キャラクター紹介

キャラクター紹介


夢咲 操 (ゆめさき みさお)


本作の主人公。

黒髪に青い瞳の大和撫子的美少女。

飛び級で大学の修士号を取得し、現在博士課程に所属する天才少女。

素の容姿は跳びぬけて美しいのだが、普段は瓶底みたいな眼鏡にもっさく結んだだけの髪、体のラインが出ないようにした服を纏いすごくダサくてモテない。

機械いじりが趣味でジャンクパーツを組み合わせて何かを作るのが好き。レトロなガラケーを収集しては悦に入る変な趣味を持っている。

ある日実験中の事故により超高密度魔力ガスに晒されたことで後天的にサキュバスになってしまう。

政府に保護されて帝都郊外にあるサキュバス・パークに送られることになるが、元々のコミュ障で根暗な性格ゆえに他のサキュバスともパークの仕事とも折り合いがつけられずトラブルばかり起こす。

現在は自分自身がサキュバスになったことを受け入れられず、やや自暴自棄になっており周りの人間をヤキモキさせている。

だが根っこの部分にはこの理不尽な状況への反骨心と他者への優しい心根がちゃんとある素敵な女の子。




ロミオ


サキュバス・パークに属するサキュバスの一人。

ピンク色の髪に紫色の瞳のロリ小悪魔系美少女。

先天性のサキュバス。

自称、パーク最古参の牢名主。

パーク内の各派閥からあぶれた者たちを纏めたグループのリーダーをしている。

一人称がオレの男言葉で話し、新人いびりを称して何かと操に絡んでくる。

サキュバスの生態には恐らくパーク内の誰よりも詳しい。




ユリシーズ


後天性のサキュバス。

金髪に緑色の瞳の凛々しい美人。

元は帝国貴族の令嬢であり、帝国軍の将校だった。

軍務中に受けた攻撃がもとでサキュバスになってしまい、パークへと送られた。

男相手の接客やショーなどは行っておらず、軍歴を生かして闘技場で選手をやっている。

闘技場ではサキュバスに似つかわしくない正統派の騎士をやっていて脱いだりするようなタイプには見えないのだが…?



ファウスト・ロメロ


人間のおっさん。

バーコードみたいな髪にでっぷりと出た腹だが、不思議と人を安心させる優しい笑顔の持ち主で、パークのサキュバスたちから信頼されている。

医師であり、サキュバス研究の第一人者の一人。

サキュバス・パークの科学顧問を勤める。

新入りの操を何かとサポートしてくれるいい大人。

ちなみに既婚者である。




リシャール・リュードベリ


茶髪に茶色い瞳の若い男。

ロメロの助手を務める研究医。

将来有望な爽やかイケメン。

彼女はいる。





アイリーン・アルヴィエ


帝国軍中佐。坊主頭で背の高い厳つい女性。

ブスではないが、さりとて美人でもないわりと普通の顔立ち。

帝都のサキュバス・パークの管理官。

ベテランの将校であり、数々の勲章を取って来た軍の英雄。

個人戦闘能力の高さは帝国軍でもトップクラスの優れた魔導兵。

さらに人型機動兵器の操縦も第一級のエース。

その腕を見込まれてサキュバス・パークの管理官に着任したが、サキュバスたちのわがままさや日々の業務のストレスから毎月異動願を出している苦労人。

サキュバスたちからは鬼看守と嫌われているが、アイリーンもサキュバスたちが大嫌いなのでお互い様である。



夢咲 勇 (ゆめさき いさお)


操の弟。

姉によく似た美少年。

姉を慕っているし、操にも母親にも可愛がられている。

素直な性格であり、どんな人相手にも優しい。




夢咲 直 (ゆめさき なお)


操の母親。

キャリアウーマンのシングルマザー。

子供たちと違って特に美形ではない。ごく普通の顔をした女。

高給取りで一家の大黒柱。

息子のことをとても可愛がっているが、その反面娘の操のことをなかばネグレクト気味に扱っている。





世界観


サキュバス


超特級危険指定生物。

全ての個体が美しく若い女の姿をしている。

彼女たちはみな例外なく男と寝ること遊ぶことが大好き。

だが男を誘惑し魅了して操り、精気を貪る女の形をした恐ろしい生き物。

不老不死であり、ありとあらゆる毒物や魔法や超能力などの異能攻撃への高い耐性を持っているし、性病をはじめとしてありとあらゆる病気にかかることもない。

そして心臓が完全に破壊されない限り死ぬことはない。

夢に干渉して精神などを操作することもできる。

精気は魅了した相手から距離が離れていても自動的に吸えるのだが、肌が触れ合ったり、性器が結合しているなどの身体の密着性が高まれば高まるほど効率よく吸える。

魅了による吸精の発動は『この娘、かわいいな』くらいの感情を持った程度でも発動可能。サキュバスに対して深く大きい感情を持てば持つほど吸える精気の量は多くなる。

さらに魅了された男は麻薬の禁断症状にも似たサキュバスへの依存性を示し、その愛を得るためならば犯罪などの反社会的活動に手を染めるようになってしまうため、社会的観点から極めて危険視されている。

だがそれは恐ろしさの一端に過ぎない。

表の世界に隠されている彼女たちの真の恐ろしさとは、精気を吸収するときに男から魔力や気などのエネルギーなども吸収しそれを無制限に貯めておけること。

さらに男たちから『知識、経験、技能、魔法、超能力、その他異能の力』などの情報も回収し自分のスキルにできるということである。

例えば剣術家から精気を吸えば剣術の技能を身につけられ、魔導士からは魔法の術式や運用法などをコピーできるのである。

つまりサキュバスは男と寝れば寝るほど強くなるのである。

さらに経験を深めたサキュバスは貯めた『精気の情報』を用いて、この世界の物理法則を書き換えて『夢の世界』を顕現させることが可能である。

この『夢の世界』はサキュバス個人の性質によってその姿を変えるが、例え異能生物最強の真祖の吸血鬼であっても、この『夢の世界』に囚われれば一方的に殺されるのがオチである。

彼女たちが夢魔と言われるのは、男の夢の中に出るからでもなく、夢の様な女の姿をしているからでもなく、夢そのものでこの世界そのものを押し潰してくるからである。

だが彼女たちは基本的に俗世にはあまり興味はない。

吸血鬼や龍や魔人などのように、この世界で権力を追及などはしない。

男と遊んだり、服や宝石を求めたり、おいしいものを探したりなどせいぜいそんなことしかしていない。

偏見の中にしかないような『女らしさ』の具現でもある為か、彼女たちはあまり世間を引っ掻き回すようなことをせず大人しく慎ましく暮らしている。

一つの場所に落ち着かず、つねに世界中を放浪しているため、その存在を補足することは極めて困難。

本来ならば他の異能生物よりも危険度は下がるはずなのだが、時たま何らかの要因によって暴走したサキュバスが都市や国家を壊滅させるということが歴史上たびたび発生しており、その対処は国家にとって重要な課題の一つとなっている。



精気


サキュバスたちが男たちから吸うエネルギー。

世間はこれを精液かあるいは大雑把に生命力のようなものとして捉えているが、真実ではない。

精気の正体は魔力や気功、あるいは体液に纏わりついている『情報』そのものである。

サキュバスは男たちに強い感情を想起させるように仕向ける。この強い感情が持つ情報を魔力や気など共にサキュバスは吸い取るのである。

この『情報』を彼女たちは無意識的に解析し、自身の力に変換する。

また『情報』そのものでこの世界の情報を書き換えることもできる。

なおサキュバスは男からは精気を吸えるが、女からは吸えない。

その理由については明らかにはなっていない。



サキュバス保護法


発見したサキュバスを保護の名目で社会から隔離することについての様々な法律。

サキュバスは極めて危険な生物であるため、発見しだい可能な限り殺害するのが世界の常識だった。

だが第三次世界大戦以降世界的な人権意識の高まりの中で、サキュバスの保護もまた議論されるようになった。

帝国においてはこの法に基づきサキュバスの管理がなされている。

サキュバスは基本的に男と性的関係を持てば持つほど強くなる性質がある。

また貯蔵している魔力や気の量も高まる為、彼女たちを拘束することが非常に困難になる。

そのために考え出された選別方が『性交渉の経験』によるものだった。

帝国においては隔離施設送りになるのは、処女のサキュバスのみとなっている。(処女を捨てたサキュバスはそもそも捕らえるどころの話ではない。軍に被害が出ることを覚悟して戦う相手である)

まだ性交の経験のない処女のサキュバスは、能力の一部にも制限がかかるため、拘束のコストもかからない。

将来的に強くなってしまう前に処女のまま飼い殺すというのがこの法案の狙いである。

捕まえた処女のサキュバスに処女を捨てさせないため、性交渉を国家の許可なくした場合、刑法によって死刑になることが定められている。

過去にこのセックス禁止の条文が憲法上の自己決定権を侵すものではないかという裁判が行われたのだが、最高裁によって「性交経験のあるサキュバスを社会の中で生活させることは社会通念上、また安全保障上、著しい困難さを伴うものであり、これを解決しうる技術が現在存在しえぬ以上、彼女たちの自己決定権を公共の福祉の名目でこれを制限するのは憲法上妥当であると判断せざるを得ない」という判例が示された。

サキュバスたちはとてもきびしい状況に置かれているのである。




サキュバス・パーク


捕らえられたサキュバスたちの隔離施設に併設された遊園地。

運営は政府が100%出資する株式会社サキュバス・パークが行っている。

帝国のいくつかの大都市郊外に数か所設置されている。

捕まったサキュバスたちは生命を維持できる必要最小限の精気がドリンクなどの形で与えられるのだが、それだけでは常に空腹感を覚えてしまう。

それを解消するためにこのパークで彼女たちは働く。

このパークには様々なショーや接客サービスが存在しており、サキュバスたちはその中で男たちを魅了して精気を吸っているのである。

パーク内では各種センサーが常に彼女たちを監視しており、安全なラインを超える吸精や、あるいは客の体液の回収、さらにはセックスを含む性行為を行おうとするとすぐに兵士たちが飛んでくるようになっている。

精気の摂取がメインではあるが、きちんと働いた分だけ給料も出る。

パーク内では以下のサービスが楽しめる。


アイドルライブ(握手会もあるぞ!精気を吸われすぎて倒れる者が真のファンと讃えられる異常な集まりだぞ!)

ガールズ・バンド

演劇

ミュージカル

歌、ピアノ、その他楽器などのコンサート

キャバクラ(お触りすると刑法違反で即逮捕される)

ガールズバー(地味に人気が高いぞ!)

メイド喫茶

コスプレ撮影会

カジノ(ディーラーもテーブルにつく美女もサキュバス。色香に惑わされずに勝てる男はあんまりいない)

雀荘

ストリップ(一応政府機関なので乳首と女性器の露出はNGのソフトなダンスだよ!でも興奮しすぎて気絶する客ばかりだよ!)

パーティのコンパニオン(イケイケベンチャー企業の打ち上げに人気があるぞ!)

接待ゴルフのキャディー

レンタル彼女(手をつなぐまでならセーフ。最高の思い出をあなたに・・・)

水着レース(公営ギャンブルだぞ!ビキニだからポロリもあるぞ!でも乳首にシールしてるのは勘弁な!)

飛竜やエアバイクなどのレース(客のギャンブル度がガチ。サキュバスは運動神経がいいので、外のレースよりもレベルが高い)

等々様々なサービスが楽しめる。


なおサキュバス・パークは公的施設のくせにぶっちぎりの黒字である。



闘技場


サキュバス・パークにある施設。

サキュバス同士が決闘をする興行を行う。

ここでの戦闘はいわゆる台本ありのエンタメショーとしての試合と、公営ギャンブルとして開かれる、ガチバトルとの二種類の戦闘がある。




源氏名


サキュバス・パークのサキュバスたちが名乗る偽名。

基本的に彼女たちは本名を名乗らない。

これはもともとちゃんと社会生活を送って来たものが多いパークのサキュバスに対する一種の配慮である。

サキュバスであることが世間にバレると残った家族が迫害を受けることがとても多いのである。

皮肉なのかなんなのか詳細はわからないが、この源氏名を男性の名前から取るのがここの伝統となっている。



神聖リーリウム帝国


本作のメインの舞台となる国家。

一つの大陸を統治するこの世界の超大国。

国家元首は皇帝。もっぱら国家儀礼と祭祀のみを司り、国政にはめったに関与しない。

皇帝は神話に語られる2000年前に世界を救った勇者の末裔だと言われている。

議会制民主主義がきちんと機能している民主国家。

貴族院と衆議院の二院制。衆議院に優越が認められている。

貴族制度は残っているものの、基本的には法の下、全国民が平等である。

政治の最高責任者は衆議院より選ばれる国会議員の内閣総理大臣が行っている。

世界最大の軍を持っていて、世界各地に在外基地が存在している。

三度の世界大戦に勝利した、この世界の覇権国家である。



この世界の文明レベル


現代世界よりやや上くらい。人型起動兵器が導入されてたり、宇宙開発も進んでいる。

インターネットもあり、携帯もある。

魔法や超能力や気功などの異能は人々に普通に認知されている。

エルフや獣人などの亜人種なども存在し、モンスターなども闊歩している。

他の大陸には吸血鬼が造った国や龍などが支配する領域などのファンタジー的な場所もある。



インキュバス


男版のサキュバス。

伝承では語られることもあるが、現在のところ何処の国家でも公的にはその存在の実例が確認されていない。



勇者伝説


二千年前に魔王を倒しこの世界を救ったとされる存在。

何の才能もないちっぽけな少年だったが、人々の思いを集め束ねて自らの力とし、魔王を打ち滅ぼしたと伝わる。

神聖リーリウム帝国の初代皇帝は勇者の孫であると伝説には記されている。

国号のリーリウムは勇者の母に由来すると神話には語られている。

もっとも勇者伝説そのものは考古学的にはその存在が一切証明されおらず、歴史学者はまともには相手にしないお伽噺でしかない。


帝都ウェスタリス


帝国の首都。

本作のメインの舞台である帝都サキュバス・パークはこの都市の郊外にある。


国立ウェスタリス大学


帝国で一番偏差値が高い。

操はこの大学の付属校の学生であり、かつ大学院でも学ぶエリート。

ロメロはここの医学部の特任教授。

リシャールはここの医学部の卒業生であり、現在はロメロのゼミで学ぶ院生でもある。


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