流星
1
12月も後半、冬休み直前、華たちは学校で全国高校駅伝を観ていた。
華はキャプテンになった。そしてそこに早田先輩はもういなかった。
あと十数秒で届くかもしれなかった、都大路の舞台。
スクリーンには、ブルーのユニフォームを着て走る、真木いろはがいた。
この人のチームとも戦えなかった。
だが、華にはチャンスがあった。
1月の都道府県駅伝。
県大会の一区区間賞、インターハイ二位、この結果で、おそらく、華は都道府県駅伝も高校生区間の最長区間を任される。そして、いろはも、この大会、調子がよければ間違いなく同じ区間になるだろう。
そう思っていると、その期待にこたえるかのように、スクリーンのなかのいろはが加速した。もうだれもついていくことはできない。
都大路、エース区間一区を、断トツの区間賞で走り抜けたのだった。
そして、新海学園は優勝。これで、真木いろははインターハイ二連覇、全国高校駅伝一区区間賞にしてチームを優勝に導いた、高校女子陸上界の絶対女王として名を馳せることとなった。
それをみて、華の練習にもまた一段と気合いが入った。冬休み、他の部員はオフのなか、華は県チームの合宿でも走り込んだ。
大学生や社会人の選手にも果敢についていった。
いつしか、誰もが知っていた。
二宮華はその絶対女王、真木いろはに勝つつもりだ、と。
そして、予想通り、2区で華といろははぶつかることとなったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます