第4話卒業

貧血事件から時は経ちもう1月になっていた。

 あれから先輩を何度か見かけたが話しかける勇気もわかず、あちらから話しかけることもなかった。このまま先輩を見ているだけでも良かったが重大な問題に直面していた。それは

  「卒業」

である。先輩は一つ年上で僕は今二年生。ということは先輩は今年の三月で卒業してしまうのである。卒業後また合えばいいじゃないかと思われそうだが第一先輩の進路のことを聞いたこともない。進学コースにいるということは知っていたがどこの大学へ行くのかどこの地方の大学なのかはたまた大学ではなく専門学校なのか。数多くの疑問が頭を渦巻いている。しかも三年生は2月から卒業はしないものの学校には来なくなる。先輩にあって聞いてみるしかないが、いきなり話しかけても困惑されるだろうし「今頃何よ」と思われるかもしれない。もしかすると怪しまれて無視される可能性だってありえる。いざ先輩が自分の前で信号待ちをしていたりホームで隣で待っていたとしても話しかけようとしてもこれらのことが頭をよぎると話しかけられない。そんなことを思いながらも月日は経っていき遂に卒業式最後の登校日が来てしまった。

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