第342話 麻弥たんの父親からのメール


 素っ頓狂な声をあげたのは茉美だった。


「知っているのか?」

「知っているも何もこっちの界隈じゃ有名よ。九州最強の超能力者でこのアタシと一時間以上も殴り合ったんだから!」


「お前は女子の自覚を持て。けどなんかやだなそいつ」

「何が?」

「だって俺の茉美を傷つけたんだろ?」

「ッッ!?」


 茉美の平手が飛んできた。

 拳じゃないのが成長の証ではあるものの、肩を突き飛ばされた俺は床に倒れ込んだ。


「ふっ、茉美、これで今夜も決まりだな」

「ハッ!? さてはアンタこれが狙いでわざとアタシに叩かれるようなことを!?」

「いや、それはない。流石に、でも約束は約束だからな」

「ッ~~!」


 茉美は頬を赤くしながら両腕でFカップ以上の巨乳を抱き隠した。

 顔をそむけつつ、横目でこちらの様子をチラチラとうかがって来るのが可愛いくて仕方ない。


「や、やさしく、揉んでよね……最近ちょっとあれだし……」

「それはごめん」


 俺は素直に謝った。

 最初は芸術品を扱うように慎重だった俺だけど、ここ最近は徐々に、こねくり回すようにしてしまうことがある。


「今夜はなでるぐらいにするよ」


 背けた顔がバッと向いた。


「あ、いや……そこまで遠慮しなくても……あ」


 いまさらだけど、この場には家族みんなが集合している。

 周囲からの視線に気づいた途端、茉美の顔はいままの倍以上に赤くなった。


「ッッッ~~~~~~~~ッッッ!!」


 両手で顔を覆いながら、茉美は床に転がり声にならない悲鳴を押し殺し続けていた。


 足をおりたたみ、きゅっと丸くなっている。

 その姿がエロ可愛い過ぎて、なでる程度では済まなそうだった。

 悶える茉美を、糸恋が指をくわえて眺めていた。


「茉美はんえぇなぁ……」


 ――本音が漏れてますよ糸恋さん!


 最近目にしたばかりの糸恋の爆乳を思い出しながら、心の中で素数を数えた。

 糸恋の腕の中でおっぱいの感触を楽しんでいる麻弥たんが顔を上げた。


「茉美、その人はどうしたら説得できるのです?」


 悶えている茉美に容赦なく問い尋ねる。

 麻弥たん、インターバルをもうちょっとあげようか。


「ッッ、そうね、あいつは強い奴には従うわ」

「ようは勝てばいいのか」

「それはそうだけど、アタシでも勝てないのにどうするのよ?」


 指の隙間から俺を見上げる茉美。

 HPゲージはまだまだ赤い。


「どうやってって、そりゃ……」


 俺を含む全員の視線が桐葉に集まった。


「ブライダルモードになっていいなら、ボクは米軍よりも強いよ」

桐葉は誇らしげに豊満な胸を突き出した。

「ワタクシと守方も、戦車や戦闘機の100や200は軽いですわよ!」


 美方も背を反らしてFカップの胸を突き出しあごを突きあげた。


「もう次OUが来たらお前らが戦ってくれ」


 実際、貴美姉弟の戦闘力は少年漫画の主人公並だ。

 OU海軍の船団が来ても一掃するだろう。


「あのぉ」


 腰と頭を低く、平身低頭の構えで真理愛がおそるおそる迫って来た。


「私が調べたバストマッサージ、あとでしていただけないでしょうか?」

「ッッッ~~~~!?」


 真理愛のDカップをマッサージする。

 そう考えただけで、もう色々としんぼうたまらなかった。


 —―育ててみせる!全力で!


「なぁ、ところで桐葉はんてバストいくつなん?」

「アンダー67のトップ96だよ」

「まけた……いっせんち……」


 糸恋が劇的に崩れ落ちた。


「私はアンダー68のトップ101だ」

「ぐふぅ!」

「早百合さんはとどめを刺さないで下さい!」


 それでもなお、早百合さんはJカップバストを自慢げに揺らしていた。

 その横で、桐葉が対抗心を燃やしながらIカップバストを持ち上げていた。


 二人の戦いを、麻弥たんは目をキラキラさせながら見上げていた。

 同じおっぱい好きでも、俺とは天地以上の開きがあった。



   ◆



「んぅ?」


 ふと、麻弥たんの瞳から輝きが消えた。

 小さな手をちょこちょこと虚空に走らせる。

 きっと、AR画面を操作しているのだろう。


「ハニー、パパからメッセージなのです」

「なんだって?」


 お人形さんのように淡々と麻弥たんは告げた。


「ハニーとの結婚は認めないと言っているのです」

「な――」

『なんだってぇええええええええええ!?』


 俺を押しのけ、桐葉たちが同時に叫んだ。


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 本作の政治家がバカ過ぎて説得力がないと言われるので久しぶりのシリーズ。

●嘘のような実話シリーズ

 バカヤロウ、の一言で総理を辞める羽目になった総理がいる。

 吉田茂総理は戦後、アメリカGHQの支配から日本を独立させ戦後復興にも多大な功績を残す昭和の偉人だが、とある国会答弁で野党からの無神経な質問の数々につい小声で「バカヤロウ」と呟いてしまった。するとそれが失言だとして批判に晒され総理を辞めることになった。


綺麗な話もふたつ

 ToLOVEるの作者矢吹健太郎は少年時代転校ばかりだったけどドラゴンボールの話をすればどこでも誰とでも仲良くなれたし話題に困らなかったので寂しくなかった。


 ドラゴンボールの主人公、孫悟空の声優、野沢雅子さんへの手紙で、

 息子が病気で2月いっぱいまでもたないのでサインをくださいと来たので

 オッスオラ悟空、8月に劇場版やるから必ず見に来いよ、映画館で待ってるぜ!

 と録音したテープを送ってあげた。

 後日、息子は8月の映画を見た翌日に亡くなりましたという感謝の手紙と、担当医から医学ってなんなんだろうという手紙が届いた。

 【傑作】は無関係な人達を友達にするし人間の寿命を延ばすという話。


 ――鏡銀鉢もそうありたいものです。

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 次回更新予定は

4月24日 第343話 麻弥との結婚は認めない!

4月30日 第344話 娘さんを僕にください!

です。

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 本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。

 みなさんのおかげで

 フォロワー26018人 1378万1285PV ♥200539★10434

 達成です。重ねてありがとうございます。

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