今日もまた……

今日もまた……

　私は外の世界を知らない。今の私の記憶に残っているのは、止まぬ罵詈雑言と振りかざされる拳。体のあちこちが痣だらけで、毎日が痛みとの闘い。ご主人様の言うことを聞かなければそう言った仕打ちを受けるのはもちろん、奉仕の一環としてご主人様は私の体を求めてくる。そんな生活が何年続いているだろうか。私の身体は見た目も、そして中身も汚らわしくなった。もう一度あの頃に、記憶もほとんどないけど確かに、少しは笑えていたあの頃にへと。戻りたい。お父さん、お母さん、元気にしてるかな。妹は……。そっか、あの子はもうとっくに……。もう、何も戻らないんだ。大切なものも、時間も。何もかも。あぁ。また、今日が始まる。いつもとおんなじ1日が。私は服のリボンを解きながら今日も毎朝通り、ご奉仕の為、ご主人様の寝床へと向かう……。