第十話 新たなる強敵

「では、迎えが参ったようでございます。天海様、そろそろ出かけることといたします。長らくお世話になりました」

 若い修験僧、駿空は深く頭を下げると旅支度を始めた。

「為三郎という親方に、お前たちのことはきちんと頼んである。普通なら今からの出場は到底無理なのだそうだが、不正があって、もう一度だけ決定戦があるそうだ。だが一度は勝たなくては入り込むことは許されぬ。なんとか一勝して、辻相撲に入り込み、江戸の騒乱の真実をみきわめるのじゃ」

「はい、優勝とはあえて言いませんが、宋刻、戒念とも、滝打ち、早がけ登山などの荒行千日をやり遂げた超人です。武術はなくとも、不動明王の神通力もございます。必ずやご期待に添えるでしょう」

 すると、体の大きな修験僧が二人、駿空を迎えに感栄治の庭を歩いてくる。天海はその二人に声をかけた。

「密教の荒行を極めた者たちよ。今、この江戸に不穏な影がかかっている。お前たちは、必要とあらば、羅刹、阿修羅となって闇を払うのじゃ」

 二人は進み出てその言葉に答えた。

「それでは今この瞬間より、羅刹として戦いましょう」

「自分も阿修羅として命をかけましょう」

「駿空よ、お前たちの行く道は混迷を極めておる。鬼が出ても蛇が出ても、あるいはもっと恐ろしいものが出ても不思議ではない。しかし、ここで手をこまねいて見ていては、江戸は大きな災厄に襲われるだろう」

「…」

「しかし真実はいつもお前のすぐ目の前にある。心を正しくもて、祈りを忘れるな。さすれば、おのがなすべきことが自然に降りてくるであろう。その声に従って進めばよい。ただし、その道は険しく、何度も谷底に突き落とされることであろう。しかし、信じて立ち上がれ、はいのぼれ、なすべきことをやり遂げよ。さすれば道は開ける」

「はは…。では、行ってまいります」

 そして三人の修験僧は天海に見送られて旅立っていった…辻相撲の混沌の戦場へと…。


 その朝、海堂はいつもの槍の鍛錬を終え、お浪の特別食を味わうと、河口近くの釣りの穴場に来ていた。向かい岸には芦原が広がり、その向こうは干潟が続いている。大きな青鷺がすぐそばを飛んでいく。

 今日はハゼが面白いように釣れる。つい鼻歌も出る。焼いても、てんぷらにしても最高だ。

やがて後ろに鋭い気配がしてどさっと音がした。天の助だった。

「呼び出してすまなかったな」、

「いやいや、おかげさまで、ハゼが大漁だよ。食べきれないから、持ってくか?」

 さっそく海堂のびくの中をのぞく天の助。

「お、大漁だねえ。型もいい。じゃあ、これと交換だ」

 天の助が差し出した網の中には大きな手長エビやモクズガニ、立派なハマグリまで入っている。

「すごいなあ、おまえ穫ってきたのか?」

「ああ、江戸では獣は穫れないが、海の物がなんでもあるね。ちょっと遠くに磯場もあって、アワビやサザエも穫れるんだぜ。この間はウニや牡蠣をたらふく食べたよ。」

 ちょっと遠くというので場所を聞いてみるとかなり遠い。毎日、川や海辺を走り回って、猟をしているのだという。まだまだ食べ物では勝てそうにない。

「で、今日はなんだい?」

 海堂が訊くと天の助は静かに答えた。

「おれは今、黒獅子のところに世話になっているんだけどさ、例の練習の関係で猫御殿でお浜と毎日のように顔を合わしてるんだ。時々話もするんっだけどさ…。そしたら昨日、ある話をしたらお浜に言われたんだよ。それはぜひ海堂さんにお伝えした方がいいってさ。」

