テーマ3「駄菓子屋」
テーマ「駄菓子屋」
「お兄さん! これを下さい!!」
小学生ほどの少年が駄菓子屋でお菓子を買い物している。
「よし! 合計120円だ! どうする?」
支払いになりお客の少年に何故かわざわざ払うか聞いている。
「じゃあ、ゲーム割引する!」
ゲーム割引、携帯端末のゲームをすることでやった分だけお金が割引され、頑張れば無料にもなるこの駄菓子屋のサービスだ。
「毎度あり! じゃあ、2階に言ってゲームを頑張ってね!」
少年は2階へ上がると、自分より早く駄菓子屋へ来ていたクラスメイトが何人かいた。
「よっ、たかし!」
先に来てた友達が少年に話かける。
「はやお来てたんだ! おはよっ!」
声をかけてくれた友達にたかしは反応する。
「しっかしなぁ、ゲームをするだけで安くなるって変な話だよなぁ……みんなどう思う?」
しげるが疑問をみんなに投げかける。
「そうだよね……おさむお兄さんがいうには、俺は天才だから問題ないって言っているけど、絶対損してるよ!」
駄菓子屋の店主であるお兄さんのサービスに対してふじおは呆れている。
「本当に天才なのかな? ただ、お菓子以外にもTCGのカードも売っているし、ゲームソフトも売ってるし、俺たちには楽園だから、ずっとやってて欲しな」
たかしは、苦笑いしながら感想を述べる。
「しかも、前もってゲームをすることでスタンプを押してくれて全部貯まると5000円以下のゲームソフトと交換してくれるとか神だろ!!」
はやおがそう言うと周りもうんうんと頷く。
一方その頃、店主おさむは、ニヤリと笑っていた。
[クックックッ……子供は純粋で良かったよ。ゲームをしているのに何で割引してくれるのかその仕組みを知らないようだからな……]
おさむは、数年前にこの街に駄菓子屋をオープンした。
子供たちはどのように、はやおが利益を出しているかを知らない。
そこには、現代だからこそできる方法があった。
[やっぱり、文明が栄えることは素晴らしいね……]
彼は悪い笑みを浮かべ大金の札束を眺めている。これは全てこのサービスで儲けた金だ。
やり方は簡単。世の中にはポイントサイトというものが存在しており、ゲームをすることでポイントが貯まる。だが自分1人でするのにしても時間がかかる。
そこで、子供を使うことを思いついた。まずゲームポイントサイトに複数登録して、それを駄菓子屋に来た子供に割引をする代わりに、ゲームをさせる。ポイントを現金に変換する時に子供たちが購入する時の値段の1.5倍の値段割引される。
つまり、子供が普通に商品を買わずにゲーム割引をすることで本来よりも利益が生まれる。
世の中は馬鹿と天才の両方が必要なのは、まさにこの駄菓子屋が物語っている。
そして今日も駄菓子屋は、子供の憩いの場になり、おさむもお金を稼ぐ。
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