第338話 このあとどちゃくそマーキングされた
収録後。
俺が控室に戻ると、すぐに部屋のドアがノックされた。
「ハニーはん」
「糸恋か? 入っていいぞ」
どうしたんだろうと思いながら待っていると、控室のドアがおそるおそる開いた。
隙間から銀髪が、そして彼女自慢の翡翠眼が見えて、忍び込むようにゆっくりと入って来た。
体を滑り込ませると後ろ手にドアを閉めて、顔を伏せた。
「お疲れ様、今日は頑張ってくれてありがとうな」
いつもは早百合さん、桐葉、美稲の役目だけど、今回は糸恋も大活躍だった。
彼女はただまっとうな疑問を口にしただけなのだけれど、今回はそれがうまくハマった。
「お、おおきにな……なぁ、ハニーはん……」
「ん?」
妙にしおらしく、落ち着きがない様子はちょっと心配になる。
俺の見ていないところで、何か良くない事でも言われたのか。
「さっき、あの人たち言うてたことなんやけど」
——やっぱりそうか! 何だ。何を言われたんだ!?
ブレザーを脱いでワイシャツの前ボタンを外して、
「垂れてへんよね?」
Hカップの谷間を剥き出しにした。
「ブァフッ!」
――なんだか、最近こういうイベントが妙に多くないか?
非ヨメの半裸姿に、暗黒龍さんもアップを始めた。
――やめろ。お前の出番はない! こういう時は素数を数えるんだ。2、3、5、7、11……。
などと俺が暗黒龍封印の呪文を唱えている間にも、糸恋はボタンをひとつずつ外していく。
「さっき、真理愛はんがウチの未来予想図を念写してくれはったけど、予想は予想やし、服を着ているとよくわからんし、せやから……」
完全にワイシャツを脱ぎ捨てた糸恋は、とうとう背中のブラホックに手を伸ばした。
「女子同士やと気ぃ使ぉて本当のこと言ってくれへんと思うから。ハニーはんになら、もう一度全部見られているし――」
背後から硬質な音がしかけると同時に、俺は彼女の腕をつかんだ。
「だいじょうぶ! 垂れていないから! ていうか垂れていなかったから!」
前に、お風呂場で見てしまった糸恋ノスベテを鮮明に思い出しながら、俺は熱弁した。
「そ、そうなんか? ならええんやけど……」
糸恋がちょっと不完全燃焼気味に口をもごつかせると、勝手にドアが開いた。
「桐葉!? あの、これはちがっ!」
「あ、こっちにいたんだ糸恋。見てよこれ」
俺をスルーして桐葉が見せてくれたMR画面には、さっきの討論動画への感想がつづられていた。
どれも、胸の大きな女の子たちからのコメントだった。
糸恋から勇気を貰った。
これからは胸を張って生きていきます。
自分の体に自信を持てた。
さらに、超能力を自称する人のコメントで、異能学園への入学を決めたとまである。
画面いっぱいに広がる感謝に、糸恋は口に手を当てて感嘆の息を漏らした。
「やっぱお前凄いな」
「へ?」
「早百合さんから学園都市の話をされた時に、俺らは制服のことなんて何も気づかなかったのに……糸恋が、みんなを助けたんだ……」
「ハニーはん……」
感極まったように目を潤ませると、糸恋は抱き着くようにして両手を左右に大きく広げた。
「ハニーはん!」
カチャン どたぱんっ
ブラが落ちて、爆乳が桜色の頂点ごと丸出しになった。
柔らかさを誇示するように重力に従い一度は下に垂れてから、だけど瑞々しい弾力に支えられて左右の豊満さが上に跳ね上がった。
二度、三度、四度と揺れてから、煽情的な先端がツンと上向きに固定されて俺の視線とかち合った。
——暗黒龍ぅうううううううううううううううううう!
思考が停止して全意思力を視神経に集中させた数秒後、白くて細い二本の腕がおっぱいを抱き隠した。
「いやぁんっ! 見んといてぇ!」
「え!? あっ!? いや! あの!」
「待っててハニー! ボクのおっぱいで上書きするから!」
「ブレザーを脱ぐなワイシャツのボタンを外すなぁ!」
◆
その日の夜、俺はベッドでうんざりとした溜息を吐いた。
「まったく、毎回毎回飽きもしないで討論ばっかりでいい加減嫌になるな」
「ハニーの言う通りだけど、ボクとのベッドタイム前にそういうことを考えないで欲しいなぁ」
「ん、んぅ……」
桐葉が肩に抱き着きながら、細い指で俺の頬を突いてきた。
「えへへ、ハニー♪」
両手でぎゅっと俺を抱き寄せながら、桐葉は頬ずりをしてきた。
まるで、俺の所有権を主張するような甘え振りに胸が高鳴った。
——こんなエロカワイイ子が未来の嫁とか、こんなに幸せでいいのだろうか?
