第15話 言葉を知ることは世界を知ること?
おや、画面に変化が。通信マークっぽいのが点滅してる。あ、呼び出し音かな。
セルジ・アーカイン
名前はカタカナで見えるんだな。
セルジさんか。アーカインが苗字なのか。
応答マークを押す。
「あ、マモルさんですか」
「はい、マモルです」
「セルジです。一つ確認が必要なので連絡しました。」
「はい、なんでしょうか」
「調理場の説明は確認されましたか?」
「あ、はい。ついさきほど確認してました。」
「そうですか。今ある食材でマモルさんが明日分の食事を用意できるならよいのですが、どうでしょうか。」
「そうですね。明日1日なら多分問題ないですが、明日は教育の他に何をするのでしょうか。」
「詳しくは明日伺ったときにラルタともう一人が説明しますが、基本的には1日教育となります。本当はしばらく生活いただく場所に移動していただく予定でしたが、そのしばらくは今の部屋となりそうです。私は朝魔法かけたら席を外しますのでご了承ください。」
「そうなんですね。あ、食事が用意できないって言ってたらどうなるんでしょう。」
「そのときは一食あたり500エルから1000エル程度いただいて、食事をこの施設で用意することになります。」
「なるほど、ひとまず明日の朝食は自分で用意します。他詳しいことはラルタさんに聞いてみます。」
「そうしてください。マモルさんのほうからは他に何かありますか?」
「あー、まぁ明日でよいです。」
「わかりました。では失礼します。おやすみなさい。」
「はい。おやすみなさい。」
通話が切れる。
安くて500エルね。1500×6で9000エルか。6日ごとに1万エルもらえるからって、全てを食事に使ってたら、ほんとにその日暮らしになるな。
自炊は必須か。
米出して、炊飯器設定するか。
玄米ってどの程度洗えばいいんだろう。こっちの、、玄米だと精米とは言わないのか?とりあえず少し強めにやってみよう。
水道から水が出ることを確認。人によってはボール使うんだろうけど、面倒だから炊飯器のやつに直接米を入れて、水を入れてざっと流す。残った水でゴシゴシと米を押し転がす。再度水を入れ、ざっと流す。繰り返して最後に水を満たし、こんなもんかと炊飯器にセットする。まあ測りの線にあわせているから大丈夫だろう。
使い勝手変わらないな。科学は発展してるし、でも魔法使う人はいるし。魔法が便利で科学が発展しないとかって展開ではなかったようだが、どの程度浸透してるのかよくわからないな。セルジさんらが特殊な人達なのだろうか。やってることは権力者の立ち位置じゃないし、魔法使えるのは貴族だけとかそんなでもないよな。小説とかで出てくるような血統魔法とかあるのだろうか。誰でも使えるようになるなら、俺も使えるようになるのかな。転生者っぽい人たちは多分使えたんだろうな。なんかそんな気がする。
さて、予約時間は八時でいいか。
今はもう少しで午後十時になるところ。
事前にもう少し見ておくか、それとも早めに起きて、魔法がかけられてない状態でいろいろ見るほうを優先するか。
そうか、言語は見ておいたほうが良いか。
11時くらいまで見てから寝よう。いろいろあったから日が変わる前には寝たほうがいいだろうしな。
テーブルのほうに移動し、椅子に座り、言語のメニューを押す。
初心者教育
言語は、文化的な生活を営むために、聞くこと、読むことで、他者の考え、思いを知り、話すこと、書くことで、自身の考え、想いを伝えることに必要な体系であり能力となります。
ハルサーテ国の公用語はサーテ語となります。サーテ語は、ハルサーテを含めた周辺8か国で公用語と定めており、全世界の人口の半分は生活で必要な言葉を使えると言われています。
公用語ね。全世界の人口の半分と来たか。つまり、全世界を把握できる情報網がすでにあるってことだな。遠方との通話ができるし、文字情報はもちろん、仮想現実を見せられるだけの情報量をやりとりできるのだからそれくらいは進んでいるか。
周辺8か国って、多いのか少ないのかわからないな。時間の概念から地球と似たような自転とは思ったけど、それだけで大きさはわからないよな。重力の感覚は地球と変わらない気がするが。
公転は少し短いとして、それが大きさに関係するのか。。
そういや、4月末でこの恰好で平気って、日本の関東より暖かい?うーん、4月前半は寒いことも多いけど、後半は大分暑くなる日もあるから比較しにくいな。社会人になったばかりの頃はまだ5月もスーツにネクタイだったし。
とは言え、機密性は高そうだから今は単純にこの部屋が暖かいだけか。
特に風は感じないが、天井とかに空調と思われる場所もあるしな。
と、地球と似たような大きさだとしたら、8か国で人口の半分?地球よりだいぶ統合された状態のように思うな。まあ、それは社会で見られるか。
しかし、思いと想いをあえて変えてみせてるのは含みが違うのかね。前調べたときは想いは常用外だった気がする。まあ、異世界言語との翻訳にそんなのないか。心の中で具体的なイメージを考えるみたいな思いよりは狭い意味なはずだけど、思いって単語もどっちも考えることを含んでた気がするから言葉が重複してるようにも見える。
あ、思考って重複してたのか。まあいいか。繰り返すのは重要なことを強調したいときだからな。紙とかに書いて考えるも、心の中で考えるも、どちらも必要だ。
サーテ語は母音と子音の組み合わせで130程度の音節があります。また文字は26字のアルファベートを基本としています。
情報伝達を受け取るためには、単語の意味とその文脈を解釈し、相手の伝えたいことを読み取ることが必要です。情報伝達で受け渡すためには、単語の意味とその文脈に気を付け、自分の伝えたいことを表現することが必要です。
聞くためには基本的な単語を耳で聞き取れるよう慣れる必要があります。
話すためには基本的な単語を発音できるよう訓練する必要があります。
読むためには基本的な単語を目で読み取れるように覚える必要があります。
書くためには基本的な単語を手で表せるように練習する必要があります。
なんだか表現がかたいな。そしてアルファベートと来たか。部屋番号の最初のSはやっぱりアルファベットってことでいいのか。
次の操作をしようと画面に触れたとき、ポップアップが出かけて閉じる。
ん?これ文字のところなんか仕掛けがある?
聞くのところに手を触れる。すると、絵と説明が出てきた。
こりゃ、地球のネット文化の内容よりは上の充実度かもな。まあ、それぞれ目的があるから仕方ないか。すべての単語に説明付きか?話すにも読むにも書くにも、それぞれ絵がある。書くのところは違和感あるが。
ペン文化はまだあるのかもしれないけど、同時に画面入力の絵もあるからな。これは書くと言ってよいのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます