第4話
日曜日にデートをする、勝手にそう約束させられた結城は焦っていた。
もしも、結城がデートの約束を無視すれば、結城を夕方へたすれば夜まで結城を待ち続けるだろう。それはいくらなんでもまずい。
「ということで知恵を貸してくれ」
秀紀と里奈に、結城は頭を下げていた。
小学生とのデートを阻止するためである。
「でも、先輩。話を聞いている限りは、阻止は難しそうですよ」
里奈の言葉に、結城は「やっぱりか」と思う。氷は押しが強いうえに、自分が小学生だと言うアドバンテージをうまく使ってくる。
「じゃあ、私がデートについていきましょうか。先輩の恋人ってことにして」
里奈の申し出はありがたいが、そんなことをすれば双子の兄たちの餌食になりかねない。今だって、実は里奈の後ろに待機している。見た目の性格もそっくりな双子の兄弟愁と修平はいつだって、一歳年下の妹を中心にして世界が回っている。そのため、二人とも整った容姿なのに恋人はいない。作る気がないのかもしれない。今のところ、妹のガードを固めるのが忙しすぎて。
「じゃあ、いっそのことお兄ちゃんたちも連れて行きましょうよ。それで、ついでに秀紀先輩も誘うとか」
それはただ集団で水族館に行っているだけではないだろうか。
だが、それ以上にいい案も浮かばなかったのでみんなで水族館へと行くことになってしまった。
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