「え? おれに?」

 それは迂闊にも、海堂が訊き忘れていた天の助が辰之進と喧嘩して飛びだしたその原因であった。

「ええ! 森村白堂はそんなことを辰之進に持ちかけたのか!」

 迂闊であった。もっと早く聞いていればよかった。だがやっと白堂の狙いが見えてきた。

「そんなことを言われたら、そりゃあ天の助も怒るな。やっとわかったよ」

「いや話を聞いて本当によかった。ハマグリやエビ・カニまでお土産もできたしな」

「じゃあ、また良い獲物がとれたらごちそうするぜ。そっちもせいぜいでっかい魚でも釣っておいてくれよ」

「ああ、それからまた時間がとれたら猫御殿に差し入れに行くからな。お浜たちの練習もまたやってるんだろ」

「ああ、いよいよ追い込みだってさ。この間の差し入れの団子はうまかったぜ。じゃあ、またな」

 天の助は大漁のハゼを受け取って大喜びで帰って行った。海堂は編みがさのひもをきゅっと結んでそこから歩き出したのだった。


 その頃、森村白堂は、辰之進が隠れ宿によく使うという「さがの」という高級旅館に訪れていた。

「森村様ですね、辰之進さまがお待ちでございます。こちらへ」

 背の高いしっとりとした美女に案内されて、森村は、一人、奥の間に進んで行った。

途中、白堂がさわやかにいろいろ話しかけてくるので、おサキは顔を赤くさせて戸惑っていた。奥では辰之進がくつろいで待っていた。筋骨隆々で豪傑と言うにふさわしい辰之進と、知的でさわやかな森村白堂はどちらも歌舞伎者だが、ある意味対極の存在だ。女はそんな二人にほほ笑んで茶を出すと、ふかくお辞儀をして去って行った。

「うなじに気品がある。おっそろしくいい女だなあ。なんていう名前だい」

「おサキだ。いろんな意味で申し分のないいい女だよ。白堂、おまえならくどき落とせるかもしれないぜ。やってみるかい?」

「ふふふ…」

 白堂はさわやかに笑ってかえした。

「で、白堂よ、どうだい? うまく連れたかい?」

「やっとのことでな。『天』で一組、『地』で一組、何とか釣り上げたぜ。『天』の方はちょっと手間取ったがな」

「え、ふた組連れたのか? 上首尾だな」

「どちらも人気もあるし、優勝を狙える実力もある。ところで辰之進よ、おまえのほうこそどうなんだい。あの夜、お前が負けて、一人抜けたそうじゃないか?」

「ああ、まさか自分でも負けるとは思わなかった。でも、二回はないぜ。もう攻略法は考えてある。それに、三人目ももう入ったぜ。今道場でおれが毎日技を仕込んでいるよ」

「なんだ、もう三人目もいるんだ。知らなかったな」

「ああ、あとで近くに来るから、さっそく合わせてやる。きっと驚くぞ」

「楽しみだな」

 すると辰之進はおサキをもう一度呼んで、何かを頼んだ。おサキはかしこまりましたとどこかへ急いで行った。今度は白堂が、お浜と若衆歌舞伎の対決の話を始めた。もう、すぐ目の前に若衆歌舞伎の対決興業が迫ってきている。たぶん勝てるので、そうしたら、金の鯱の息のかかった芝居小屋で大儲けをするというのだ。

