第111話 次回から夏休みだよ!

●キャラ振り返り4 枝幸詩冴(えさししさえ) 

 本作のヒロイン。

 人間以外の生物を自由に操る【オペレーション】の使い手。

 効果範囲は半径10キロメートル、高さ上下10キロメートルずつの円柱。

 効果期間は半年。植物の操作はできない。

 髪と肌が白く瞳が赤いアルビノ少女でハイテンションな性格。

 老若男女に気さく接する24時間かまってちゃん。

 動物好きで動物の背中にまたがって自撮りするのが大好きライドンキング。

 本人もEカップだが巨乳美少女と美幼女が大好きでちょっとオヤジ臭い性格。

 暗い過去を背負うヒロインの多い中で、一人だけハッピーに生きてきた。

 青春イベントに貪欲。

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 伊集院と二人の軍人は即逮捕。


 流石の伊集院も、今度は懲役刑を免れないらしい。


 舞恋のサイコメトリーで、バックにはOUがいることは証明されたが、OUは関係を否定。

 それどころか、日本政府による自作自演と証拠捏造を国際社会に訴えているらしい。

 まったく、面の皮の厚い国である。


 なにはともあれ、俺らは無事に終業式を終え、明日からは夏休みだ。


「海で水着でポロリで大人のドローンをのぼるっす♪」とハシャぐ詩冴を茉美が叩きのめした後の夜、俺はリビングの桐葉と真理愛に挟まれてソファに座っていた。

「あの、これはどういうことでしょうか?」


 二人は左右から肩に抱き着き、俺をサンドイッチにしながら耳元で囁いてくる


「ん~、何ってただボクは疲れたハニーを癒しているだけだよ~」

「私も、ハニーさんを労っているだけです」


 首筋がゾクリとして、顔が熱くなった。

 絶対に今、赤面している。恥ずかしい。


「そして美稲はなんでいるの?」


 テーブルで上品に紅茶を飲む美稲が、ティーカップを置いた。


「え、私の部屋とも繋がっているから。ひとりで過ごすの寂しいし。それに」


 スッとまぶたを半分落として一言。


「ハニー君が警察の御厄介になるようなことをしないか見張りにかなぁ~」

「頭上のRECマークを消してくれ」

「あとは、どうせハニー君のことだから難しいこと考えているんだろうなって。美稲お姉さんに話してごらん」


 美稲がにっこり微笑むと、俺は軽くくちびるを噛んだ。

 それから、重たい不安をゆっくりと吐露した。


「終業式前に言っただろ? いつか俺も、坂東や伊集院みたいになるんじゃないかって。今回のことでまたちょっとな。俺は伊集院にミサイルをぶつけた。これって、酷いことだよな?」


 いくらパワードスーツを着ているとはいえ、クラスメイト相手にミサイルをぶつけるなんて、普通じゃないだろう。

 一歩間違えれば殺人だ。


「昔はこんなことはなかったんだ。なのに、テレポートに目覚めてからはこんなことばかりだ。今は正当防衛で済んでいるけど、だんだん抵抗がなくなっていくような気がして怖いんだよ」

「ハニー君」


 うつむかせた視線を上げると、美稲は眉間にしわを寄せて怒っていた。

 俺がぎょっとした瞬間、美稲は右手を振り上げた。


「私の友達をバカにしないでくれる?」

「み、美稲?」


 まるでいう事を聞かない弟を叱るお姉さんのように、美稲は語調を強めた。


「私の親友のハニー君はね、弱きを助け強きを挫いて悪に拳を振るい女の子に愛を振るうスーパーヒーローなの! そのアルティメットハニー君が私利私欲のために力を使うわけがないでしょ!」


 ――それはどこのハニー君ですか!?


「これ以上、私の友達を侮辱するなら今日までため込んだ弱味を全部流出させちゃうんだから」


 むん、と大きく胸を張る美稲に、気づけば俺は謝っていた。


「ごめんなさい」

「うん、よろしい」


 太陽のような笑顔に、俺は何も言えなくなってしまった。


「そうだよハニー。さっきの新技だって、ボクを助けるために覚醒したんだよね? つまり、ハニーは愛の力で戦う戦士なんだよ」

「は、恥ずかしいこと言うなよ」

「そうです。過去のデータを見ても、ハニーさんが覚醒するのは私たちを守る時と桐葉さんの裸を見たい時だけです。ハニーさんのトリガーは私利私欲ではなく性欲です」

「恥ずかしいこと言うなよ!」

「ていうかハニー君、あれって新技使わなくても桐葉さんをテレポートさせれば簡単に助けられたんじゃない?」

「あ……」


 美稲の指摘に、俺は恥ずかしくてうつむいた。


「だ、だって思いつかなかったんだもん」


 語尾がもんになるぐらい恥ずかしかった。

 やっぱり、俺はテレポートを使いこなせていないらしい。


「ハニーってば可愛い。そんなところも大好きだよ、ちゅ」

「わ、私もハニーさんが好きです。あむ」


 ――う、うぉおおおおおおおおおお!


 左右の頬にふたりのくちびると舌の感触を受けて、俺はその体温と水気に心の中で絶叫した。

 そして、美稲の頭上のRECマークがLIVEマークに変わって物理的に絶叫した。


「だぁあああああああああああああお前それどこに配信しているんだぁあああ!?」

「え? 私たちのグループにだけど。ちなみに早百合局長も招待済だよ」


 途端に、俺の視界に詩冴、茉美、舞恋、麻弥、早百合局長からのメッセージが怒涛のごとく表示されていく。


 特に、茉美と詩冴の連投が怖かった。


 ていうか詩冴の水着自撮り画像と茉美の鬼面鉄拳ポーズ画像が交互に投稿されて謎の恐怖をかもしだしている。


「うぉおおお、何故だぁあああ、何故世界は俺に優しくないんだぁああああ!?」


 頭を抱えて悲鳴を上げる俺。

 そして美稲は、不敵に笑った。



「さぁて、明日からの夏休みはどうなるかな?」



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 次回から連続で水着水着水着水着水着水着水着水着水着水着水着水着水着ぃい!!

 111話は旅行前日。

 112話からは主人公たちが沖縄旅行へ行きます。

 117話 ボルケーノ貴美美方(たかみみかた)

 118話 テレポートのエロポテンシャルが高すぎる

 119話 戦闘系能力者は出入り禁止?

 120話 スケベ魔王にはジャーマンスープレックス!

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 本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。

 みなさんのおかげで

 フォロワー11264人 286万0325PV ♥41045 ★5594

 達成です。重ねてありがとうございます。

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