第12話

 秀紀は、二人のデートを盗み見て思った。


 意外とちゃんとデートしちゃってるな、と。


 二人は歩調を合わせて歩く。そして、歩きながら楽しげに会話を交わす。動物をみてはしゃいだり、ヘビを(結城が)怖がったりして盛り上がっている。お弁当も手作りだ。羨ましい。


 こっちはホットドックと肉まんを食べてお昼ご飯としているのに。


 しかたがない。


 結城たちが、食堂でご飯を食べてくれなかったのか。外で売っているホットスナックなどそれぐらいしかない。


 こうしてみていると、本当に結城たちの障害が年齢だけに思える。


「氷が大きくなるまで待てばいいのに」


 そんなことを考えてしまって秀紀は、はっとした。


 すでに思考がロリコンになっている。


「秀紀先輩!」


 里奈が感極まったというふうに、彼の手を握った。


「私もそう思いましたよ!」


 こうして、結城をロリコンにしようという作戦が開始された。

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