16

「姫乃さん、いつも一人でご飯食べてるんだ?」


「うん。」


「ふーん。」


素直に返事をする私に向かって、大野くんはいやらしくニヤニヤと笑う。


はっ!

何かこれって、彼氏がいないと言っているようなものじゃない?!

やばっ。

私は慌てて口元を押さえた。


「あの、えっと…。」


「じゃあ毎日一緒に食べましょう。」


「え?」


「買ってもいいし、俺が作ってもいいし。」


「お兄ちゃんずるい!渚も一緒に食べたい。」


「お前は家に帰れよ。母さんが心配するだろ。」


「むー。姫乃さん、たまには私も食べに来ていいですよね?」


「えっ、う、うん。」


よくわからない流れに巻き込まれ、そのままなしくずし的に承諾してしまったのだけど。

これって大野くんと毎日一緒にご飯食べること、だよね?


え?

ええ???

えええええ????

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