テーマ4「高飛車お嬢様」
テーマ「高飛車お嬢様」
「麻音衣おまたせ!」
デートの集合場所にきた弘は、先に待っていた彼女の麻音衣に声をかける。
「弘様! 全然問題のないですわ! さぁ行きましょう?」
目を輝かせながら麻音衣は、愛し彼氏の手を繋ぎ嬉しそうに笑顔を浮かべる。
「それじゃあ約束通り映画を観に行こうか」
「はい! 貴方とならどこまでも!!」
弘が最近ハマっている、某鬼退治アニメの映画が上映されると聞いて麻音衣から誘われたことによりデートをすることになった。
弘と麻音衣は、学校でも噂されるくらいのおしどりカップルだ。
弘には、麻音衣について1つ悩みがあった。
それは…………
「その席は、もう埋まってしまっているので申し訳ございません」
「何を言っているのかしら? 愚民が何を言っているのですの!? そこの席は、わたくしが弘様の為に一番良い席を考えていたのに、昨日予約したら席の予約は受け付けていないとか、ほざいていましたが、本当でしたのね!」
麻音衣の家はとてもお金持ちであり、資産はどこかの国の王様と同じくらいあるらしい。
その為プライドが高く、基本人を見下している。
「申し訳ございませんが別の席をご案内でもよろしいでしょうか?」
スタッフのお姉さんはビジネス笑顔をしつつ大人の対応で別の席を案内する。
「何を愚民がわたくしに口答えしているのかしら? わたくしを怒らせるとこの映画館を潰してもよろしいので……」
「やめなさい」
弘は、彼女の頭に手刀をトンと当てる。
「すみませんお姉さん。別の席でも構いませんのでお願いします」
彼は申し訳なさそうにスタッフの人に別の席を用意してもらう。
「弘様がそうおっしゃるのならわたくしは構いませんわ……でも、次はどうなるのか分かりませ……んぐっ」
「本当にすみません! それじゃ俺たちはこれで!」
弘は、麻音衣の口を手で塞ぎその場を離れる。
彼女を軽くお説教し、ポップコーンとジュースを買い、2人は映画を観た。
その後、ファミレスに入りまた色々あったが良しとしよう。
そして、帰り道……
「麻音衣、今日は楽しかったかな?」
「弘様が熱中するアニメーション映画ですもの! とても有意義有意義な時間でしたわよ!」
2人は、デートの感想を話ながら帰路に付いている。
「俺は庶民だからね。麻音衣を楽しませられるか不安だったけど楽しんでもらえて良かったよ!」
弘は少し申し訳なさそうだ。
「そんなことありませんよ! 弘様は、一般の人間の中では一番素晴らしい殿方ですわ!」
彼女は、愛しい恋人が申し訳なさそうにしていて、必死そうに答える。
「それじゃあ、今日は楽しかったよ! 良かったらまたデートしよう!」
「えぇ! 愛しい人と食べるぽっぷこーんやふぁみれすと言う所でのドリアは美味しかったですわ! またお願いしますわね!!? 弘様!」
弘は家に入り、麻音衣は執事の車に乗り、帰っていった。
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