第23話お着替えは大変です

拭き終わると、ベッドの横に可愛らしい服が置いてあった。

多分これを着ろということなのだろう。

背中に当たらないように開いていて首で服を止めるようだ。

真っ白なワンピースにピンクのカーディガン。

しかし翼の邪魔にならないように真ん中が割れている。

恐らく鳥の獣族用の服なのだろう。


あんまりゴテゴテしてなくてシンプルな中に可愛さがある。

控えめにレースとか付いてて、ぶっちゃけ私好みである。

子供に着せたい服だわー。

でも着てるのが私なんだよね。

なんて残念感よ。

なんて考えてるうちにノックが鳴ったので返事をしたらランちゃんぎ入って来た。


「まぁまぁ、やっぱり似合うわ!あぁ、でも、この辺とかあの辺とかああした方がよかったわー」


などと言いながら数着手にしてるので私は察した。


あっ、これ着せ替え人形にされるやつや。


ええ、分かりますとも。

私だって目の前に可愛い幼女が居たら着飾りたい。

だから黙って色々着せられましたとも。

あんなのやこんなのあるのねー、と遠い目をしながら着てましたとも。

というか可愛いけどヒヨコの着ぐるみあるのね、ってそのままでしょうよ!

と、心の声でつっこみつつ、ちゃっかり私も楽しんでいた。

着のみ気ままだったからねー。

ただ、神様特製なので、汚れてないしピカピカのままだ。


よく考えたら私、痛めつけられたの服の外からであって、服の上からは一回もないから耐性に不信感を感じた。

しかしランちゃんは鑑定持ちだったらしく、その耐性をがっつり見てしまったようで、あらあらまぁまぁと感心していた。


「防御面にはこれ以上の服はないし作れないわ。だと言ってこの服だけって言うのも女の子にとっては苦痛よね」


うーん、と悩むランちゃん。

その姿も綺麗だな、なんてぼんやり私は見ていた。


「このままの耐性で色んな服になったらいいのに…なんて、そんな機能あったらお洋服売れなくなっちゃうわね!」


うふふ、と可憐に笑うランちゃんを見ながら、私はとても不吉な声を聞いた。


『コウシンチュウ…機能追加…完了。イメチェン⭐︎機能が付与されました』


…ナニソレ。

え、っていうか、イメチェン⭐︎ってなにさ?

⭐︎いらなくない?

先生のキャラブレっていうか多分あの神様が関わっているに違いない。


『ヒヨリ、“イメチェン⭐︎”と唱えて下さい』


え、普通に嫌だよ。

ダサいし、なんの罰ゲームなの?

先生、セリフチェンジは出来ますか?


『コウシンチュウ…主神よりセリフ変更可能となりました』


やっぱり関わってたー!!

そしてありがとうございます、知識の神様ー!!

えっとそのままだけどら“服変更”でも大丈夫?


『コウシンチュウ…“イメチェン⭐︎”から“服変更”に変更されました。ダウンロード開始…終了。一度見たものに変更出来るようになりました』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る