第2-1話 光と影

アルド「信用できるわけがないだろ?」


影はほくそ笑むと突風が起こる。空一帯を覆っていた闇が螺旋形を描きその中心に集まっている。


アルドとフィーネは村長のいった死んだフリをするという当初の作戦をつづける余裕はなかった。緊迫感を与えるには十分すぎるほど影が濃くなり実体を持っていた。

ファイティングスタンスをとる。


「貴様らが探していたのはこれだろう?」

アルドが目を凝らすと闇の中からゆっくりと光が向かってきているようだった。


ターバンを巻き、ゆったりとした白色のローブを着た身なりの少年がじっとアルドの目を見つめた。


「そう構えるなよ」

消えたかと思えば

アルドは背後を一瞬にしてとられ耳打ちを許していた。


フィーネが叫ぶ。「お兄ちゃん!」


「分からないか?」

少年が言う。


「俺があんたたちが探していた名医だよ。」

少年はニッコリと笑った。

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