第207話 美稲の宝石貴金属作り放題能力がバレた

 可哀そうなので、せめて心の中では早百合さんと呼んであげよう。


「そのうちバレるとは思っていたさ。むしろ、想定よりも遅いぐらいだ」

「それだけ、外国もまさか貴金属を無制限に生み出せる超能力があるだなんて思わなかったんでしょうね」


「うむ。それに、諸外国からすれば、日本が支払った黄金が本物ならばそれでよし。わざわざサイコメトラーを呼び寄せ情報の読み取りまではさせなかったのだろう。私の心配し過ぎだったやもしれん」


「ですが今でも信じられませんわ。美稲さん、貴女、本当に海水から貴金属だけを抽出できますの?」


 美方の問いに、美稲は抵抗なく頷いた。


「できるよ。単一の原子を集めて固めるのは簡単だもん。ダイヤモンドも無限に作れるよ」

「これは……市場価値が暴落しますわね……」


 美方は口をへの字にした。


「いや、それはないだろう」


 早百合さんが即答した。


「宝石や貴金属の値段は、需要と供給で成り立っている。事実、今の技術なら人工ダイヤモンドは作れるがダイヤモンドは宝石のままだ」


 言われてみると、ダイヤモンドの価格が暴落した話は聞かない。


「もしも先進国各国が大量の人工ダイヤモンドを作り市場に流せば需要に対して供給過多となり、価格は暴落するだろう。だが、それがわかっているからこそ、どこの国も手を出さない」


 小学生に教えるように、早百合さんはやわらかい口調で、活舌良く説明を続けた。

 そして意外にも、美方はふむふむとおとなしく聞いていた。


「それに、一口にダイヤモンドと言っても大きさ、色、透明度、純度などさまざまな要素からなる品質がある。需要を満たす品質のダイヤモンドを量産できなければ、市場価値に影響は出ないだろう」


 そこまで説明してから、早百合さんの視線は美稲に移った。


「だから、内峰美稲が需要を満たす品質のダイヤモンドを大量に作って市場に流したり、今まで彼女が生成した貴金属を日本政府が市場に流さない限り、ダイヤモンドと貴金属の価格暴落は起こらないのだ」


「なるほど、納得ですわ。ですが、OUは金相場の混乱を理由に糾弾していますわよね?」


 表情を引き締め、早百合さんは頷いた。


「ここからが本題だ。オリエンタルユニオン、通称OUの働きかけで、今、国連では海水利用制限条約が採択される見通しだ。OUの言い分は、環境破壊と金相場の混乱を避けるため、だ」

「ですが、OU一国が騒いだところで他国が賛同しなければいいだけですわ」


 楽天的な美方に、早百合さんは首を横に振った。


「この動きに、各国も同調している」

「何故ですの!?」


「OUは人口20億人を超える超巨大市場だ。OUとの貿易を止められ、20億人分購買人口を失い経済破綻しない国はないだろう。事実、これまでもOUは禁輸という最強の外交カードを手に、各国へ圧力を加えてきた。今回も同じだろう」


「そんなの、あんまりですわ……」


 美方は口惜しいとばかりに歯を食いしばり、弟の守方になだめられている。


 実際問題、このOU問題を危険視する評論家は世界中にいる。


 今のパワーバランスはOU一強状態で、近い将来と言わず、すでに世界はOUに支配されている、と熱弁する評論家もいる。

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 大臣と事務次官を兼任したら早百合ちゃんが過労で倒れるのではないかと言うコメントを頂きまして。


 麻弥たんを早百合ちゃんの膝の上に乗せる。

 麻弥たんに欲望のままに早百合ちゃんの爆乳を揉ませる。

 麻弥たんに甘えられて早百合ちゃんはバフがかかって仕事がはかどる。

 麻弥たんは爆乳に思う存分甘えられて幸せ。


 これぞ永久機関!

 ていうか今放送中の社畜さんは幼女幽霊に癒された〇かな?

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 本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。

 みなさんのおかげで

 フォロワー17354人 594万0713PV ♥90469 ★7227

 達成です。重ねてありがとうございます。

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