第25話気が付かなかったよ
というか、この人は何者なのだろう?
疑問が顔に出たのか、女性が挨拶してくれた。
「ああ、そういえば名乗ってなかったな。私はセイラ・アーカルドだ。軍人をやっていて、此奴にいい加減冒険者の仕事をしろと顔を出してる」
「んもう、セイちゃんったら若気の至りを今でも言うんだもの」
「何が若気の至りだ!最速でAランクまで達していてSランクにも届くと言われていたのに、可愛いに目覚めたとか抜かして店を始めたただの変人だろ!」
「冒険者って可愛くないんだもの。最初はまぁいいか程度だったけど、ダメね。ムサ過ぎてギブアップしたわ」
「そんな理由で辞めるなよ!それでなくても治癒魔法の使い手なのに!」
「あら、そっちはやってるわよ?」
「じゃあ討伐もしろよ…」
「いやよ」
わぁわぁと私は蚊帳の外で言い合っているのを見つめながら、ジーン早く帰って来ないかなって思っていた。
ただ、ジーンが本当に強いのが分かったのはちょっと嬉しかった。
「そういえばヒヨリはいくつなんだ?3歳くらいか?」
いきなりこっちに話を振られてびっくりしたけど、3歳って…。
私、そんなに小さいんだろうか?
「えっと、その、5歳です」
「5歳!?その大きさで!?」
「貴女が言うの?」
あー、本当にジーンまだ帰って来ないかなって思ってたら、扉からジーンの声が聞こえて扉に走った。
そこには黒いマントの怪しい人物が出て来て迷わず抱き着いた。
ジーンは何やらアタフタしてたけど知らない。
「おかえり」
「ただいま。その服、似合ってるな」
私は嬉しくなってくるりと一回転すると、ジーンは優しく笑ってた。
ちょっと照れ臭くなってもじもじしてると、ランちゃんとセイラさんが来た。
「あら、おかえり。ごめんなさい、マントはまだなのよ」
「漆黒!お前も言ってやれ、ランドルフに戻れって!」
「まだ言っていたのか。ムリだろ、諦めろ」
「くっ!」
「それより何でマントが出来てないんだ?」
私はそれにギクっとして小さく、あのね、問題が起きて、とコソコソとジーンに言うとジーンが真顔になった。
やっぱりヤバいよね。
「ヒヨリ、それは実物だけなのか?それともデザインでも可能なのか?」
あ、そうだよね。
神様達のことだし…。
『可能です』
でーすーよーねー!!
私は残念そうに頷いた。
ジーンの顔はもはや悟っている。
「2人してコソコソ話してどうしたの?」
「ラン、聞かないか契約を交わすかどっちがいい?」
「5歳児相手に何話してんの!?」
確かにそう聞かれたらそうなるよね。
因みにセイラさんは固まってる。
「セイラはとりあえず帰れ。ムリだし」
「うぐっ!いつか復帰させてやるし!今日のところは帰ってやる!」
とりあえずセイラさんにバイバイと手を振ると恥ずかし気に小さく振ってくれた。
かーわーいーいー!
「セイちゃんああいうところは可愛いのよね」
「なら復帰してやればいい。あいつお前のファンだろ」
「素のワタシを好きになって欲しいのよ」
「難しいな」
え、恋話!?
え、そういう関係だったの!?
私、全然気が付かなかったよ!?
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