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スタンドに二人で戻ると、みんな、おつかれ、と口々に労ってくれた。

「二宮!インターハイ出場おめでとう。また頑張ろうな。早田、惜しかったな。でもよく戦った。いいレースだったじゃないか」

監督は言った。

頑張ります、と言って照れと居心地の悪さから少し席を離れる。何人かは泣きながら早田先輩のところに駆け寄る。

先輩にとっての最後のインターハイが終わったんだ。大学でも陸上をつづけるから、冬の駅伝まで残るって言ってたけど、やっぱり最後って感じる。インターハイってでかい。


監督が寄ってきた。

「残り1.5周のスパート、よかったよ。」

「はい。」

ほんとはラスト一周でかけるつもりだった。けど残り2.5周で急にハイジャンの歓声が聞こえて、こっちだって思ったんだよね。

「お前のスパートのあと、見えてないと思うけど、6位から10位は誰が最後の切符をとってもおかしくなかった。早田もあと少しだったんだ。だから、ちょっと大げさだけど、あいつら許してやって」

べつに拗ねたりはしてないんだけど。。。

「また、インハイにむけて、びしびし行くからな!ちゃんと休んどけよ」

そういってさっていった。

そうだったんだ。ほんとに、戦ったんだ。だから、あんなに清々しい。

私は、どうなんだろう。

スパートをかけて、インハイ行きを確信して、そのあとちゃんと戦ったのかな。


曇った空を見上げた。

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