

「今日も可愛いね」

 そうすれば鏡の向こうにいる金城充は答えるのだ。

「そう言うお前もカッコいいよ」

 両思いだ。

 ただ、悩みがあるとするならば、この関係を誰にも自慢できない事。手を繋ぎ往来を歩けない事。

 性行為を。体を重ねられない事。相手の温もりを感じられない事。

「こんなにも愛おしいのに」

 彼らはたった一枚、たった一つ超えられない壁によって隔てられている。

「あれ、そろそろ時間じゃない?」

 中性的な金城充が金城充に教える。現実の金城充は制服を着て、鞄を肩にかけて、鏡の前に立ち、口付けをしてから部屋から出て行った。

「行ってきます。また、学校で」

 金城充は付き合っている。

 金城充と付き合っている。

 マイノリティな恋愛と蔑まれてしまうかもしれない。それでも少しの不満を除けば、彼は純情とは言い難いかもしれないが、ティーンエージャーらしい恋愛をしていると言える。

 ハグもキスもセックスも出来ない充は、鏡に映る自分の痴態を眺めて自慰行為をすることしか出来ない。

 それでも、恋愛の幸せを感じることは出来ていた。



***



 短いですが、思いつきはここまででした。これ以上は私の理性が崩壊してしまいます。許してください。

 どう思考するのかを想像すると、頭が吹き飛びそうになります。

 本当に勘弁してください、ただの思いつきだったんです。

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