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私はもうアラサーで、樹くんよりも年上で、いい加減立派な大人なのに。
こんなんじゃダメだよね。
ソファーにぼんやり座ったまま一人反省会をしていると、樹くんが私の乱れた髪を優しく整えてくれた。頭を撫でてくれる、その手の動きが心地いい。
「ねえ、俺とのキスは嫌じゃないんだ?」
「えっ?」
「抵抗なし?」
「いや、だって。抵抗なんてできなかった。」
「もっとする?してほしい?」
思わず唇を見てしまって慌てて目をそらした。
たぶん顔真っ赤だ。
もっとしてほしいだなんて、一瞬でも思ってしまった自分に驚く。
ドキドキと心臓の音が聞こえてしまうのではないかと思うほど鼓動が早くなった。
樹くんが私の頬を包んで顎をくいっと上げる。
「キスだけで止まらなくなったらごめんね。」
何かを考えるよりも早く、また唇に柔らかな感触。それはすぐに離れたかと思うと、おでこ、ほっぺ、耳、首筋、とどんどん降り注ぎ、体の奥からぞくぞくと痺れた。
「い、つき、く…んっ。」
名前を呼ぶとすぐに唇を塞がれた。
甘いと息が漏れる中、樹くんは私のブラウスのボタンに手をかける。
え、え、え、ぼ、ぼたんっ。
ど、ど、ど、どうしようっ。
この先のことを考えるだけでカアアっと体が熱くなった。
樹くんは余裕な表情で甘く微笑む。
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