第340話 真理愛ちゃんの検索ワード履歴

「じゃあ学園都市建設は今のところ順調みたいですね」

「いや、それがそうでもない」


 俺の問いかけに、早百合さんは首を横に振った。


 ――そういえばさっき、問題があるとか言いかけていたな。


「まだ生徒数が少ない」

「え? PVのおかげで編入希望者は右肩上がりなんですよね?」


「前に比べれば、な。だが中高6学年分の超能力者人口は32000人。だが、まだ2万3000人しか集まってはいない」


「どういうことなん?」

「つまり、まだ3割以上の超能力者が入学する気が無いってこと。これじゃゴーストタウンだよ」

「そう、なん?」


 またも首をかしげる糸恋に、桐葉は頷いた。


「学園都市の面積は16キロ平方メートル。東京23区の一つ、中野区とほぼ同じだ。中野区の人口は33万人だから対象者人口はその十分の一になるね」

「細かい数字よく覚えてはるなぁ……けど、そら少ないわなぁ」


 俺も同感だ。


「まぁ実際にはそこで働く職員、それに将来的には大学や初等部が加わるので推定人口は10万人。それでも少なく見えるけど、学園都市は住みやすくするために道幅と建物同士の幅を広くする予定だし、部活で使う各種スポーツ競技場、アビリティリーグのドームも建設されるのでこれでちょうどいいぐらいだけどね」


「あ~、そういえば早百合はんの資料にそう書いてあったな……ウチやなくて桐葉はんが副会長やったほうがえんかなぁ……」


 糸恋が落ち込んだ。


「桐葉はんは全学試1位やけどウチは42位やし、やっぱウチは下位互換……」

「そんなことないっす! イトコちゃんは貴重な銀髪枠っす! あと爆乳っす!」

「お前は黙っとれ」


 詩冴の頭に寸止めチョップをした。

 糸恋の気を紛らわすため、麻弥を抱かせてあげつつ俺は話を戻した。


「原因はなんでしょうか? 家族や友達と別れたくないとか進学先が決まっているとかなら強制はできませんよね?」


 学園都市は超能力者を保護する都市であり、隔離施設ではない。

 入学を強要すれば、OUと同じになってしまう。

 かつて保護の名目で美稲を拉致しようとしたOUの蛮行を、俺は忘れない。


「そのことですが私に心当たりがあります」


 真理愛がMR画面を操作すると、不穏なサイトが表示された。


「これは?」

「どうやら、SNS上で異能学園に不信を抱くコミュニティがあるようなのです。さらにこちらのワードで検索すると」


 真理愛が検索ワード欄に触れると、直近で検索したワード一覧が出てきた。

 そこに【バストアップマッサージ】と表示されていた。


「いいいいいいいいまのは違います! 忘れてください!」


 いつも無表情無感動な真理愛が顔を真っ赤にして慌てふためき一覧を消した。

 そして俺の隣に座る桐葉が拳をぐりぐりとわき腹に押し付けてきた。


「な、なんだよ桐葉」

「ハニーがちゃんとしないから真理愛が不安になるんだよ~」


 珍しいジト目が可愛かった。繰り返す、可愛かった。


 なんだかんだで桐葉と茉美とはセンシティブな関係を築いている俺だけど、真理愛とは全然そういうことになっていない。


 俺がDカップ好きであることを、どこかで示さねば。

 というゲスなことを考えている間に、MR画面が切り替わった。

 まだ顔に赤みの残る真理愛が、片手で顔を隠しつつ説明してくれた。


「コミュニティのリーダーは八郎丸という九州の男子です」

「八郎丸!? て、あの雷帝!?」


 素っ頓狂な声をあげたのは茉美だった。



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 前回の続き。読み飛ばし可

 2014年、ラノベでは魔装学園H×Hが開始。

 ジャンプではi・ショウジョが始まるもすぐにLIVEに移籍。

 セクシー系、巨乳ヒロイン系作品はいくつか出るも長期連載に恵まれず。

 2016年ついにゆらぎ荘の幽奈さんが始まり新時代開幕。

 2020年に連載が終わると矢吹神のあやかしトライアングルへバトンタッチ。

 が、2022年にジャンプ+へ移籍するとジャンプはセクシー枠ゼロ体制で進行。

 ラノベでは私の印象で2017年頃から肌色挿絵が消え始め、ラノベではお約束だったエロハプ、ハーレム作品が減る。

 

 他にもいろいろありますが、2000年代から2009年ぐらいがハーレム、巨乳ヒロイン、エロハプ、セクシー路線の絶頂期で、2010年代以降は下火になっていった印象。

 理由は不明ですが、2000年代に入り、ネットの定額制が普及し、誰でも意見を世の中に発信できるようになると「巨乳とエロを規制せよ」みたいなことを叫ぶ人が増え、自粛が始まったように思う。

 そうした声を聞いた若年層も「これは悪い事、恥ずかしい事なのか」みたいな印象になって離れていった。

 ブームとか流行りとか、言う人がいるけれど、小学生は毎年卒業して新中学生は生まれ続ける。中高生の新陳代謝は止まらない。巨乳ばかりで読者が巨乳に飽きた、というのは違う気がする。既存の読者が飽きても新中高生たちが読むだろう。

 だがよくよく見て見れば2024年現在。

 30代40代がターゲットの異世界系作品では主人公が子作りしまくったり、性的スキルで無双する作品が書籍化、漫画化している。

 一方で十代が読むジャンプ、サンデー、文庫ラノベレーベルからはセクシーが駆逐された。やはり若い子はエロが好きじゃないのか。何故なのか。

 これってまさか、人類が滅亡するというユニバース25? 詳しくはググってね!

(簡単に言うと生物は安全な状態が何世代も続くと生殖しなくなって滅ぶという話)

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 4月5日に新規の方からギフトを頂きました。本作を支持してくれてありがとうございます!もしも期待を裏切らないよう頑張ります。意図せず裏切ることがあったらすいません。 次回更新予定は

4月14日 第341話 ●●●●りエロい15禁

4月20日 第342話 麻弥たんの父親からのメール

4月26日 第343話 麻弥との結婚は認めない!

5月●●日 第344話 娘さんを僕にください!  です。

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 本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。

 みなさんのおかげで

 フォロワー25939人1369万6684PV ♥198577 ★10398

 達成です。重ねてありがとうございます。

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