第37話黙々と薬草採り

「ヒヨリ、行くぞ」

「あ、うん」


ジーンに促され、街を出て行った。

少し歩くと私が居た森に入る。


「ヒヨリ、いつもどんな風に探しているんだ?」

「えっと、先生を頼りにしたり、見ただけで薬草って分かるから適当に薬になる物を手当たり次第取ってた感じ?」

「…ヒヨリ」

「だ、だって生きるのに必死だったから何が必要で何が必要じゃないか分かんないし、容量も気にしなくていいからなんでも入れちゃえって思って…」


そう。

あの時は何が常識なのかも分からなくて、いや、今も分かってないけど、草という草を取った記憶がある。

草だけでなく石ころや木とかも。

あ、そういえば土、どうしよう?

掘った分があるんだけど…まぁ、何かに使うかもしれないし、そのままにしておこう。

整理は先生がしてくれるし。


…誰だ、物が捨てれない人間って言った奴。


その通りだよ、ちくしょう!!


「…ヒヨリ、まさかとは思うが、薬草の名前を覚えてないとかないよな?」


さっきまで仕方ないといった顔をふと、不安気に歪ませたジーンに私は可愛く笑い掛けた。


「え、えへ?」


可愛こぶってもジーンは頭を抱えて溜息を吐くだけ。


くそぅ、耐性を作りよったな。

口には出していないが顔に出ていたらしく、低い声で名前を呼ばれた。


ひぇっ!?

怖いよ、ジーン!!


「スキルに頼らないで覚えろ。その方が為になるから」

「うぅ…はぁい」


自分でも分かってる。

急に先生と話せなくなったりしたら、私はちゃんと生きていけるだろうか?

答えは否。

今までずっと頼ってきたのだ。

且つジーンの助けももらって生きている。

だから少しでも1人で立たなくちゃいけない。


最初は何なのか鑑定し、これは何だろうクイズを1人で開催し覚えていく。

途中、なんかザシュッとか聞こえてくるけど気にしない。

ジーンが頑張っているだけだから。

気にすべきならジーンは教えてくれるはずだし。

途中ヒカゲ草も見付け、それを中心に探し続けた。

結果、いつの間にか500本抜いていた。


どんだけだよ、私。


「大分集中していたな。もう日が暮れるぞ?」

「え!?お昼食べてない!!」

「そこか」

「ごはん、大事」

「そうだな。今度からは声を掛けよう。それより街に帰るぞ。ギルドに必要な薬草は俺に寄越せ」


…意味は分かるんだけど、側から見たらカツアゲされてるみたいだ。

もう少し言葉に気を付けようよジーン、なんて思いながら私は薬草を渡した。


「…多いな」

「群生地があったの」


あと数日間はずっとやってたし、先生にコツを教えてもらったりしていて慣れたからってのもある。


「あっ!」

「どうした?」

「そういえば1束って何本?」

「今更だな。基本10本だ。覚えておくといい」

「はぁい」


抜けてるとか言わないで。

自覚してるから。


運命の神様が見てたら今の私って面白いと思われてそうだ。

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