第3話目覚め

目が覚めると白い天井が広がっていた。

「あ、大丈夫でしたか?」

誰かに声をかけられ辺りを見渡すと電車の運行状況の表示機等が置かれていた。

「ホームで倒れられて前に並んでおられたお客様が『貧血みたいだから寝かせておいてください』と仰っていて駅事務所でお休みいただいていました。」

駅員の方がそう言い、水を出してくれた。

「その人って誰ですか...?」

「すみません。名前を聞く前に電車に乗られて聞けなかったんです。女性の方でしたよ。」

おそらく先輩であろう。普通なら今すぐにでもお礼に行かないといけないが先輩の家も知らないし連絡先も知らない。その日は駅員の方にお礼を言いそのまま帰ることにした。

 次の日いつものように電車に乗ろうとするとき先輩の姿が見えた。昨日救ってくれたお礼をしようと思い緊張しながら彼女のいる最寄りのドアに入ろうとすると駅員に止められた。

「えっ?」

困惑し駅員の話を聞くと

「女性専用車両なので男性のお客様のご乗車はご遠慮ください。」

よく見るとドアの上に女性専用車両と書いてあり中には先輩を含めた女性ばかりが座っていた。僕は思わず赤面し隣の車両へ乗り込んだ。

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