第1話人物紹介・待ち合わせ(2)*改訂前版

 「ヴーヴー」

 何も活動していない部屋にデリカシー無く鳴るスマホ。バイブレーションでにじり寄り、巨大隕石のようにベッドに顔を沈めている主人に頭突きを食らわせる。

 「ん〜うぅ、あ〜ぁ〜も〜」

頭が微振動でブルブル。超不快。 

 「なにっ!」

 バッと起き上がってスマホを手に取った瞬間、電話が切れた。代わりに直ぐにメールが来た。

「はあ?今何時?まだ9時半じゃん。もうちょい寝かせろよ。」

「てか場所遠っ、そういや住所言ってなかったな。」

 微塵もやる気は起きないが仕事だ。仕方ない。まずはトースト焼くところから始めるか。

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