第12話やらかしまくり?
えっと、先生のことは軽めに言っておけばいいかな?
「えっと、鑑定みたいな?スキル持ってるんですけど、珍しかったりします?」
「鑑定自体は珍しくないが度合いにもよるな。大体みたいな?ってなんだ。実際には違うのか?」
「うぐっ」
痛いとこをつかれた。
だよね、私も思う。
何でもっとマシな言い方出来なかったかな、私。
『ヒヨリ、私はヒヨリの判断に任せます。言いたかったら言ってもいいですよ』
せ、先生?
先生から言い出すなんて珍しい。
ということは先生もジーンさんをいい人って判断したのかな?
ならば、女は度胸!
「えっと人や魔物の位置を教えてくれたり出来て、あ!料理や調薬も教えてくれます!さっき食べたスープもジーンさんが飲んだ解毒薬も先生が教えてくれたんですよ!」
「先生?」
「あ、色々教えてくれるからわたしが勝手に呼ばしてもらってるんです。本来は“知識”っていうスキルなんです」
「…ヒヨリ」
「はい?」
「それは初対面の俺に言うべき情報じゃない」
「え、でも言えって」
ジーンさんは頭を痛そうに抱えた。
あ、あれ?
素直に言ったのに。
「いいか、ヒヨリ。素直なのは美徳だが、それはダメだ」
「え?」
「そのスキル、教えるってことは喋るのか?」
「はい」
「いいか、よく聞けよヒヨリ。スキルはまず喋らない。というか自我がない。その時点でも凄いのにスキル名からしてアウトだ。絶対ヤバい。ヒヨリ、いいか?スキルのことだけは絶対誰にも喋るなよ?」
「あ、はい」
あ、でもニヤ達にちょっと喋っちゃだけどアレはいいのかな?
まぁ、非常事態だったからノーカンってことにしておこう。
「先生とやら、もし聞こえているなら危なさそうと判断したことはヒヨリの為に止めてくれ」
『了解致しました』
あ、あれー?
何でこんなことになったの?
しかも先生も了解してるし。
「とにかく寝るか。俺が番をする…って先生が居るからおしえてくれるんだったな…」
ジーンさんは酷く疲れたように項垂れた。
私のせいか。
私のチートが規格外なせいか。
何だか申し訳ない。
「そんな顔するな。言えって言ったのは俺だ。寧ろこんな大事なことを話してくれてありがとう。大丈夫だ、色々対処を考える。ヒヨリは大人に任せて寝ろ」
うぅ…罪悪感が半端ない。
身体が5歳児なだけで精神は違うのに。
もしかして身体に精神が引っ張られてないよね?
…うん、悪いけどジーンさんに任せて寝よう。
頭がパンクしそうな私は現実逃避します。
おやすみなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます