第7話 誕生日パーティー前

なんだかんだで、あの後は芽衣が選んだ鞄(あらかじめ情報交換していたので他のみんなとかぶることはないはずだ)を買い、焼肉を奢って諭吉とお別れをした。


そして今日は凛の誕生日パーティーだ。会場は裕也の家である。

ちなみに裕也は美玲ちゃんと同棲しているのだが、その家がとにかく広いのだ。流石に大学生の範疇を出ていないといえばそうなのかもしれないが、それにしても俺からすればすごく広い。もはや嫉妬する余地も与えてくれない。

まあなぜそんなに広い家に住めているのかというと、

裕也が高3のとき、あいつのお父さんが宝くじで十億を当てたそうなのだ。しかもそれだけではない、大金にこわくなったお父さんは競馬で消費しようと一番倍率オッズの高い十倍の馬(一番勝てなそうな馬)に一億円をかけた所十倍になって帰ってきてしまい、もう人生で驚くことができなくなってしまったと感傷的になっていたお母さんの腰を抜かすことに成功したそうなのだ。


とまあ今裕也の住んでいる高層タワーマンションと呼ばれる魔境に来ていた。


「入るところは確か……ここから周るんだったな」


マンションを見上げてから、ロビーだかエレベーターホールだかよくわからないマンションのエントランスに通じる道へと足を進めた。広いせいか、一見ではすぐにわかる場所では無いため、記憶を探ることから始めたので、知らず一人で呟いていた。


そして自動ドアのところで部屋番号を押す。


『いらっしゃい、まだみんなは来てないから1番だな』


というありがたいお言葉をいただき部屋へと向かう。


セキュリティからして全然違う……俺も宝くじ買おうかな……


「きたな、入れ入れ」


「お邪魔する」


その後も続々と集まり、2月が誕生日の人の誕生日パーティーが始まった。


————————————————————————————————————


ちなみに2月が誕生日なのは凛と美玲ちゃん。

次回初登場です

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