「あのお浜の狂言に勝ったという売り文句で大々的にやるのさ。儲かったら、一杯おごるぜ」

「そりゃあいいな、でもたぶん勝てるって、何か手を打ったのかい?」

「手は打ってないが、相手は一流の一座だ。かなりの金を渡したよ。そういうものだろう。」

「さすが、金の鯱だな」

 だがそのうち、森村白堂がおかしななことを言い始めた。

「そういえば最近おれたちのことを嗅ぎまわっている犬がいるらしいんだが…。何か心当たりはあるか?」

「どうせお庭番の放った隠密だろう?」

「やつらははなから目的を持ってつぶしにかかってくる。そうではなく、ただ嗅ぎまわっているちがうにおいのする輩だ」

「うーん、そういうことなら…。うちから逃げ出した天の助という男を追いかけさせたのだが、その天の助が浪人風の男といたというのが分かってな…」

「すまないが、その男のことを少し教えてくれないか…」

「いいぜ、今日の午後にでも見かけたっていう部下をお前のところに送ろう。後は何とでもしてくれ」

「すまないねえ」

 そして帰り、辰之進は白堂と連れだって、おサキに案内されて玄関へと出た。別れ際、辰野進はその力強い腕で、おサキの肩を一瞬だきしめて、白堂の見ている前で耳元でささやいた。

「…またな」

 おサキは紅潮した頬を隠すように深くお辞儀をして二人を見送った。

 旅館の庭に出た途端、白堂は立ち止まった。辰之進の弟分でもある、精悍で切れ者の軍師でもあり第二の力士でもある古村兵庫がそこで待っていた。

「お、辰之進さま、森村様。ちょうど間に合った。おい、こっちだ。入ってこい」

 辰之進はにこやかに白堂に説明した。

「おサキに頼んで呼んでおいたのさ。白堂よ、俺たちの新しい三人目だ」

 庭に入ってきた男…日焼けした肌、力強い足腰、そして2メートルを超える飛びぬけて高いその身長…。

「まさか…こ、こいつが三人目か?」

そう、あの勝ち抜き戦であっという間に三人抜きをした南海の海坊主、巨体の八郎だった。辰之進に担ぎあげられて試合には負けたが、今、道場で次々と技を仕込まれてさらに強くなっているという。

「こいつを鍛えたら、優勝も狙えるかもしれない」

「な、だろ? せいぜい期待してくれや。ハハハ。もう、おれたちが優勝するに決まりよ!」

 辰之進の高らかな笑い声が響き渡った。


 その日の夜、聞き込みで突かれて帰ってきた海堂をお浪がにこやかに迎えた。

「海堂様がお土産にくれたハマグリが立派で立派で…。網焼きにして醤油をかけました。川エビは塩焼きで、モクズガニは特製のカニ汁ですよ。さあさあどうぞ」

 天の助のおかげで、なんと充実した夕食だ。それから時枝屋の鉄砲風呂に入り、部屋に行く。すると時枝屋が顔を見せた。

「おや、ご主人なにか…」

「いやね、例の件でね…。女衒の鉄から連絡が入ってね…」

「え、もしかして森村白堂の?」

「そうなんだが、ちょいと面倒なわけがあって、女衒の鉄は一緒にいけない…一人で来てほしいというのだ」

「それはもちろん構わんが…。あの鉄が来られないわけとは何だ」

「海堂様は吉原に行ったことは?」

「いや、ない」

 海堂がそう答えると、時枝屋はなぜかとてもうれしそうに笑みをうかべた。どういうことだ?

「それなら、ちょうどいい、吉原案内地図ってのがありましてね。これがけっこう売れ筋なんですよ。ぜひお使いください。実はね…」

 地図自慢が始まった。吉原の地図のあちこちに小さな記号が書き込んである。それぞれの店の格式、値段、人気の花魁なども分かるようになっている。時枝屋苦心の傑作と見た。これがひそかにバカ売れしているらしい。

「わかった…ここの茶屋に昼に行けばよいのだな…」

 次の日、真昼間の吉原に海堂は出かけて行った。大きな門を入り、柳の下を抜けて、指定された尾上という茶屋に入っていく。真昼間にうろうろしているので怪しまれたのか、門番や店先にいる男たちにも、じろじろ見られるのでなんだか落ち着かない。尾上…ここは格式はかなり高い方で、人気の店だと時枝屋の案内地図に書いてある。やり手婆がさっと目をつけてやってくる

「あら…もしかして女衒の…」、

「ああ、そうだ。女衒の鉄の紹介で来た」

「ははー、ちょっとお待ちください。すぐにご案内します」

 女衒の鉄の名前はここでは絶対らしい。その名を出した途端、口うるさそうな婆さんがかしこまって走っていく。すると今度はどうも主人らしい中年の男が出てきて、海堂をさっと見て言った。

「なるほど、鉄さんの言う通りのお方だ。これならうまくいくかもしれない。私は主人の和助と申します。こちらへどうぞ」

 どこが幸いしたのか主人の眼鏡にかなったようで、海堂は上がり込むことに成功した。

「なにぶんにも、私は遊女を紹介するだけでそれ以上のことは店の信用に関わるのでできませぬ。花魁の鈴蘭はきままといいうか、少し気難しいところがありますので、うまくことを運んでください」

 奥の間に行くと、主人はそっと帰って行った。

「失礼申す」

 海堂は緊張してそっと障子をあけた。

「あっ」

 一人の花魁が、下働きのおかっぱの少女に髪をすいてもらっているところだった。黒髪に真っ赤な串がなまめかしく動いていた。なぜか見てはいけないものを見てしまったような思いにとらわれ、海堂は頭を下げながら言った。

「すまない、こんな時間に…しかも間が悪い時に…終わってからでけっこう…」

 もう一度障子を閉めて戻ろうとする海堂。

「お待ちください。大丈夫ですよ。もっと遅くに来るかと思っていて…」

 鈴蘭は少女を部屋の外に出すと、こちらに向き直り海堂を招き入れた。

「私が絶対女衒の鉄さんに合わないってつむじ曲げちゃったから、優しそうな人をよこして機嫌を取るつもりなんでありんすな」

「あの、…鉄さんが何かお気に触ることをしましたでしょうか?」

「するわけないでしょ! あんな計算高い人、失敗したところなんか見たことないでありんす」

「では…どのようにしたら…」

「どうにもならないでしょ。だって私、あの人の怖い顔が苦手なのよ」

「…というと…」

「だって、全身黒ずくめで背は高いし、こっちを見下すわけでもなく、あの感情がまったくないような冷たい目でこちらを見られた日にゃ、もう、怖くて眠れやしないわ。しかもその鉄さんが同じように体のでっかい槍の達人のお侍を連れてくるからって言うじゃない。そんなのが二人もいたら、もう怖くて何もしゃべれないでありんす。どうしてもっていうなら、その海堂ってお侍に百両持って夜にお客できなさいって伝えて。お客なら仕方ないからあってあげてもいいわ」

 海堂はますます頭を下げて小さな声で言った。

「ご迷惑かけてすみません。でも拙者、百両の大金など到底用意できませぬ」

「え、何? どういうこと? あんた、誰なの?」

「鈴蘭太夫どの、まことに申し訳ない。その…拙者が海堂でござる」

 すると鈴蘭は、鈴の転がるように笑いが止まらない…。

「…申し訳ないってあんたお侍でしょう。おもしろい人でありんす」

 男女のやり取りになれた花魁にしても、低姿勢でおとなしい海堂の様子は珍しいらしい。

「鉄さんの知り合いで何か調べ物をしている体の大きなお侍がくるって聞いていたからちょっと緊張してたんだけれど、あなたが海堂さん? よかったでありんす…。あんたで」

 怒るかと思っていたら花魁は笑っていた。

「じゃあ、いいわよ。なんでも聞いて!」

 海堂は控えめに話し出した。

「迷惑がかからない範囲で教えてほしいのだ。森村白堂の金の鯱が辻相撲で何をしようとしているか…」

「あ、それね。うちの店は白堂は来ないけど、取り巻きがよく来るでありんす。それでちょっと耳にはさんだんだけどね…」

 取り巻きが、酒の席で辻相撲のことを話していたというのだ。

「うまくいったら最後にはごっそりひきつれて分かれて、そのうち取って替わる。」

と言っていたそうだ。

「とってかわる…そりゃあおだやかではないなあ。でもまちがいない。これで裏が取れた」

 海堂は、ほかにも詳しいことを聞いた。鈴蘭は気持ちよくなんでも話してくれた。最後には今度ぜひ遊びに来てねとまで言われた。鈴蘭にお礼を言うと、部屋の外で待っていた少女に、七五郎の飴をこっそり渡し、茶屋の玄関に出た。

「すみません。海堂殿。わがままを言いまして。どうやらその様子だと、うまくいったみたいですな。和助さんの言われたとおりだ」

 あの全身黒ずくめの背の高いこわもての男、女衒の鉄がそこにいた。なるほど、あらためて見てみても、子どもが泣き出すほど怖そうだ。

「ああ、おかげさまで、裏が取れた。鉄さんのおかげだ」

 主人の和助がにこやかに言った。

「鈴蘭はいざとなるとわしらにも気が向かないとしゃべらないんですよ。鉄さんだと怖いのかなおさらだ。本人に直接来てもらったらと提案したのは、私なんです」

「ご主人の知恵のおかげで、段取りがうまくいったようで、本当にありがとうございました」

 帰り道は女衒の鉄と一緒に帰ったのだが、今度は行きと違って関係者がみな挨拶をしてくるので、驚いた海堂であった。


 その頃、時枝屋では、海堂のいない間にお絹がやってきていた。もう、若衆歌舞伎との対決がすぐなので、朝から練習し、昼休みの時間をうまく使って仕事に来ているのだ。

 時間がないので、お絹は急いでいつものように、部屋の掃除や洗濯ものの整理をしていた。すると、奥の部屋の宿泊客が、部屋の前を通りかかった。

「あれ?」

 その男が中をのぞいたように見えた。その目つきが、部屋の中を見渡すような、しかもちょっと怖い感じだった。

「なんですか?」

 でもお絹がいたのでその行商人風の男はこそこそっと去って行った。お絹は気になって、帰りにお浪に聞いて見た。

「ああ、奥のお客さん? 商談でしばらく泊めてくれって夕べ遅くにやってきたんだよ。明るくてよさそうな人だし、前金で十日分払ってくれて、金はありそうだし、物盗りはないと思うけどねえ。でも気になるねえ」

「ちょっと今夜、時間を作って、海堂様に報告します。」

「とかなんとかうまいこと言って、ぬけがけはなしだよ。最近私の手料理をおいしいおいしいって食べてくれて、だんだん所帯持ってる気分になってきてるってのにさあ。」

「あら、最近海堂様ったら、猫御殿まで出向いて、私たちの練習の差し入れに来てくれるんです。おまんじゅうとか、羊羹とかを持ってね。それで、お絹の踊りはどんどん良くなってるよって、優しい声をかけてくれたりしてね。うふふ」

 海堂が差し入れに行っているとは知らなんだ…。ちょっとくやしいお浪だった。

 夜、海堂が帰ってくると、またお浪とお絹が二人一緒に入ってきた。またまた面倒くさそうな雰囲気だ。

 お絹が、昼間の事件のことを、お浪がその男の様子をまたいっぺんに話し出す。

「わかった、わかった。順番に…」

 しかし、事件が分かってくると、海堂は慎重に話し出した。

「ううむ、とくに盗まれるような価値のあるものは持っていないが…」

 海堂はふと気になって、文机の引き出しの中を見てみた。中には、老中への報告書などに使った紙が入っている。これを盗まれたら、隠密としての身分がばれてしまうかもしれない。

「まあどんな書類かは特に説明しないが、これを持っていかれると困ることになる。なるべく部屋には置いておかないようにするが」

「わたしも目を光らせておきますから…」

 だが、このささいな事件が、あとでとんでもないことになっていくのだった。お絹はそんなこととはつゆ知らず、帰って行った。もう若衆歌舞伎との勝負は目の前だ。明日も仕上げの練習だ。気合いを入れて頑張らねば…。

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