そこで不意に、頬を離した桐葉が俺の瞳を覗き込んできた。
「ねぇハニー、二日前のチョコケーキ美味しかった?」
「当たり前だろ。最高に美味しかったぞ」
討論を延期してみんなと過ごしたバレンタインは、物理的にも精神的にも甘くて最高の一日だった。
早百合さんの言う通り、チョコを合作にしたのは正解だと思う。
誰のチョコが一番おいしかったか、仮に聞かれなかったとしても、みんなの中にはずっと疑問として残るだろうから。
「じゃあ、ボクからのアフターチョコを上げるね」
「え?」
ドキリとしつつも、これはいけないとたしなめる。
「おいおい。みんなでチョコは合作って約束しただろ? ルール違反はだめだぞ」
けれど、桐葉は悪びれることもなく、妖しく笑った。
「だいじょうぶだいじょうぶ。約束はバレンタインチョコをみんなで作ること。バレンタインが終わった後で市販のチョコをハニーにあげるのは関係ないでしょ?」
言って、桐葉は深い胸の谷間に手を突っ込んだ。
つい、視線で手を追いかけてしまう。
「はい」
人肌で温められていたのは、銀紙にくるまれた一口サイズのチョコだった。
「まぁ、それぐらいなら……」
おっぱいで温めていたのはえっちだけど、市販のチョコのひとつくらい、構わないだろう。
「あむ」
チョコは何故か桐葉の口の中へ、そして頬を小さく膨らませながら彼女はパジャマの前ボタンを全て外していく。
「こうやってボクの口の中で溶かしたチョコをハチミツと混ぜてから……」
「ま、まさか桐葉お前!?」
「んふ♪」
数秒後におとずれるであろうえっちすぎる展開に戦慄しながら、俺は身を退いた。
けれど時すでに遅し。
ナイトブラごとパジャマを脱ぎ捨て上半身裸になった桐葉は、俺のパジャマを一息に引き裂いてきた。
それから、互いの胸を合わせながら俺を押し倒すとそのままキスをしてきた。
——ふぉぉおおおおおおおおおおおおお!
3000グラムを超える、最高の重量感が胸板に広がった。
口の中が100パーセント超えの糖度と熱に蹂躙されて思考力が麻痺していく。
「ぷはっ……ふふ、ハニー。ボクが家族になりたい女の子となら何してもいいよ。けどね……」
蠱惑的な声がより悪魔的に、深淵の底から湧き上がる破滅の序曲のように囁かれた。
「ハニーの心と体は、ボクの匂いに満たされていないとダーメ」
ハチミツ色の眼光が妖しく輝き、俺は背筋が縮み上がりながらパンツの中が活火山と化した。
このあと、どちゃくそマーキングされた。
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嘘のような実話 外伝3
手塚治虫はほぼ一人で現代漫画を創った
手塚治虫が生み出したモノ
●ストーリー漫画 ●キスシーン ●バッドエンド ●SF ●医療漫画
●コマ割り ●カメラアングル ●スターシステム
●効果音 ●無音を示すシーンという擬態擬音語
●ボクっ娘 ●合法ロリ ●トランスジェンダー主人公(1953年)
●ケモナー属性
●萌えキャラ(1973年ブラックジャックのピノコ。合法ロリで舌ったらず口調で主人公の妻を自称しハグ、キス「愛ちてゆ」など)
他、細かい表現描写多数
手塚治虫以前のマンガは4コマ漫画、数ページマンガ。雑誌や新聞のオマケ的存在。
4コマ漫画みたいに上下にコマが並ぶだけ。舞台みたく1視点から同一背景でキャラが喋るだけ。動きはわずか。効果音無し。という現代では考えられない内容。
手塚治虫は嫉妬癖があり、仲の良い後輩が売れると急に冷たくなる、落ち目になると優しくなる、人気作品の批判をする。逆に手塚治虫から批判されるのが最大の賞賛で一流の証だった。
そんな手塚治虫が敵わない、僕の後継者、と嫉妬心すら起きず褒めちぎったのが鳥山明。前回の続きですが手塚治虫が基礎を創り、鳥山明が発展、王道を創った。
漫画ファンとして二大神に感謝します。
余談ですが鏡銀鉢は以前から担当編集者と打ち合わせをするとき、多かれ少なかれドラゴンボールの話になります。30代の男が二人、ラノベの打ち合わせでドラゴンボール凄いね、鳥山先生凄いね、鳥島さん凄いね、という話で喜んでいます。
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3月22日と25日にギフトを頂きました。いつも応援頂きありがとうございます。糸恋編の途中ですがプチ麻弥たん編があるのでぜひとも笑いながら愉しんでください。応援に応えるべく、これからも全力で執筆させて頂きます!
次回更新予定は
4月●●日 第339話 糸恋って俺のこと好きなんだろうな
4月●●日 第340話 真理愛ちゃんの検索ワード履歴
4月●●日 第341話 ●●●●●●●●15禁
5月●●日 第342話 麻弥たんの父親からのメール
5月●●日 第343話 麻弥との結婚は認めない!
5月●●日 第344話 娘さんを僕にください!
です。
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本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。
みなさんのおかげで
フォロワー25820人 1359万1713PV ♥196726★10364
達成です。重ねてありがとうございます。
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