ゴミだらけの砂漠という、人間社会の朽ち果てた終点のような場所をさ迷う詩人。この詩人は何故この場所をさまよっているのか?
もう詩を書けなくなったのか、誰にも読まれなくなったのか、それでもまだあがいているのか。
本来なら相手に届ける事が目的の手紙。届くあても分からないボトルに入った手紙を最果ての乾いた砂漠で見つける詩人。
その手紙に心奪われ、次の誰が見つけるとも思えないが、返事の詩を書いてボトルに詰める。
極力心理描写を排した文体が、乾いた砂漠の情景を引き立て
読む人の解釈と想像をかき立てる、小説とは何を訴えるためのものなのか、を表現した素晴らしい作品です。