第8話 Let's party!

誕生日


年に一度必ず来るその日は、少なからず誰にとっても特別な日だろう



今日の誕生日パーティーで祝うのは美玲ちゃんと凛だ。

そしてそれを祝うのは

俺、芽衣、智樹、裕也、

そして智樹の彼女の那月ちゃんと、この前ぶつかった彩葉(苗字は不明)だ。


「いやーみんな可愛い!ほんとすごいメンツだな!」


「おい、いい加減懲りたらどうだ?」


裕也が興奮しながら言うのに、智樹が小声で注意する


「裕也ー、浮気?しちゃうの?死ぬ?それとも死ぬ?」


「申し訳ございません」


選択肢が一つしかないからそれともが意味を成していないが、

久しぶりのこの会話、懐かしさと安心感をともに得られるのはなぜだろうか


「「「「ハッピーバースデー!」」」」「happy birthday!」←那月ちゃん


1人だけ明らかに本場の物なので、軽いツッコミを入れる


「那月ちゃん発音いいな」


「英語は得意なんですよ」


「さすがだな、通訳者さん」


「まだですけどね」


談笑していると智樹が苦笑いしながら


「浮気すんなよー那月」


「しませんよ、独占欲強すぎですよ智樹さんは」


「……否定しない」


2人がイチャイチャしだしたので俺は離脱する


周りを見回すと、

裕也カップルと彩葉と芽衣は仲良さげに話している。


そして気付く、


「俺ボッチじゃね?」


しょうがないので飲み物(後輩陣が酒を飲めないのでジュース)を飲みながら、高層マンションから見える景色(自分の力では絶対に拝めなそう)を堪能していた。


「ホントすげーな…」


「確かに、勝ち組は本当に羨ましいわね」


1人嘆いた言葉に反応されたので、驚いて横を向く、


「なんだ芽衣、あいつらと話してなくてよかったのか?」


「そんな来てくれてありがとうオーラだしながら言われても…

まぁあのカップルはいちゃついてるし彩葉ちゃんとは初対面だからね」


「初対面なのに素でよかったのか?」


「他のみんなに素で接してるのにあの子にだけよそよそしくしたら可愛そうでしょ…」ボソッ(例えあいつの妹でも)


「最後なんて言った?よく聞こえなかった」


「別に大したことないわ。せっかくのパーティーなんだから堪能しなきゃ損だよ」



その後談話しながら食事をとり、

プレゼントを渡し、(高かっただけあって今までで一番喜ばれた、結局値段かよ!)

解散となった。帰り道が途中まで一緒なそうなので、彩葉と帰ることになった。


「今日は楽しかったな」


「そうですね、初めて会う人もいましたけど楽しかったです。」


「俺もあんなところに住みたいなー」


「わかります!そして絶対無理なのもわかりました!」


「ははっ、そうだな」


仕草が可愛い、健気な子って感じがして


ボソッ(やっぱり悪い人には見えないんだけどな)


「なんか言ったか?」


「いえ、何も。それよりお願いがあるんですけど。」


「なんだ?」


「今度の日曜日、空いてますか?」


「多分空いてるぞ?」


「お出かけしません?あ、あとこれ、私の連絡先です」


登録しながら聞く


「出かけるってなんで?どこに?」


「理由は特にありません。場所は、、、後日連絡します」


「……わかった」


よく分からんが、別に良いだろう。予定があるわけでもないし。

と軽い気持ちで了承した。





祝10000PV

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