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「最近仕事どう?困ったことない?」
「はい、部長に育ててもらったおかげで、きちんとこなせてます。」
「入社したときは何もできなかったもんねぇ。」
部長はカラカラと陽気に笑いながら懐かしむように言った。確かに入社当時の私は何もできなくて、ただ学校推薦で内定の決まったラッキーな子という位置付けだった。
「部長、恥ずかしいのでそれは内緒です。今は大分ましですよね?」
「頑張ってやってるって、早田くんからの評価もいいみたいだよ。ねえ、早田くん。朱宮さん、しっかりやってるんでしょ?」
部長の半歩後ろでにこやかに立っていた早田課長が、前に出て頷いた。
「それはもう、みんな助かってますよ。我がセキュリティ管理課の縁の下の力持ちですからね。いつもありがとう、朱宮さん。」
「あ、いえ、そんな。」
褒められて悪い気はしない。
それに、あれから早田課長は特にセクハラをすることもなく穏やかに日々が過ぎていたので、警戒心も大分薄れている。
「なんか、部長と課長が姫乃さん囲っちゃってますね。」
真希ちゃんがつまらなさそうに祥子さんに耳打ちした。
「まあ、老若男女問わず人気だからね、姫ちゃんは。部長と課長に囲まれちゃ、いくら今日は無礼講といえ誰も手出しできないよねぇ。」
「くそー、自分で交流してきます!」
真希ちゃんはビール片手に別のテーブルへ消えていく。
「肉食系いいねぇ!姫ちゃんもあれくらいガツガツすりゃいいのに。」
祥子さんはひとりしっぽりビールを飲みながら、楽し気に真希ちゃんを見送った。
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